2016年11月06日

明日のジョー

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2011年 日本
監督: 曽利文彦
出演: 
山下智久:矢吹丈
伊勢谷友介:力石徹
香里奈:白木葉子
香川照之:丹下段平
勝矢:西 寛一(マンモス西)
虎牙光揮:ウルフ金串
杉本哲太:安藤洋司
津川雅彦:白木幹之介

<シネマトゥデイ>
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昭和40年代に社会現象を巻き起こし、戦後最大のヒット作に数えられるボクシング漫画「あしたのジョー」を実写映画化。『ピンポン』でスポーツ漫画とCGの融合を評価された曽利文彦が監督を務め、主人公・矢吹丈が運命のライバル・力石徹と出会い、やがてリング上で雌雄を決するまでを最新CG技術も駆使して活写する。ジョーを山下智久が演じるほか、力石徹を伊勢谷友介が熱演。徹底的な役づくりで生まれた究極の肉体美も見逃せない。
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 小学生の頃、漫画少年だった私は、かろうじて少年マガジンで連載していた『あしたのジョー』を読んだことがあるが、きちんと読破したのはコミックを買い揃えてのことである。スポーツのドラマとしても、最後は人間ドラマとしても、「名作」と言われてもおかしくない漫画である。 

 そんな名作漫画の映画化といっても、何か興味があったわけでもなく、「ただ何となく」観たに過ぎないのが正直なところ。物語は、戦後の比較的早い時代が背景となっている。まだ社会全体に貧しさが残っていて、そんな象徴とも言える「ドヤ街」に矢吹丈がやってくる。

 ある食堂で、丈は丹下段平と出会う。酔いつぶれてだらしない団平は、ヤクザの借金取りに殴られるが、丈は結果的に喧嘩に参戦し、そして警察に逮捕されてしまう。丈の腕っ節を見込んだ団平が、「拳闘をやらないか」と持ちかける。ボクシングを「拳闘」というところが時代である。ちなみに漫画では、団平は「拳キチ(=拳闘キチガイ)」と呼ばれているのである。

 そして少年院に収監された丈に届く団平からの手紙。「明日のために」と題されたそれは、ジャブから始まるボクシングのテクニックについての指導。初めは反発する丈であるが、暇を持て余していたこともあり、試しに練習してみる。これが思ったより手応えがある。そして少年院で、最大のライバルとなる力石徹と運命的な出会いがある。

 物語は、かつてのアニメと同様、プロのリングで力石と相見えるところまで描かれる。それはそれで良いのであるが、やはり映画は時間の制約があってどうしても「ダイジェスト版」にならざるを得ない。少年院でのボクシング大会や徹底的なディフェンスで強くなった青山のエピソードはカットされているし、出所後プロデビューするまでのウルフ金串との因縁もカットされている。

 特にクライマックスの力石戦では、最後のパンチに至るまで丈の心の中の声がカットされてしまっているので、漫画を読んでいない人には意味がわかったのだろうかと余計な心配をさせられた。随所に散りばめられた「名場面」はそれなりにきちんと再現されていて、嬉しく感じたのは事実である。頭の中でカットされたエピソードを再現して補っていたからこそ、それなりに楽しめたとは思うが、やっぱり映画だけで「明日のジョー」の深みを理解するのは無理だろうと思う。

 肝心の出演者であるが、丈の山下智久や力石の伊勢谷友介、白木葉子の香里奈はなかなか雰囲気が出ていた。特に団平を演じたのが香川照之で、ご本人の元の姿からすると物凄い変身であり、少し横幅が足りなかったが、「努力」は評価したいと思う。さらにボクシングの試合のシーンは、ストップモーションなども取り入れられていて、なかなかの迫力があった。ストーリーをカットせざるを得なかったところを除けば、久々に明日のジョーの世界に浸ることができたと思う。

 それにしても、改めて名作だと思うし、久しぶりに全20巻を読破してみたいと思わされる映画である・・・


評価:★★☆☆☆




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2016年07月26日

リベンジ・マッチ

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原題: Grudge Match
2013年 アメリカ
監督: ピーター・シーガル
出演: 
ロバート・デ・ニーロ:ビリー・“ザ・キッド”・マクドネン
シルヴェスター・スタローン:ヘンリー・“レーザー”・シャープ
ケヴィン・ハート:ダンテ・スレート・Jr.
アラン・アーキン:ルイス・“稲妻”・コンロン
キム・ベイシンガー:サリー・ローズ
ジョン・バーンサル:B.J.

<Movie Walker解説>
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シルヴェスター・スタローンとロバート・デ・ニーロというボクシング映画のヒーローを演じた名優たちが、かつてのライバルボクサーとして再びリングに立つ姿を描くアクション。2人が老体に鞭を打ち、体を張った熱演を披露するほか、それぞれの代表作を彷彿とさせるパロディシーンも随所に登場し、笑いを誘う。
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ピッツバーグのボクシング界。互いに実力者であったヘンリー・“レイザー”・シャープとビリー・“ザ・キッド”・マクドネンは、戦績は2戦して1勝1敗。しかし、雌雄を決する3戦目を前にして、レイザーは突如引退を表明する。それから30年。かつての両者のプロモーターの息子ダンテ・スレートJrは、ボクシングゲームに二人のキャラクターを使おうと画策する。ところが、撮影現場で鉢合わせした両者は、年甲斐もなく乱闘となってしまう。

 そんな両者の乱闘がSNSを中心に世間の話題となり、話はリングでの再戦へと進む。老骨に鞭打ってトレーニングに励む二人であるが、シャープと元恋人サリーは、かつてビリーとベッドを共にし、挙句に息子B.Jを生んでいたことから、二人の遺恨はリング内外に及び、特にビリーは再戦に強い意欲を見せる。二人の決戦はいつの間にか小さなイベントからテレビ放映の試合となっていく・・・

 シルベスター・スタローンとロバート・デ・ニーロと言えば、『ロッキー』と『レイジング・ブル』という代表作がある。当然それを念頭に製作されたのかもしれないが、シャープがトレーナーからトレーニングの指導を受けるにあたり、生卵を何個もグラスに割って入れて一気飲みしたり、牛肉の塊をサンドバック替わりにしようとしたりと、かなり「意識」したシーンが散見される。(『レイジング・ブル』からもあったのかもしれないがちょっとわからなかった)

 そんな「遊び」にも見られるように、この映画はシビアにボクシングの対決を描いていくというよりも、気楽に楽しく「実力者同士」の対決を描いていくといったニュアンスである。観ている方も、果たしてどちらに軍配が上がるのかと興味をそそられる。盛んにシャープを挑発するビリー。それに対し、何となく気乗り薄なシャープ。両者はサリーという女性を巡っても対立する。サリーはシャープに寄り添い、サリーの息子B.Jは実父ビリーのトレーニングを手伝うという対立もある。

 メインはやはりラストでの対決なのであるが、当初は敵意むき出しの対決も、やがて心温まる試合へと変わっていく。試合結果は予測できなかったが、なるほどと思わせるには十分な結果であった。ボクシングシーンの迫力はまずまずだし、演出もなかなかのものであった。エンドロールでは、マイク・タイソンとイベンダー・ホリフィールドが登場し、こちらも遊び心満載であるが、果たして必要あったかどうかは疑問である。

 まぁ、あまり肩ひじ張らず、固い事言わずに気楽に観られるし、気楽に観るべきであろう。それにしても、『ナイン・ハーフ』で魅惑的な女性を演じたキム・ベイシンガーもいつの間にか年をとったなぁと感慨深い。いつの間にかスクリーンのスターたちも年を取っている。そんなことをつくづくと実感させられた映画である・・・


評価:★★☆☆☆





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2016年06月26日

クリード:チャンプを継ぐ男

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原題: Creed
2015年 アメリカ
監督: ライアン・クーグラー
出演: 
マイケル・B・ジョーダン: アドニス・ジョンソン
シルベスター・スタローン: ロッキー・バルボア
テッサ・トンプソン:ビアンカ
フィリシア・ラシャド: メアリー・アン・クリード
アンソニー・ベリュー: “プリティ”・リッキー・コンラン

<映画.com>
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シルベスター・スタローンを一躍スターに押し上げた代名詞『ロッキー』シリーズの新たな物語。ロッキーのライバルであり盟友であったアポロ・クリードの息子アドニス・ジョンソンが主人公となり、スタローン演じるロッキーもセコンドとして登場する。自分が生まれる前に死んでしまったため、父アポロ・クリードについて良く知らないまま育ったアドニスだったが、彼には父から受け継いだボクシングの才能があった。亡き父が伝説的な戦いを繰り広げたフィラデルフィアの地に降り立ったアドニスは、父と死闘を繰り広げた男、ロッキー・バルボアにトレーナーになってほしいと頼む。ボクシングから身を引いていたロッキーは、アドニスの中にアポロと同じ強さを見出し、トレーナー役を引き受ける。アドニス役は「フルートベール駅で」の演技が高く評価されたマイケル・B・ジョーダン。同じく「フルートベール駅で」で注目された新鋭ライアン・クーグラーが監督・脚本。第88回アカデミー賞ではスタローンが助演男優賞にノミネート。スタローンにとっては、『ロッキー』以来のアカデミー賞ノミネートとなった。
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『ロッキー・ザ・ファイナル』で大円団だと思っていたシリーズ。まさかこう言う形で次があるとは思ってもいなかった。でもロッキーが再びリングに上がるというのもなんだし、これはこれで興味を惹かれて迷わず観る。

主人公は、かつてロッキーと死闘を演じたアポロの息子アドニス。それも愛人の息子というおまけつき。ケンカに明け暮れて施設に収容されていたところをアポロの未亡人メリーアンに引き取られる。さすが元チャンピオンの家だけあって、豪邸に住むメリーアン。アドニスは何不自由ない暮らしを送り、まともな仕事にもついている。しかし、心の中でボクシングに対する衝動は抑えられない。

ひっそりとメキシコでリングに上がり、14戦全勝の記録を残す。そして抑えきれない衝動に動かされ、仕事を辞め父のジムに入門を申し入れる。しかし、あっさり断られたアドニスは、反対する母を振り切ってフィラデルフィアへ向かう。そこは亡き父のライバル、ロッキーのいる町。アドニスは、『ロッキー・ザ・ファイナル』でも登場したレストラン「エイドリアン」を訪ねて行く。

そしてロッキーのコーチが始まるのであるが、それはかつてロッキーがミッキーから受けたコーチを受け継ぐもの。鶏を追うトレーニング、そしてフィラデルフィアの街中を走るランニング。どうせなら朝起きて生卵を飲み干してからトレーニングを始めて欲しかったし、肉をサンドバッグに見立てたトレーニングや、ロシアで行ったトレーニングなんかも復活させて欲しかった気がする。

そうして力をつけたアドニスが、やがて英国のスーパースターコンランに目をつけられ、対戦を求められる。ロッキーがアポロから指名されたのに似ている。肝心の試合は、なかなかの迫力。実際のボクシングでは、いいパンチが入ればそれで試合は終わってしまうから、ここまでの殴り合いは映画ならではかもしれない。いずれにせよ、ロッキーのファイトが受け継がれたことは間違いないだろう。

気になるのは今後だろう。単なる『ロッキー』シリーズのスピンアウトで終わるのか、シリーズ最終作となるのか、あるいはこれが新たな『クリード』シリーズの幕開けとなるのか。幕開けとしては、ちょっとインパクトが弱かったかもしれないが、そうなっても面白いと思う。

『エクスペンタブルズ』シリーズでは、まだまだ第一線で活躍しているスタローンも、ロッキーとしては衰えを見せている。その姿にも哀愁を感じさせ、時間の流れを感じさせる。
『ロッキー』から40年経っていることを考えると、それも自然であり、かつこれだけ長く続くシリーズも凄いと思う。

その金字塔的なシリーズの一作とするのに問題は全くない。
今後の展開を期待したい映画である・・・


評価:★★★☆☆



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2015年02月01日

42〜世界を変えた男〜

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原題: 42
2013年 アメリカ
監督: ブライアン・ヘルゲランド
出演: 
チャドウィック・ボーズマン:ジャッキー・ロビンソン
ハリソン・フォード:ブランチ・リッキー
ニコール・ベハーリー:レイチェル・ロビンソン
アンドレ・ホランド:ウェンデル・スミス
クリストファー・メローニ:レオ・ドローチャー
ルーカス・ブラック:ピー・ウィー・リース

<Movie Walker解説>
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メジャーリーグ・ベースボール(MLB)史上初の黒人選手として、47年にメジャーデビューするや、そのプレーを通して差別や偏見に打ち勝ち、多くの人々に希望を与えたジャッキー・ロビンソン。
彼の知られざる姿に迫る人間ドラマ。
映画初主演のチャドウィック・ボーズマンがジャッキーに扮し、『ペイバック』のブライアン・ヘルゲランドが監督を務める。
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野球はアメリカの国民スポーツの一つである。
となればドラマの題材にも事欠かないわけで、これは黒人初のメジャーリーガーとなった選手の自伝ドラマ。

舞台となるのは、ブルックリン・ドジャース。
現在のロサンゼルス・ドジャースであるが、当時はブルックリンが本拠地であったようである。
冒頭、GMのブランチ・リッキーが黒人選手を雇うと発言すると、取り巻きが反対する。
この時代の人種差別は根強い。

そして始まる人選。
どうやら「この黒人を入れたい」という人ありきではなく、「黒人を入れたい」という人種ありきだったようで、結果、ジャッキー・ロビンソンという黒人選手が選ばれる。
ロビンソンと交渉するリッキーは一つだけ条件をつける。
「自制しろ」と。

予想される差別は、実に酷いもの。
宿泊拒否やレストランでのオーダー拒否、映画の中でも「白人専用トイレ」や飛行機の搭乗拒否、一緒にシャワーを浴びることを拒否し、脅迫まである。
同じチームメイトも拒否の嘆願書を出す始末。
おそらく映画に描かれていたのはほんの一部だろう。
当然、グラウンドでの嫌がらせもあり、ピーンボールや悪質なスパイク、挙句に審判のひいき判定まである。

そんな中であっても、彼を受け入れる人たちもいる。
後に不倫騒動でクビになってしまうが、監督のレオは「才能があるならゾウでもチームに入れるが、なければ実の弟でも追い出す」とプロ根性を示す。
応援の言葉をかける無名の市民。
そして強権で反対論を抑え込むリッキー。
逆らう選手はトレードに出してしまう。

ロビンソンはそんな迫害と支援の中、実力を発揮していく。
そもそもこれがなければ話にならないわけである。
チームメイトも少しずつそんな彼を受け入れていく。
こうした変化は、心を動かされるものがある。

ロビンソンを採用したGMのリッキーは、黒人選手採用だけでなくさまざまな改革を実現した人物だったようである。
演じるのは、誰あろうハリソン・フォード。
“ハン・ソロ船長”も味わい溢れる人物が似合うようになったものである。

タイトルはロビンソンの背番号から取られている。
そしてこの背番号、今ではメジャーリーグ全球団はもちろんのこと、傘下のリーグすべてで永久欠番なのだという。
もちろん、それはロビンソンを称えてのことであるが、こうした度量の深さもまたアメリカ的である。
ドラマとしても感動的な一作である・・・


評価:★★★☆☆



posted by HH at 10:38 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツドラマ

2014年10月16日

ロッキー4

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原題: Rocky IV
1985年 アメリカ
監督: シルヴェスター・スタローン
出演: 
シルヴェスター・スタローン:ロッキー・バルボア
タリア・シャイア:エイドリアン
バート・ヤング:ポーリー
カール・ウェザース:アポロ・クリード
ドルフ・ラングレン:イワン・ドラゴ
ブリジット・ニールセン:ルドミラ・ドラゴ
トニー・バートン:デューク

<映画.com>
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宿敵であり親友であるファイター、アポロを絶命させたソ連の殺人マシーンドラゴに挑戦するロッキーの雄姿を描く。
製作はアーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ、エグゼクティヴ・プロデューサーはジェイムズ・D・ブルベイカーとアーサー・コバニアン。
監督・脚本・主演は『ロッキー3』のシルヴェスター・スタローン、撮影はビル・バトラー、音楽はヴィンス・ディコーラが担当。
共演はタリア・シャイア、バート・ヤングなど。
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シリーズ第4弾。
冒頭は例によって前作のラストから。
ロッキーは強敵クラバー・ラングを倒し、アポロとの友情もより深くなっている。
愛する家族とともに豪邸に住み、何不自由ない生活を満喫するロッキー。
そこへソ連がプロボクシングに参入するというニュースが流れる。

ソ連のアマチュアチャンピオンであるドラゴがやってきて、ロッキーに対する挑戦を表明する。
その挑戦に対し、待ったをかけたのはアポロ・クリード。
引退して5年。
しかしいまだ闘争心は衰えず、かつての栄光を取り戻すべくアポロはリングに復帰する。

ド派手な演出の復帰戦だったが、結果は驚異的な強さのドラゴの圧勝に終わる。
さらに強打を浴びたアポロはリングで命を落とす。
亡き友のため、ドラゴに挑戦を表明するロッキー。
さらに決戦の場所は敵地を指定。
ミッキーとトレーナーのデュークを従え、ロッキーは圧倒的不利な状況の敵地に乗り込んでいく・・・

第4弾となると、ロッキーもすっかり貫禄のあるチャンピオンになっている。
“無敵のヒーロー”化しつつあるのは、金字塔たる第1作と比較すると、底辺をさ迷っていた頃の良さが失われて残念な気もするが、これはこれで面白いのも事実である。

ソ連と言えば、もう過去の存在となってしまったが、やっぱり“ベールに包まれた国家”感があったので、そんなソ連から強敵を引っ張ってきたのは、良い狙いだったと思う。
そして敢えて敵地に乗り込んでいくという展開もいい。
ドラゴはソ連の科学者に囲まれ、徹底して科学的なトレーニングを受けている。
一方、ロッキーは人里離れた寒村で自然を相手に黙々とトレーニングを積んでいる。

前作ではトーンダウンしたトレーニングシーンがここでは復活。
ドラゴがマシーンを利用して鍛えているのに対し、ロッキーは同じトレーニングを自然のものを利用して行う。
この対比も象徴的だ。
そして感動的なのが、納屋のロフトを利用した“270度強烈腹筋”と“首だけで支える全身腹筋”。
これだけでも観る価値はある。

バックに流れる“Training Montage”は、プロレスラーの高田延彦が入場テーマに選んだ曲。
その他の曲も、当時ヒットして耳慣れた曲だ。
そして、いよいよ試合が始まる。
当時のゴルバチョフ書記長を思わせる首相を登場させ、試合後のロッキーのセリフは冷戦中だった米ソへのメッセージでもあり、政治性が強く出ている。

残念なのは、前作同様、展開が早くて“軽い感じ”を受けてしまうところだ。
第1作『ロッキー2』が120分だったのに対し、『ロッキー3』とこの映画は90〜100分と短くなっている。
このシリーズは、ボクシングシーンも魅力だが、そこに至る人間ドラマもまた魅力の一つだ。
じっくり描いてほしかったと思う。

よく見ればドルフ・ラングレンも若々しい。
今やB級アクションスターとなってしまったのが、ちょっと惜しい気もする。
監督・脚本・主演とすべてこなしたスタローンは、この頃が全盛期だったのかもしれない。
名作と言えるシリーズに恥じない一作である・・・


評価:★★☆☆☆
   
   
posted by HH at 15:05 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | スポーツドラマ