
原題: God Is a Bullet
2023年 アメリカ
監督: ニック・カサベテス
出演:
ニコライ・コスター=ワルドー:ボブ・ハイタワー
マイカ・モンロー:ケース・ハーディン
カール・グルスマン:サイラス
ジャニュアリー・ジョーンズ:モーリーン・ベーコン
ポール・ヨハンセン:ジョン・リー・ベーコン
デヴィッド・ソーントン:アーサー・ナシ
イーサン・サプリー:ガター
ジョナサン・タッカー:エロール・グレイ
ブレンダン・セクストン3世:グラニー・ボーイ
ギャレット・ウェアリング:ウッド
ジェイミー・フォックス:フェリーマン
<シネマトゥデイ>
********************************************************************************************************
ボストン・テランの小説「神は銃弾」を実写化したサスペンス。カルト集団に元妻を殺され、まな娘を誘拐された刑事が、同じカルト集団から逃げ出した過去のある女性の協力を得て、元妻の復讐と娘の捜索に挑む。監督は『きみに読む物語』などのニック・カサヴェテス。ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」などのニコライ・コスター=ワルドー、『ヴィランズ』などのマイカ・モンローのほか、ジェイミー・フォックス、カール・グルスマンらが出演する。
********************************************************************************************************
冒頭、スーパーから出てきた母と娘。母は買い忘れたものがあったのだろう、娘をその場に残して店内に戻っていく。それを見ていたのは怪しげなバンに乗る怪しげな集団。全身タトゥーの男たちがあっという間に娘を拉致してバンに押し込めるといずこかへと走り去る。店から出てきた母親は娘の姿を探して戸惑う。これが一体どういうシーンなのか、何となく想像はつくのであるが、はっきりと説明されていないからわからず、何となく隔靴掻痒感が漂う。
一方、場面代わって警察署内。クリスマスを迎え、和んだ雰囲気の署内。まだ仕事をしているボブに署長は早く帰れと声をかける。ボブは帰路につくが、娘ギャビにメールを送る。とある豪邸。口論する夫婦とそれを疎んじて部屋にこもる娘ギャビ。どうやら母親はどこかの金持ちと再婚したらしい。しかし、いつしか静かな気配が気になり、ギャビは様子を見に行く。そこにいたのは全身タトゥーの男たち。父親は銃で脅され、母親はレイプされており、男たちはギャビを捕まえると連れて行こうとする。必死に取り返そうとする母親を男たちは無情にも射殺する。なんとも言えないバイオレンスシーンである。
翌日、元義父がボブを訪ねてくる。娘の家の異変を感じ、保安官事務所勤務のボブに同行を求めたのである。ともに義父と豪邸を訪れるボブ。鍵のかかっていない玄関。銃を構えて室内に入るボブだが、そこで惨殺された再婚相手を発見する。義父はプールで変わり果てた娘を発見して泣き崩れる。大事件の発生に保安官事務所は大騒動となる。その頃、ある集団から逃げ出してきた女性ケース・ハーディンがその事件を知る。何かに苦悩しながらも事件について保安官事務所に話をするが、タトゥー顔の女性の話を誰も聞こうとしない。しかし、ボブはその話を心にとめる。
ボブは保安官事務所に勤務してはいるものの、事務職である。日本人には馴染みがないが、映画の登場人物の発言から、捜査などには関連しないようである。日本でも警察署内に警官ではない事務職の人たちがいるが、同じようなものなのかもしれない。ケースによれば、誘拐したのは「左手の小径 Left-Handed Path」というカルト集団。ケースの話を信用しない所長に対し、娘を誘拐されているボブは、藁をもつかむ心境でケースの話を信じ、言われるまま一緒に探しにいく事にする。
こうして何の支援もなく、ボブはケースとともに娘のギャビを探しに行く。まずギャビがボブを連れて行ったのは、旧知のフェリーマンのところ。これまた全身タトゥーまみれで、おまけに海賊並みの義手をしている怪しげな男。そこでケースはボブにタトゥーを入れるようフェリーマンに依頼する。慌てるのがボブ。いきなりタトゥーを入れるとなれば普通は戸惑うだろう。しかし、組織に近づくには必要だと言われ、ボブは受け入れる。最後にケース自らボブの顔にタトゥーを入れる。そしてカルト集団の追跡に取り掛かる。
カルト集団の親玉はサイラス。何せ白昼堂々、人の多いスーパーで誘拐するくらいだから尋常ではない。少女を誘拐した理由はあまりよくわからない。何かの儀式で生贄のようにするようでもあり、そこから逃げてきたギャビのように生かされて行動を共にさせられるようでもあるが、詳しい説明が省かれているのでよくわからない。いかにも場末の怪しげな酒場から2人の捜索は本格化していく。かつて逃げ出した組織に戻りたいと訴え、サイラスに近づこうとするケース。しかし、それはよく考えれば危険な行為。
それにしても、なぜせっかく逃げてきたカルト集団にケースはあえて接近していくのか、観ていてよくわからない。単なる正義感ではないようであるし、サイラスに対する復讐なのだろうと想定して観ていく。保安官事務所の支援がないのにも実は理由がある。それはなぜサイラスがギャビの両親を襲ったのかの理由でもある。結果的に見れば、ギャビこそ大人たちの勝手な理屈でいい迷惑をこうむったことになる。そしてここでも娘を助けるために危険を厭わず飛び込んでいく父親の姿がある。
ラストで娘を救出したボブとケースであるが、その前に立ちふさがるのはサイラスとその仲間たち。そして最後の銃撃戦は異様な展開。手足が吹き飛び、何とも言えないグロテスクなもの。スプラッタームービーかと思わせるほど。それにしても、冒頭で誘拐された少女はケースだったのか。ケースと両親との物語も多くは語られないが、切ないものもある。振り返ってみれば、いろいろな要素が絡み合って面白い映画である・・・
評価:★★☆☆☆




