2025年04月01日

2025年1-3月ベスト3

桜の風景が心を和ませる4月である。毎年の事ながら、毎朝少し遠回りして近所の桜を愛でながら通勤している。桜が咲き誇るこのわずかの期間、1日1日の大事さを実感させられるのもこの時期ならではである。

さて、そんな桜の季節に1月からの3か月間を振り返ってみた。この間、観た作品は41本。昨年の同時期の45本に比べると4本少ない。ドラマも随分観ているからその影響もあるが、映画もしっかり観たいところである。

その中からベスト3を選んでみた。

第1位:『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(My Cinema File 2954)

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ.jpg

タイトルだけで選んでいたらまず間違いなく観なかったと思う。たまたま車の中で聞いていたラジオで誰かが勧めていたので観ることにしたもの。これが大正解。基本的に人に勧められたものは必ず観る事にしているが、それは自分の趣向の範囲を超えるという意味でも大事だと改めて思う。

物語はクリスマスシーズンを迎えた全寮制の高校を舞台としたもの。クリスマス休暇でみんなが帰省する中、家庭の事情で1人残らなければならなくなった少年と、そのために残らなければならなくなった教師と料理長との3人の物語。恋人と過ごすために息子に残れという母親も母親だが、それにすねた少年と偏屈で変わり者と見られている教師、折からのベトナム戦争で最愛の息子を失った料理長との心温まる交流。

なんでこんなセンスのないタイトルを平気でつけられるのだろうかという思いは封印し、観た自分を褒めてやりたくなる映画である。

第2位:『マイスモールランド』(My Cinema File 2960)

マイスモールランド.jpg

日本にいるクルド難民にスポットライトを当てた映画。主人公はクルド難民の女子高生。長年日本で暮らし、日本語も流ちょうに話す。進学の時期に来ているが、そこで事件が起こり、将来に暗雲が漂う。日本にいるクルド人問題もいろいろあるようで、クルド人に対する批判の声もあるようである。何が正しいのかは総合的に判断しないといけないが、この映画に関してだけ言えば、難民ゆえに苦労する女子高生に同情したくなる物語。

日本における難民認定が困難な事はよく言われているが、その問題に一石を投じるもの。この映画だけ観ていればたしかにそう思う。美形の主人公に人として何とかしたいと思わされる。いろいろな意味で観る価値は高い映画である・

第3位:『52ヘルツのクジラたち』(My Cinema File 2972)

52ヘルツのクジラたち.jpg

変わったタイトルは、特定の周波数で鳴くゆえに他のクジラに聞こえないと言われる孤独なクジラから来ている。主人公はとある田舎町に越してきた女性。訳アリの様子に町では都会で風俗嬢をしていたという噂が流れる。そんな主人公の訳アリの過去。それは実の親に虐待されて育ったというもの。あるきっかけでそんな境遇から解放されるが、恩人とは通じ合えない苦悩がある。不幸は後を追いかけてくる。田舎に移り住んだ主人公は、同じく虐待されている少年と出会う。

我が子は可愛いと思うのが普通の親の感情。虐待など考えられないが、世の中にはそういう考えられない親もいる。やりきれない気持ちになることしばしば。主人公の幸せを心から願いたくなる映画である。

さて、季節はこれから新緑の季節に向かう。外も気持ちいいが、夜は映画に没頭したい。GWもあるし、溜め込んだ映画を次々と観ていきたいと思うのである。



posted by HH at 00:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月01日

2024年年間ベスト10

2025年が始まった。
年初にはいつも前年の映画のベスト10を決めている。意味はあるのかと問われると、やはりその年に観た印象的な映画というものを個人の記録として残しておきたいというものであり、1年間の振り返りとして後から振り返った時に大いに意味があるのである。

そんな考えの下、2024年に観た映画の総数は161本。前年よりも5本ほど多かった。だいたい週に3本観ている計算である。そんな中から選んだのが下記10本。人によって映画の感想は違うのだろうが、あくまでも私個人の私見によるものである。

第1位:『デューン 砂の惑星 PART2』(My Cinema File 2900)

デューン 砂の惑星 PART2.jpg

前作を観て期待していたが、ほぼ期待通りの内容。遥かかなたの架空の世界で繰り広げられる壮大なスケールのドラマ。映像の迫力も相まってしばし現実を忘れてしまう。強大な敵に追われながらも復讐を果たそうとする主人公の冒険活劇。しかもまだ第二弾で物語は終わらない。早く続きを観たいと思わされる。文句なくベスト1の映画である・・・

第2位:『オットーという男』(My Cinema File 2860)

オットーという男.jpeg

現代版「クリスマス・キャロル」とも言えそうなドラマ。一見頑固で偏屈な男が、お節介な隣人に悩まされていくうちに、だんだんと心の交流を深めていく。トム・ハンクス演じる主人公の表情が何とも言えない。いつしか胸に暖かいものが流れ込んでくる。偏屈な人間にもそうなった理由があり、そして人としての心をちゃんと持っていたりする。トム・ハンクスの代表作の1本にはなるだろう一作である・・・

第3位:『荒野の誓い』(My Cinema File 2855)

荒野の誓い.jpeg

クリスチャン・ベイルの主演作にはハズレがない。というか、個人的にはヒットする作品が多い。年間ベスト10に入ってくる確率が高い。個人的な好みによるともいえるが、いい映画ばかりだから自然と好きになっているというのもある。今回も、長年戦ってきた憎むべきインディアンを意に反して護衛する任務を命じられた大尉の話。憎むべき相手であるのに、接しているうちにだんだんと考えが変わってくる。

知らない相手に対しては人間はどうしても警戒心が沸く。しかし、理解するほど近くなっていく。そんな様子が伝わってくる。今回もまたクリスチャン・ベイル主演作の評価が上がる。これからも注目していきたいと思わされる一作である・・・

以下は下記の通りである。どれもこれも印象深いものであることは確かである。
新しい年が始まり、今年も数多くの作品に触れたいと思う。毎回の事ながら、ベスト10を選ぶのに悩みに悩むようでありたいと思う。映画を観られる幸せを噛みしめて1年を過ごしたいと思うのである・・・

第4位:『パリタクシー』(My Cinema File 2938)

第5位:『JUNG_E ジョンイ』()My Cinema File 2796

第6位:『ミセス・ハリス、パリへ行く』(My Cinema File 2881)

第7位:『ベイビー・ブローカー』(My Cinema File 2877)

第8位:『フェイブルマンズ』(My Cinema File 2847)

第9位:『怪物』(My Cinema File 2838)

第10位:『インディ ジョーンズと運命のダイヤル』(My Cinema File 2814)




posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月01日

2024年7-9月ベスト3

例年のごとく、猛暑の夏が過ぎ去った。まだまだ余熱が残っているが、秋の雰囲気が心地よく漂う中、猛暑の3か月を振り返る。この間、観た映画は47本。残念ながら昨年より1本少なかった。それでも夏休みの関係で年間で一番本数が増える「激戦期」であり、その中から特に記憶に残ったベスト3である。

第1位:『デューン 砂の惑星 PART2』(My Cinema File 2900)

デューン 砂の惑星 PART2.jpg

『DUNE デューン 砂の惑星』(My Cinema File 2539)の続編。異郷の惑星アラキスで繰り広げられるSFストーリー。皇帝の裏切りによりハルコンネン家によって攻撃を受けたアトレイデス家の生き残りであるポールと母レディ・ジェシカは、砂漠の世界を逃れていく。なんとか砂漠の民フレメンに受け入れられる。そこを足掛かりに反撃に移っていくのが本作の世界。

今や表現する事に不可能はない映像技術により、見応えのあるストーリーが繰り広げられる。ハルコンネン家との対決、主人公ポールと砂漠の民フレメンの娘チャニとのほのかな恋愛。重厚なストーリーが2時間46分という長さを感じさせずに流れていく。この世界観はなかなかのものだと思う。続く第三弾が待ち遠しい一作である。

第2位:『ミセス・ハリス、パリへ行く』(My Cinema File 2881)

ミセス・ハリス、パリへ行く.jpg

重厚感あふれる大作から一転。家政婦である中年女性が、仕事先の裕福な家庭で見せられたシャネルの洋服に魅せられ、一念発起してお金を貯めてパリにシャネルの服を買いに行くという物語。1950年代のシャネルは今のような大衆が気軽に買えるような店ではなく、富裕層にのみ開かれた名店。のこのこ出かけて行った家政婦が巻き起こす泣き笑い。心温まるストーリーは、大作にはない魅力がある。観てよかったと素直に思える映画である。

第3位:『ベイビー・ブローカー』(My Cinema File 2877)

ベイビー・ブローカー.jpg

ハリウッド映画と邦画との間にあって存在感を示している韓国映画であるが、その中の1本。赤ん坊を売買する男と生んだばかりの我が子を売ろうとする母親の物語。韓国映画ではあるが、監督は是枝裕和。韓国映画ではあるが、物語の底流に流れるのは是枝裕和監督の世界を感じさせるもの。人身売買の話なのであるが、そこにはきっちりと人間のドラマがある。味わい深い一作である・・・

さて、季節は秋が深まり、2024年も残り3か月となる。実は本年はここまで127本の映画を数えている。これは昨年よりも8本多い。どうやら今年は昨年を上回りそうであるが、数だけを競うのではなく、より心に残る映画を観ていきたいと思う。どんな映画と巡り合えるのか、楽しみな残り3か月である・・・




posted by HH at 00:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年07月01日

2024年4-6月ベスト3

2024年も半分が終わった。季節はいよいよ酷暑の夏。梅雨の合間の晴れ空にもうその片鱗が現れている。そんな酷暑の季節のスタートにあたり、4月から6月の3か月間で観た映画を振り返ってみた。この間、観た映画は35本。昨年の同時期と比較すると1本少ないが、まぁほぼ同じペースで観ているから同じとしていいだろう。ドラマを観れば映画が減る。映画を観ればドラマが減る。この悩ましい関係はどうにもならないが、その都度その都度対応してなるべくたくさん観ていきたいと思う。

第1位:『オットーという男』(My Cinema File 2860)

オットーという男.jpeg

これはダントツで一番だった。気難しい初老の男が、隣人との交流を重ね、次第に他人に対して心を開いていく物語。現代版「クリスマス・キャロル」といった感がある。男にもそれなりの人生がある。若き日に妻と出会い、恋に落ちる。そして結婚して幸せな日々。しかし、子供はできないまま、最愛の妻が先にこの世を去ってしまう。世間との間を取り持っていた妻がいなくなり、付き合い下手な男は次第に世間から孤立していく。

どんな人間にも生きてきた人生があり、たとえ世間の嫌われ者であっても、芯からの嫌われ者という者もいない。他人との間に壁を作ってしまう人間と壁を作らせない人間とがいる。壁を作らない隣人との交流を通じて偏屈だった男が変わっていく様子は感動的である。主演はトム・ハンクス。さすがと思わされる傑作である。

第2位:『荒野の誓い』(My Cinema File 2855)

荒野の誓い.jpeg

個人的に出演作は絶対に観たいクリスチャン・ベールの西部劇。クリスチャン・ベールの西部劇と言えば、何と言っても名作『3時10分、決断の時』(My Cinema File 678)がある。その感動を再び期待してしまったが、その期待は裏切られる事はなかった。

長い間インディアンとの戦いに明け暮れ、インディアンを敵としか思っていない騎兵隊大尉のジョー。そのジョーがなんとシャイアン族の酋長イエロー・ホークの護衛を命じられる。自らの意思とは大きくかけ離れる任務に戸惑い、嫌悪感を抱きつつ、命令ゆえに逆らえない。任務ゆえに護衛をするが、旅の道中での交流を通じ、次第にジョーの考え方に変化が訪れる。

西部劇と言えば、ドンパチというイメージがあるが、これは心動かされる人間ドラマ。また一つ、クリスチャン・ベールの株が上がった一作である。

第3位:『フェイブルマンズ』(My Cinema File 2847)

フェイブルマンズ.jpeg

私は小学校5年の時に映画館での洋画鑑賞デビューしたが、その時初めて観た記念すべき洋画第一号が『ジョーズ』(My Cinema File 19)であった。いたく感動して監督のスティーブン・スピルバーグの名前が心に刻みつけられた。そのスティーブン・スピルバーグの自伝的作品という事で興味深く鑑賞。

やはり両親に連れられて初めて観に行った映画に感動を受け、母親に8mmカメラを借りた事から撮ることに夢中になっていく主人公のサミー。世に「1万時間の法則」というものがあるが、この頃から仲間を集めて映画作りをしていく様子は、後の大監督の少年期にふさわしいものがある。ラストのジョン・フォード監督とのやり取りも心に残るものがあり、大監督に至る道のりを興味深く観た一作である。

便宜的に順位をつけているが、これ以外にも印象的な映画はかなりあったが、あらためて振り返ってみるのもまた楽しいものである。さて、酷暑の夏はまた夏休みでもある。どこかに行くという程の事もないが、映画はしっかり観る。山積みになったリストのなかからどんなものを観ようか。考えるだけでもワクワクしてくる。1年で一番観る本数が増える3か月だけに、楽しみに過ごしたいと思うのである・・・



posted by HH at 20:12| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月01日

2024年1-3月ベスト3

今年も桜が咲き誇る季節となった。まだまだ肌寒さは残るが、コートの襟を立てるほどではなく、心にウキウキ感がある。この時期、恒例の3ヶ月の振り返りを行った。全般的に突出した作品がなかったというイメージである。この3か月間で観た映画は45本であるが、これは昨年より10本多い。昨年はその分、ドラマを多数観たが、その影響も多い。あちらを立てれば、こちらが立たずである。

その中からベスト3を選んでみた。

第1位:『JUNG_E ジョンイ』
Jung_E.jpeg

韓国発のSF映画である。もはやSFの映像レベルの高さはハリウッドのものだけではないのだが、それだけではもうパンチ力はなくなってきている。この映画もなんとなくB級映画の匂いがしていたが、人間の記憶データを巡って果たしてそれが「人格」として認められるのかという深い問題を投げかけられる。1つならともかく、複数作成されたら?そんな哲学的な問題を孕み、深く考えさせられる映画である・・・

第2位:『インディ ジョーンズと運命のダイヤル』
インディ ジョーンズと運命のダイヤル.jpeg

ハリソン・フォードの当たり役である「インディ・ジョーンズ」シリーズのたぶん最後の一作。第一作の衝撃度はなかなかであったが、その後似たような作品が乱発されている。それでも元祖の存在感はさすがである。インディ・ジョーンズも定年退職する年齢となった本作。過去の因縁を引きずりつつ、老体に鞭打って最後の冒険に挑む。家族の背景も物語に彩りを添える。これで終わりだと思うが、シリーズ最終作に相応しい一作である・・・

第3位:『密航者』
密航者.jpeg

火星へ向かって飛び立った宇宙船内に、アクシデントで予定外の人間が乗り込んでしまうという顛末を描いたドラマ。かつて寺沢武一が、「SFとは新しい瓶に入れた古い葡萄酒」という言葉を残しているが、火星へ向かう宇宙船という新しい瓶の中で繰り広げられるのは、人間ドラマ。海上の船なら密航者がいても船倉に閉じ込めておくという事ができるが、この宇宙船内では酸素供給に問題が生じて、1人分の生命が余剰になるという事態に陥ってしまう。この危機をどう乗り越えるか。宇宙船内の「トロッコ問題」。味わい深い濃厚なドラマである・・・

季節はこれから心地よい新緑の季節。ドラマも観たいが映画も観たい。GWにはまたたくさんの映画を観る事としたい。楽しみな季節を大いに楽しみたいと思うのである・・・



posted by HH at 00:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする