2024年07月20日

【ゴジラ−1.0】My Cinema File 2880

ゴジラ−1.0.jpg
 
2023年 日本
監督: 山崎貴
出演: 
神木隆之介:敷島浩一
浜辺美波:大石典子
山田裕貴:水島四郎
青木崇高:橘宗作
吉岡秀隆:野田健治
安藤サクラ:太田澄子
佐々木蔵之介:秋津清治

<映画.com>
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日本が生んだ特撮怪獣映画の金字塔「ゴジラ」の生誕70周年記念作品で、日本で製作された実写のゴジラ映画としては通算30作目。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズをはじめ『永遠の0』「寄生獣」など数々の話題作を生み出してきたヒットメーカーの山崎貴が監督・脚本・VFXを手がけた。
タイトルの「−1.0」の読みは「マイナスワン」。舞台は戦後の日本。戦争によって焦土と化し、なにもかもを失い文字通り「無(ゼロ)」になったこの国に、追い打ちをかけるように突如ゴジラが出現する。ゴジラはその圧倒的な力で日本を「負(マイナス)」へと叩き落とす。戦争を生き延びた名もなき人々は、ゴジラに対して生きて抗う術を探っていく。
主演を神木隆之介、ヒロイン役を浜辺美波が務め、NHK連続テレビ小説「らんまん」でも夫婦役を演じて話題を集めた2人が共演。戦争から生還するも両親を失った主人公の敷島浩一を神木、焼け野原の戦後日本をひとり強く生きるなかで敷島と出会う大石典子を浜辺が演じる。そのほかのキャストに山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、 佐々木蔵之介ら。2023年12月にはアメリカでも公開され、全米歴代邦画実写作品の興行収入1位を記録するなど大ヒットを記録。第96回アカデミー賞では日本映画として初めて視覚効果賞を受賞するという快挙を達成した。第47回日本アカデミー賞でも最優秀作品賞ほか同年度最多8部門の最優秀賞を受賞した。
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ここのところ「ゴジラ映画」がいろいろと創られている。ハリウッド版の『GODZILLA ゴジラ』(My Cinema File 1478)とか『シン・ゴジラ』(My Cinema File 1795)とかである。子供の頃に観ていたゴジラシリーズは、「ゴジラ対〇〇」といったもので、ゴジラは正義の味方というイメージであったが、近年は元に戻って「害獣」的な存在となっている。そんなゴジラの最新作。タイトルに「−1.0」とついているのが特徴。最近は「2.0」とか「3.0」とかの表示をよく見るが、「−」というのは初めて。その意味は観ていくうちにわかってくる。

時に1945年、第二次世界大戦の末期。1機の零戦が大戸島の守備隊基地に着陸する。どうやら特攻作戦に参加したものの、機体の不具合で緊急着陸したようである。パイロットは敷島浩一。爆弾を装着したまま整備されていない凸凹の滑走路に着陸し、基地所属の整備班リーダー橘宗作からその腕前を褒められる。しかし、橘はまた点検の結果、機体に故障個所が見当たらないため、敷島に不信感を持つ。

その日、なぜか海面に深海魚が多数浮かび上がっているのが目撃される。島の言い伝えではそんな日はゴジラが出ると言う。その夜、夜の海から突然恐竜のような生物が現れる。慌てて撃退しようとするが、整備兵中心の守備隊はなす術もない。橘は零戦の20mm機銃でゴジラを撃つように敷島に頼むが、恐れをなした敷島は引き金を引けず、整備班はリーダーの橘を残して全滅する。やがて終戦となり、引上げ船の中で、敷島は橘から整備班の持っていた家族の写真を押し付けられる。

日本に帰国した敷島は焦土と化した東京に愕然とする。ようやく帰り着いた自宅は焼け落ちており、隣人の太田澄子から両親ともども死亡したことを知らされる。なんとか暮らし始めた敷島だが、ある日闇市で誰かから逃げてきた女から赤ん坊を押し付けられる。女は姿を消し、敷島は途方にくれるが、やがて逃げ切って戻ってきた女と再会する。おんなは大石典子と名乗る。同じように空襲で両親を失った典子は行くあてがなく、敷島の家(といっても焼け跡に建てたバラック)に転がりこむ。

敷島は2人を養うために復員省から紹介を受けた磁気式機雷の撤去の仕事を受ける。危険が伴うゆえに高給の仕事であるが、そこで木製の掃海艇の乗組員である水島四郎と元技術士官の野田健治、船長の秋津C治と出会う。時は1945年から1946年、1947年へと移っていく。給料を溜めた敷島は家を改装し、典子と子供の明子と生活も安定している。ただ、典子とはまだ他人のままで、典子は敷島の足手まといにならないよう自立しようとして銀座で事務員の仕事を見つけてくる。その頃、ビキニ諸島では米軍による原爆実験が行われる・・・

『シン・ゴジラ』(My Cinema File 1795)では、ある時突然海からゴジラ(の幼獣?)が現れたが、ここではまだ小型のゴジラが登場し、それがどうやら米軍の核実験で被爆した事により巨大化する。そしてゴジラは日本へ向かう。その途中で駆逐艦を沈めるが、当時はソ連との関係性が悪化していたため、米軍は軍事行動を起こせず、日本が単独でゴジラに対処するようことになる。敗戦後でろくな軍事力も兵員もない日本がどうゴジラに太刀打ちするのか。それが1つの見どころになる。

キーを握るのは、ゴジラとの遭遇から悪夢にうなされ、トラウマを抱える敷島。そしてついに日本に上陸するゴジラ。機転を利かせて機雷でゴジラの顔半分を吹き飛ばすことに成功するも、ゴジラは恐るべき再生能力で回復する。ゴジラと言えば東京タワーであるが、この時代、まだ東京タワーは建設されていない。変わりに向かったのが銀座。そして当時の銀座のシンボル的存在であったのは、空襲でも被害を免れた日本劇場。それが無残にも破壊される。

ゴジラの基本的能力は同じで、尻尾から背びれが青く輝き、口から猛烈な熱線を吐き出す。その再生能力とあちこちで肉片をまき散らす様子がラストへの伏線になる。戦力が乏しい中、自然の海の力を利用した作戦。そしてトラウマを負った敷島の行動。局地戦闘機「震電」の存在は知っていたが、その姿は戦闘機が逆向きに飛んでいるかのようであり、このアイディアは素晴らしいと思う。どうしても「ゴジラ退治」に主眼が置かれがちではあるが、人間ドラマも丁寧に描かれ、物語の世界に引き込まれる。

『シン・ゴジラ』(My Cinema File 1795)とはまた違った趣が溢れるこの映画。やはりハリウッドには真似のできないものを感じる。思わせぶりなラストはただの余韻なのか。ちょっと気になった映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2024年05月03日

【MEG ザ・モンスターズ2】My Cinema File 2851

MEG ザ・モンスターズ2.jpeg

原題: Meg 2: The Trench
2023年 アメリカ
監督: ベン・ウィートリー
出演: 
ジェイソン・ステイサム:ジョナス・テイラー
ウー・ジン:ジウミン・ジャン
ソフィア・ツァイ:メイイン・ジャン
クリフ・カーティス:ジェームズ・“マック”・マックライズ
ペイジ・ケネディ:DJ
セルヒオ・ペリス=メンチェータ:モンテス
スカイラー・サミュエルズ:ジェス
フェリックス・メイヤー:ランス
シエンナ・ギロリー:ヒラリー・ドリスコル
メリッサンティ・マハウト:リガス
ウーピー・ヴァン・ラーム:カーティス
キラン・ソニア・サワル:サル
スイ・フォン・アイビー・ツイ:ココ

<シネマトゥデイ>
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かつて地球上に存在したとされる巨大ザメ・メガロドン(通称MEG)と人間の死闘を描く『MEG ザ・モンスター』の続編。深海から出現したMEGの群れやさらなる巨大生物が、人間たちに襲い掛かる。監督は『フリー・ファイヤー』などのベン・ウィートリー。主演のジェイソン・ステイサムをはじめ、ペイジ・ケネディ、クリフ・カーティスが前作から続投し、『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』などのウー・ジン、ドラマ「スクリーム・クイーンズ」などのスカイラー・サミュエルズらが出演する。
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前作から5年。冒頭でとある船が海洋不法投棄を行なっている。船に忍び込んでいたジョナス・テイラーは、証拠写真を撮っていく。しかし、船員に見つかり、乱闘を繰り返す。多勢に無勢、しかも船内という限られた空間に逃げ場はなく、ジョナスは海に飛び込む。大海原の真ん中では自殺行為であるが、そこに飛行艇が飛んできて救助される。仲間との連携プレーであるが、冒頭の挨拶がわりの立ち合いである。

ジョナスは、このようにマナワン社で海洋環境を守る仕事をしながら、一方で海底の調査活動にも携わっている。マナワン社では、前作で登場したメイインの叔父にあたるジウミン・ジャンが海洋研究センター「マナ・ワン」を引き継ぎ、海底調査用のパワードスーツの開発も手がけている。メイインも成長し、母が潜っていた頃と同じ歳になっているが、親代わりであるジョナスと叔父のジウミンに危険だからと潜ることを許可されず、不満を抱えている。

マナ・ワンでは、海洋調査の一環として、メガロドンを飼育している。前作ではさんざんな目に遭ったはずだが、「ハイチ」と名付け、幼少期から育てたために言う事を聞かせられるとジウミンは危険視しない。平気で一緒に潜るが、メガロドンの巨体はあまりにも脅威であり、ジョナスらは何度も警告する。そんなイントロを経て、物語はいよいよ本編へと進んでいく。マナ・ワンには開発した2艘の深海探査艇があるが、今回、その探査艇によって深海調査を行う事となるのである。

ジョナスとジウミンは、それぞれ2艘に分かれて探査艇に分乗する。2艘は並んで深海へと潜航していくが、なんとジョナスの探査艇にメイインが潜り込んでいる事が判明する。ドラマを盛り上げるにはありがちな子供の冒険である。戻ろうにもかなりの時間のロスにもなり。危険も少ないだろうとのクルーの意見で、渋々潜航を続けることにしたジョナス。すると、海底にマナ・ワンのものではない海洋ステーションが見つかる。

実はマナ・ワンと提携している大富豪のドリスコルは、ジウミンのパワードスーツなどの技術を密かに盗み出させて利用し、海底の資源の採掘により利益を手にしようとしていたのである。さらに現場にはメガロドンが現れる。1匹は施設を逃げ出したハイチであるが、新たなメガロドンも現れる。そんな中、ドリスコルは部下のモンテスに採掘現場の爆破を命じる。ジウミンにバレることを恐れたのである。

突然の爆発に巻き込まれたジョナスたち。爆発の影響で探査艇が故障してしまう。海上の基地に救援を呼ぶも、今度は救援ボートが故障して動かない。何者かによる破壊工作であり、内部にスパイがいることがわかる。センター内に残るマックとDJは、スパイをあぶり出そうとする。一方、救援が来ないとなったジョナスたちは、パワードスーツを着て歩いて海底ステーションに向かうことにする。

高水圧の深海では、水圧で押しつぶされてしまうが、そんな環境でも動けるのがパワードスーツである。深海では未知の海洋生物が襲い来る。メガロドンも回遊しており、光に反応して襲ってくる。仲間を失いながらも、所属不明の海底ステーションを目指す一行。ジョナスらには、メガロドンなどの海洋生物と、ドリスコル配下の者たちとの両方の脅威にさらされながら危機を逃れようとする・・・

人間社会では無敵のジェイソン・ステイサムがとうとう巨大サメ(恐竜)と戦った前作を受けての続編。今回もメガロドン他、深海では謎の海洋生物にも襲われながら奮闘する。悪の一味も襲ってきて、深海という動きの限定された空間での死闘が行われる。それにしても何だかあれもこれもと詰め込み過ぎの感がある。脅威の相手は巨大サメなのか人間なのか。両方盛り込んだものの、欲張り過ぎで的がぼやけてしまった感はいなめない。

前回に引き続き、今回も中国人俳優が活躍する。今回新たにウー・ジンが、メイインの叔父役として登場する。ジェイソン・ステイサムと並んでの主役であり、中国資本も出資しているのかと思ってみたりする。後半は深海から海上に復帰し、現れたメガロドンとの死闘。しかし、天下のジェイソン・ステイサムに敵はいない。最後は無事に悪を一掃する。後には爽快感があるが、あまりにも正義のチームの圧勝で、何ともご都合主義的なものが鼻についてしまう。

まぁ、ジェイソン・ステイサムの活躍はそれだけでも満足できるので、良いと言えば良いと言えるだろう。この後、このMEGモノはシリーズ化されるのであろうか。続くのであれば、付き合ってもいいかなと思える一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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2022年09月30日

【グリーンランド 地球最後の2日間】My Cinema File 2600

グリーンランド 地球最後の2日間.jpeg

原題: Greenland
2020年 アメリカ
監督: リック・ローマン・ウォー
出演: 
ジェラルド・バトラー:ジョン・ギャリティ
モリーナ・バッカリン:アリソン・ギャリティ
ロジャー・デイル・フロイド:ネイサン・ギャリティ
スコット・グレン:デイル

<映画.com>
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突如現れた彗星による世界崩壊までの48時間を、普通の一家の目線で描いたディザスタームービー。突如現れた彗星の破片が隕石となり地球に衝突した。さらなる巨大隕石による世界崩壊まで残り48時間に迫る中、政府に選ばれた人々の避難が始まる。建築技師の能力を見込まれたジョン・ギャリティ、そして妻のアリソンと息子のネイサンも避難所を目指して輸送機に駆けつけた。しかし、ネイサンの持病により受け入れを拒否され、家族は離れ離れになってしまう。人々がパニックに陥り、無法地帯と化していく中、生き残る道を探すギャリティ一家が目にしたのは、非常事態下での人間の善と悪だった。『エンド・オブ・ホワイトハウス』シリーズのヘラルド・バトラー、『デッドプール』シリーズのモリーナ・バッカリン、『ドクター・スリープ』のロジャー・デイル・フロイドがギャリティ一家を演じる。監督は『エンド・オブ・ステイツ』でバトラーとタッグを組んだリック・ローマン・ウォー。
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主人公は、建築技術者のジョン・ギャリティ。仕事を早めに切り上げると、いそいそと帰宅する。妻アリとの関係はなんとなくぎこちない。そこから訳ありなのだろうと推測がつく。そんな親の様子とは反し、学校から帰宅した息子ネイサンは父の姿に大喜びする。2人の話題は、現在地球に接近中の彗星クラークの話。そんなネイサンは糖尿病を患っている。折から近所の友人たちを招いてパーティを開くことになっており、ジョンはネイサンを連れて買物にでかける。すると突然ジョンのスマホがアラームを告げる。

それは「大統領アラート」で、ジョンの家族に避難を指示するもの。訝しく思うジョンだが、急いで帰宅すると家には友人たちがすでに到着しており、これから始まる隕石の天体ショーをテレビで見ようとしている。バミューダ海域を映したカメラには何の変化もないが、突然地鳴りのような音が響き渡る。様子を見に外に出たジョンを衝撃波が襲い、テレビのニュースはフロリダ州のタンパに落ちた巨大隕石の被害を伝える。そして再びジョンのスマホと家のテレビがアラートを受信し、ギャリティ家の3人が最優先避難者に選ばれたと伝える。

友人たちはあわてて自宅へと戻るが、アラートが届いているのはギャリティ家だけ。ジョンとアリは荷造りして車に乗り込む。アラートが届いていない近所の住民たちのある母親は、半狂乱になって子供だけでも一緒に連れて行ってくれとジョンの車の前に立ち塞がる。懇願する母親を振り切ってジョンは車を出すが、こういう時の行動には考えさせられるものがある。冷たいようだが、たとえ連れて行ってもアラートの対象でないから避難先で子供だけ拒否されるかもしれないというジョンの冷静な意見に頷く。

指定された空軍基地に着いた3人が車を降りてゲートへ向かうと、そこには多くの人が殺到している。ようやく基地内に入れた3人はリストバンドをつけられ絶対になくさないよう忠告される。荷物は1家族1バッグと制限され、必要最小限にまとめていると、ネイサンのインシュリンが見当たらない。車内に落としてきたことがわかり、ジョンは離陸が迫る中、取りに戻る。ところが、実は病人は避難対象外にされているため、事情がわかるとアリとネイサンは搭乗を拒否されてしまう。ここに至り、ジョンはアリとネイサンとはぐれてしまう。

この手のパニック映画はよくある。主人公一家がさまざまな障害を乗り越えて逃げていくものである。『2012』(My Cinema File 488)もそんなパニック映画だったが、人間の醜さと温かさがこの映画でも数多描かれる。誰もが自分だけは助かりたいと思うもの。法律にも「緊急避難」というのが認められていて、自分の命がかかっている時には溺れる者から浮き輪を奪っても罪にはならない。そんな人間の醜さから、一時はジョンの家族3人がバラバラになってしまう。

そんな中で、家族が再開できたのは「おじいちゃんの家で落ち合おう」と集合場所を決めたことが一つ。そして「情報」。グリーンランドに選ばれた者が入れるシェルターがあるとわかり、カナダからそこへ向かう航空機があるとわかる。自分だったらどうするだろうと映画を観ながら考える。しかし、巨大隕石の落下のインパクトは全地球規模で影響が出る。恐竜の絶滅を甘く見てはいけない。ジョンはグリーンランドに向かう決断を下す。

映画のタイトル『グリーンランド』とは、避難シェルターのある場所。ジョンはアリとネイサンを連れてグリーンランドに避難する。その逃避行を物語は描いていく。ネイサンが子供ながら糖尿病でインシュリンの注射が必要だとか、人間の醜い行動(ただし、誰もが命がかかっている中で醜いといえるかは難しい)で家族3人がバラバラになってしまうとか、物語はハラバラドキドキの展開で観る者を楽しませてくれる。ちなみにジョンが選ばれたのは建築士という技術者だったから。他にも医者とかが選ばれている。自分はどう転んでも対象外だ。

主人公は、アクション映画に多々出演しているジェラルド・バトラー。妻のアリを演じるのはドラマ『ゴッサム』でお馴染みのモリーナ・バッカリン。最後の最後までスリリングな展開は、見応え十分である。ギクシャクしていた夫婦関係も危機の中で再び一枚岩になる。人類の大半が犠牲になるわけで、ハッピーエンドと言えるのかどうかはわからないが、ラストの日差しが眩しい映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2022年02月10日

【ランペイジ 巨獣大乱闘】My Cinema File 2512

ランペイジ 巨獣大乱闘.jpeg

原題: Rampage
2018年 アメリカ
監督: ブラッド・ペイトン
出演: 
ドウェイン・ジョンソン:デイビス・オコイエ
ナオミ・ハリス:ケイト・コールドウェル
マリン・アッカーマン:クレア・ワイデン
ジェイク・レイシー:ブレット・ワイデン
ジョー・マンガニエロ:バーク
ジェフリー・ディーン・モーガン:ハーベイ・ラッセル
P・J・バーン:ネルソン

<映画.com>
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巨大化した動物たちが暴れまわる、1986年に発売されたアーケードゲーム「RAMPAGE」をベースに、『ワイルド・スピード』シリーズのドウェイン・ジョンソン主演で描くパニックアクション。ある遺伝子実験の失敗によってゴリラ、オオカミ、ワニの3頭が巨大化し、凶暴化してしまう。さまざまな動物の長所を取り入れた遺伝子によって巨獣と化した3頭の動物たちには、軍による攻撃も効果がない。巨獣たちはやがて大都会シカゴへと到達し、街中で破壊活動を繰り広げる。元特殊部隊員で動物学者の主人公デイビス・オコイエをジョンソンが演じるほか、ナオミ・ハリス、マリン・アッカーマン、ジェフリー・ディーン・モーガンらが共演。「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」『カリフォルニア・ダウン』でもジョンソンとタッグを組んだブラッド・オペイトン監督がメガホンをとった。
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ある宇宙ステーションで実験が行われていたが、実験用のラットが巨大化し、暴走する事故が発生する。乗組員が脱出しようとするが、サンプルを持ち帰れとの命令が下る。さもなくば脱出を許さないとハッチもロックされる。非道な命令に乗組員は、サンプルを取り出し、なんとか脱出しようとするが、ラットの襲撃で機体が損傷し、地上に落下する。

落下したのサンディエゴの動物保護区。そこに落下してきたサンプルをゴリラとオオカミとワニが吸引してしまう。動物学者のデイビス・オコイエは、子供の頃に密猟者から救ったこともあり、このゴリラのジョージに懐かれている。 サンプルを吸い込んだジョージは、体に変化が表れ巨大化していく。施設がパニックに陥る中、騒ぎを聞きつけたケイト・コールドウェル博士が駆けつける。

ケイトは元エナージーン社の社員。サンプルは遺伝子を書き換えて作られたもので、エナージーン社は生物兵器としての使用を企て、反発したケイトは解雇されたのであった。頑丈な檻に入れられたジョージは、気性が荒くなり檻を破壊し、保護区を飛び出す。そこへラッセル捜査官が率いる特殊チームがジョージを麻酔薬で捕獲し、飛行機に乗せる。

一方、エナージーン社のCEOクレア・ワイデンは、傭兵チームにサンプルの回収を命じるが、チームは巨大化したオオカミに手も足も出ずに全滅する。クレアは、巨大化した動物が反応する特殊な低周波を本社の屋上から放ち、巨獣を呼び寄せようと画策する。そして麻酔で眠らされていたジョージがこれによって目を覚まし暴走。飛行機は墜落し、ジョージはいずこへかと姿を消す。

ゴリラ、オオカミそしてワニが巨大化して暴れまわるという典型的な巨獣パニック映画。この手の映画は、『キングコング』『ゴジラ』『ジョーズ』など形は違えど基本的なパターンは同じ。人間の邪悪なエゴによるのは『キングコング』と似通っているが、ストーリー的にも同じようなものになるのだろう。

お決まりのパターンとして、街の破壊が伴う。この映画でも巨大化した動物が、シカゴの街で大暴れする。世界最強の米軍も歯が立たず、ヘリも戦車も蹴散らされ、A10地上攻撃機はなんと飛び上がったワニに噛み砕かれてしまう。お手上げ状態を救ったのは、ゴリラのジョージ。解毒剤をなんと非情女のクレアごと飲み込み、デイビスとの友情を思い出す。

ジョージがデイビスと人間並みの知性で交流するのは、まぁご愛嬌だろう。巨獣の前ではさすがのロック様もちっぽけだったが、元特殊部隊という触れ込みもあって、人間離れした活躍も見せてくれる。あまり細かいツッコミはせずに気楽に楽しみたい映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2021年10月02日

【インポッシブル】My Cinema File 2465

インポッシブル.jpeg

原題: The Impossible
2012年 スペイン・アメリカ
監督: J・A・バヨナ
出演: 
ナオミ・ワッツ:マリア
ユアン・マクレガー:ヘンリー
トム・ホランド:ルーカス
ジェラルディン・チャップリン:老婆
サミュエル・ジョスリン:トマス
オークリー・ぺンダーガスト:サイモン

<映画.com>
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2004年のスマトラ島沖地震で離れ離れになりながらも再会を信じて生き抜いた家族の実話を、ナオミ・ワッツ、ユアン・マクレガー主演で映画化したドラマ。監督は『永遠のこどもたち』のJ・A・バヨナ。04年末、マリアとヘンリーの夫婦は3人の息子を連れてタイのリゾート地にバカンスにやってくる。家族でひと時の楽しい時間を過ごしていたが、クリスマス翌日の12月26日、大災害が発生。周囲は一転して目を覆うような悲惨な状況へと変わり、マリアやヘンリーらも離れ離れになってしまう。しかし絶望的な状況の中でも一家はそれぞれの無事を信じ、再会するために歩み始める。マリア役のワッツは、第85回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた。
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地震に伴う津波被害といえば、我が国も痛みを伴う記憶がある。これは東北大震災の7年前に起こったスマトラ島での津波被害を描いたもの。

時に2004年のクリスマス休暇。ヘンリーは、妻マリアと息子3人を連れてリゾート地のカオラックにやってくる。宿泊は海が見える豪華なホテル。仕事ではクビになる不安を抱いているものの、日常生活を忘れて家族5人で休暇を楽しむ。そして、運命の12月26日。ホテルのプールで寛ぐヘンリーとマリア。息子たち3人は遊んでいる。そこへ地鳴りとともに鳥や動物が騒ぎ出す異様な雰囲気が漂いはじめる。そしてすぐに津波がやってくる。

ヘンリーはとっさにそばにいたトマスとサイモンを抱きかかえるが、そのまま流されてしまう。マリアと長男のルーカスはそれぞれ流されてしまう。濁流に飲み込まれ、パニックになりながらもルーカスは必死で浮かぶものに捕まろうとする。そこに一緒に流される母マリアの姿を見つける。2人はなんとか手を取り合うが、流れには逆らえない。ようやく何とか立てるところまで逃げ切るが、マリアは太ももの肉がはがれ落ちる大怪我を負う。

呆然とする2人であるが、医師でもあるマリアは応急処置をして、何とか助けを求めて移動しようとする。すると子供の泣く声が聞こえてくる。マリアは助けようとするが、ルーカスは反対する。自分たちの身の安全さえ心許ないのに、他人を助けるのはおかしいというのである。しかし、泣いているのは子供。「行方の分からない弟たちだってどこかで泣いているかもしれないでしょう」とマリアはルーカスに語る。自分自身もまさに同じように考えて助けるだろうと共感するシーンである。

助けた男の子はまだ幼い。まだ津波の危険もあり、高い木の上に上って助けを待つ3人。マリアは怪我による出血がひどく、意識は朦朧としてくる。やがて、地元住人が助けにきてくれる。言葉は通じないが、意思疎通はできる。ルーカスとマリアは、地元住人たちから服を分けてもらい、ポンコツのトラックで病院に運ばれる。応急処置をしてもらい、マリアはなんとか一命をとりとめるが、どす黒い何かを吐き出す様子は見ていていいものではない。

ルーカスは母の傍に寄り添うが、マリアはそんなルーカスに「人の役に立つことをしなさい。」と諭す。できた母だが、素直に聞くルーカスも偉い。病院内で身内を探す人の手伝いをして、ある父子の再会を実現する。誇らしい気持ちで母のいるベッドに戻ったルーカスだが、いつの間にかそこに母の姿はない。一方、ヘンリーはトマスとサイモンと何とか一緒に助かっており、行方の分からないマリアとルーカスの身を案じている。息子2人を安全な山へと避難させて1人でマリアとルーカスを探しに向かうが、自分だったら息子2人と一緒にいるだろうと思いながら観ている。

こうして別々に別れてしまった家族だが、それぞれにピンチの状況の中で互いを探し求める。その再会を描いていくストーリー。津波で多くの死者が出る中、まず親子全員が助かったのは奇跡のようである。そして大混乱の中で互いを探していく。その途中では何度も考えさせられるシーンが出てくる。「自分だったらどんな行動をとるだろうか」とともに考える。必死で死体安置所の遺体を一つ一つ確認していくヘンリーの心境はいかばかりかと思う。

さらに自らは重傷を負いながらも、他人を助けろと諭すマリアの姿勢には心打たれるものがある。果たして自分はそういう行動を取れるだろうか。それを試す機会には恵まれたいとは思わないが、そういう気持ちは持っていたいと思う。家族5人が無事であるなら、きっと仕事をクビになってもヘンリーは立ち直れるだろう。家族にとって何が一番大事なのか。そんなことを考えさせてくれる映画である・・・


評価:★★★☆☆









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