2018年01月09日

【スパルタ】My Cinema File 1854

スパルタ

原題: Спарта(英題Sparta)
2016年 ロシア
監督: ニコライ・クドラショフ
出演: 
アンドレイ・セミオノフ:ニコライ
ニコライ・クドラショフ
デニス・ニキフォロフ
ヤン・ツァトニック
ヴラディミール・エピファンツェフ
マクシム・コノヴァロフ

<TSUTAYA 解説>
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前科者となった元総合格闘技チャンプが、全長10メートルの変形リングで戦う最新型格闘技"スパルタ"に参戦。彼の快進撃と宿敵との対決を描く。アンドレイ・セミオノフ主演のリアル格闘アクション。
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ロシアの映画も最近はいろいろと種類が増えてきたが、これはロシア発の格闘技映画。主人公のニコライは総合格闘技のチャンピオン。今日も相手を倒し、プロデューサーからはアメリカ進出の話も出る。リングを降りて控室に向かう途中、連れていた彼女に心無い侮蔑の言葉を浴びせられる。これにキレたニコライは、その男を殴り倒す。普通の人間なら単なる暴力でも、ニコライがやればただでは済まない。ニコライは傷害罪で逮捕され、刑務所行きとなる。

ニコライに甘え、車をねだっていた女は、自分が原因であるにも関わらず、さっさとライバルアンドレイに乗り換える。ニコライは3年間の服役を終えて出所し、復帰を目指してトレーニングを開始するが、刑務所生活で衰えた肉体は元には戻らない。ジムを辞めざるを得なくなると、食うために仲間のジムを便りコーチに転じる。そんな彼の前をアンドレイに取り入って車を買ってもらった女が歩き去る。

そんなニコライに、新たに創設された"スパルタ"という格闘技の話がもたらされる。細長い変型リングで、4人1チームで2チームが勝ち抜き戦を繰り広げるというもの。これは実際にあるものなのかどうかわからないが、柔道の勝ち抜き戦みたいでなかなか面白い。そう言えば、その昔新日本プロレスでも正規軍と維新軍でこの形式の試合をやっていた記憶がある。復調したニコライは、仲間と組んでこの"スパルタ"に参戦する。それに対し、過去にニコライに負けたことがトラウマとなっているアンドレイは、プロデューサーの指示を振り切って"スパルタ"に参戦する・・・

格闘技の映画となると、当然ながら試合シーンの迫力が重要となってくる。その点、この映画は実にリアリティに富んでいて、実戦さながらの迫力あるシーンが多い。ストーリー自体はそんなでもないと思うが、やはり格闘シーンの迫力がそれを補っているところがある。殴り、蹴り、そして腕ひしぎを始めとしたグラウンドテクニックが観ていて心地よい。

実際の格闘技でも、ロシアの皇帝ヒョードルが長らく王座を守っていたから、ひょっとしたらロシア国内でも総合格闘技の熱は高いのかもしれない。こういう映画が創られた背景にはそういう熱があるのかもしれないと思ってみる。それにしてもロシアの格闘技界は金目当ての美女が群がってくるような世界なのだろうか。明らかに金目当ての女を甘えさせるニコライとアンドレイの姿にふとそんな事を考えてみた映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2018年01月07日

【フォックス・キャッチャー】My Cinema File 1852

フォックス・キャッチャー.jpg

原題: Foxcatcher
2014年 アメリカ
監督: ベネット・ミラー
出演: 
スティーブ・カレル:ジョン・デュポン
チャニング・テイタム:マーク・シュルツ
マーク・ラファロ:デイブ・シュルツ
バネッサ・レッドグレーブ:ジーン・デュポン
シエナ・ミラー:ナンシー・シュルツ
アンソニー・マイケル・ホール:ジャック
ガイ・ボイド:ヘンリー・ベック
デイブ・ベネット:ドキュメンタリー制作者

<シネマトゥデイ>
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デュポン財閥の御曹司ジョン・デュポンが起こした殺人事件を映画化した実録ドラマ。ジョン・デュポンが結成したレスリングチームに引き抜かれた五輪メダリストの兄弟が、彼の知られざる姿を知った果てに悲劇に見舞われる。監督は『カポーティ』などのベネット・ミラー。『31年目の夫婦げんか』などのスティーヴ・カレルをはじめ、チャニング・テイタムやマーク・ラファロら実力派が共演する。彼らの鬼気迫る演技に圧倒される。
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マークとデイヴの兄弟はともにレスリングの選手であり、ともにオリンピックのゴールドメダリスト。デイヴは今やコーチとして弟のマークを支えている。マークは、1984年のロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲得しており、次のソウルでも連覇を狙っている。そんなマークのもとに、ある日財閥の御曹司であるジョン・デュポンから電話がかってくる。ジョンはマークに自らが率いるレスリングチームへの参加をオファーする。

破格の条件にマークはこれに応じ、すぐに施設に引っ越す。ジョンはさらにデイヴにも、コーチとしてフォックスキャッチャーへの参加を求めるが、家族と現在の仕事への義理からこれを断る。こうしてフォックスキャッチャーでの日々がスタートするが、次第にジョンの行動におかしなところが出てくる。一つは母親への異様な意識。乗馬を愛し、レスリングを蔑む母親に対し、ジョンはいかに自分が優秀なコーチかということをアピールする。

ある練習の時には、ジョンの母親がジムに姿を見せる。するとジョンは選手たちを集め、指導を始める。レスリングのコーチングとしての自分をアピールするのだが、母親は興味なさげにすぐに帰ってしまう。金にモノを言わせてチームを率いる自分のドキュメンタリーを作らせる。札束にモノを言わせてデイヴの招聘に成功すると、デイヴにも番組のインタヴューに答えさせ、自分を持ちあげさせる。

実話ということに興味を持ったのだが、この映画では母親との確執から異様に母親に対抗意識を見せるデイヴが描かれる。移動にヘリを使うし、レスリング協会にポンと寄付はするし、自分ヨイショのドキュメンタリー番組は作らせるし、マークやデイヴたちの頬を札束でひっぱたき、まぁ大富豪ならどうということもないのだろうが、スケールはでかそうである。

庶民の身からすれば羨ましい限りの生活であるし、何が不自由なのかという気もするが、金持ちには金持ちの悩みというものがあるのだろう。母親に認められたくて、必死になるお坊ちゃんの姿が寒々しい。いくら金でコーチの座を買おうとも、レスリングコーチの力までは買うことができない。そして事件が起こってしまう。タイトルの「フォックスキャッチャー」とは、ジョンの所有するレスリング施設の名前であり、その名の看板がかかっている。

実際のジョンはどんな人物で、どんな事件経緯だったのかはとても興味深いものがある。ジョンが買いたかったものは、そして大富豪でも買えなかったものは、「母親の関心」ということなのだろうか。できることなら、そのあたりもう少し詳しく知りたかったと思う映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2018年01月01日

2017年年間ベスト10

新しい年が始まった。普通年初には新しい年の計画を立てるものであるが、こと映画に関しては旧年の振り返りをしている。なぜかと言えば、年内いっぱいフルに映画を観るので、落ち着いて振り返りができないからである。一年間観てきた映画について、年初にゆっくり振り返ってみる。心に残る映画もあれば、既に忘れつつある映画もある。この振り返りのひと時が、また映画を観る楽しみでもあったりする。

そんな2017年であるが、年間で鑑賞した映画は全部で189本。これは特殊要因があった2014年を除くと、過去最高だった2016年をさらに20本上回ったことになる。ほぼ2日に1本であり、自分でも驚いている。そんな中からベスト10を選ぼうと思ったが、当然ながら数が増えれば選ぶのも困難になってくる。今回は迷いに迷いつつ、あとで振りかえれば順位が変わるのもあるかもしれないと思いつつ、10本を選んでみた。(対象は「初めて観た映画」である)

第1位:
『ちはやふる-上の句-』
『ちはやふる-下の句-』
ちはやふる-上の句-.jpgちはやふる-下の句-.jpg

これは迷うことなくダントツであった。「高校生モノ」「競技かるた」というキーワードは、何もなければまず観ることもなかったと思う。映画好きの友人が絶賛していたので、「とりあえず観てみるか」と思った次第だが、これが大正解。やはり人が良いというものはそれなりのものがある。もちろん、好みも違うので必ずしも人の薦めるものが良いとは限らないが、それでもこういう事があると、おろそかにはできない。「とりあえず観てみるか」というスタンスは大事にしたいところである。

 高校生の主人公が大好きな競技かるたの世界に高校生活をかける。仲間を集め、練習していく。紆余曲折があって、強力なライバルがいてというストーリーにぐんぐんと引き込まれていく。いつの間にか胸も熱くなり、気がつけば「今年の1本(前後編でセットであるが)」と決めていた作品である。1年を通じてもこれを超えるものはなく、文句のないところである。

第2位: 『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』
ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー.jpg

 前年に待望の新シリーズがスタートしたシリーズだが、スピンオフができたのは嬉しい限り。スピンオフと言ってもシリーズをつなぐ一作であり、「正史」と言ってもおかしくはない。最初から最後までフルスピードで駆け抜ける面白さは、シリーズ要因も加味されて文句なしの第2位に挙げたい。

第3位: 『ラ・ラ・ランド』
ラ・ラ・ランド.jpg

 映画にストーリーはとても重要。心に残るストーリーが根底にあれば、ミュージカルでもコメディでも心に響いてくる。これも夢を目指す男と女の静かな交流が心に響くストーリー。心地良いミュージカルは、さすがアカデミー賞に輝いたところだと納得させられる。時をおいてまた観たい映画である・・・

 以下は下記の通りであるが、はっきり言って順位付けはあまり意味がない。どれも同じレベルであり、僅差の好みの差でしかない。
第4位: 『ジェーン』
ジェーン.jpg

第5位: 『レヴェナント:蘇えりし者』
レヴェナント:蘇えりし者.jpg

第6位: 『ブルックリン』
ブルックリン.jpg

第7位: 『殿、利息でござる!』
殿、利息でござる!.jpg

第8位: 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅.jpg

第9位: 『64 ロクヨン 前編』『64 ロクヨン 後編』
64 ロクヨン 前編.jpg64 ロクヨン 後編.jpg

第9位: 『あやしい彼女』
あやしい彼女(日本).jpg

 さて、今年はどんな映画に出会えるだろうか。本数は昨年同様レベルになると思うし、選ぶのも難しいかもしれない。しかしまたそれも映画の楽しみ。悩むくらいいい映画と出会いたいと新しい年の初めに思うのである・・・



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2017年10月01日

2017年7-9月ベスト3

雨が多く、気温も例年に比べると低めで、ビジネスマンとしてはありがたい反面、やはり夏は夏らしくあってほしいと思う夏も早や過ぎ去り、季節はスポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋、映画の秋(?)になった。夏らしい夏でなかった物足りなさを感じつつ、今年の秋は秋らしくあってほしいと思うところである。

さて、その秋を前にしてこの夏を振り返ると、3ヶ月間で観た映画は46本。これは昨年の同時期よりも11本多い。ちょうど今年から「週3本」ペースに移行しており、週1本増えた分がそのまま数として現れている感じである。それでもまだ「リスト」は増え続けており、じっくりと確実にこなしていきたいと思う。

その46本を振り返ってみたベスト3は下記の通り。

第1位:
『ラ・ラ・ランド』

ラ・ラ・ランド.jpg

アカデミー賞を取ったというのは、個人的には合う合わないがあるからあまり影響はないのであるが、これは個人の趣向にぴったりとあった。「映画とミュージカルは親和性がない」という個人の感覚は、『オペラ座の怪人』や『レ・ミゼラブル』で覆されてしまっているが、また1つ覆す作品がでてしまった。

と言っても、これはストーリーの合間合間に効果的に歌と音楽が入ってくる感じで、そもそもあまり違和感がない。明日を目指す2人のロマンチックな関係とちょっと切ない顛末とに相まって、歌と音楽が実に効果的に使われている。何よりも心に響くストーリーが秀逸だと思う。素直に良い映画だと思える作品である。

第2位:
『ジェーン』

ジェーン.jpg

個人的にナタリー・ポートマンが好きという要素はあるものの、もちろんそれだけではない。南北戦争で不幸なタイミングで別れてしまった2人。女にとって、別の男と一緒になったのは、その経緯を見れば責めるのも酷。しかし、諦めきれないのは待っていてくれると信じて帰ってきた男。

そして女に危機が訪れた時、助けを求められた男はやるせ無い気持ちとは裏腹に断ることができない気持ちとがある。多勢に無勢の中、女を守るための戦いが始まる。西部劇も最近はただのドンパチではなく、濃厚なストーリーを伴うものが増えている。ただ相手を撃ちたおすだけのストーリーだと支持は得られないだろう。しっかりとしたストーリーが心に響く西部劇である。

第3位:
『64 ロクヨン前編』
『64 ロクヨン後編』
『あやしい彼女』

64 ロクヨン 前編.jpg 64 ロクヨン 後編.jpg あやしい彼女(日本).jpg

これは甲乙つけがたい選択であった。それぞれタイプが違うし、従って面白さも違う。甲乙と言っても「個人的な好み」なのでどっちでも良いような気がするが、いくら個人の好みではあっても、順位はしっかりとつけてみたい。そうして悩んだ挙句は同位なのである。

共通しているのは邦画という点。方や刑事物であり、方やファンタジー・コメディ。『64 ロクヨン前編』『64 ロクヨン後編』原作本を読んでおり、『あやしい彼女』は、リメイク元の韓国版を観てストーリーを知っていたという点も共通点であるが、ストーリーを知っていても良かったと思わせるものがそれぞれあったと言える。

前者は役者の演技(の迫力)であり、後者は日本に合わせたアレンジである。特に日本風アレンジという点では、『許されざる者』が秀逸であったが、「本家を上回る」という点ではこの映画に「リメイク賞」をあげたいと思う。今後もうまく日本風アレンジができるのなら、どんどんやってほしいと思わされる。

さてこれから秋の夜長の季節。慌ただしい年末も含まれるが、映画の時間はきちんと取って観るものを観ていきたいと思う。そしてまた選択に大いに迷う映画に出会いたいと思うのである・・・


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2017年07月01日

2017年4〜6月ベスト3

 2017年もはや半分が終わった。季節は梅雨。「うっとおしい」という言葉が日常の日々であるが、夏休みも間近に迫っており楽しみ溢れる季節でもある。「暑い、暑い」と言うだけでなく、四季ある我が国の今の季節を楽しみたいものである。

さて、そんな季節の4-6月であるが、この期間に観た映画は48本。これは昨年の同時期と比べて12本多い。今年は昨年までの「週末2本」のペースから「週末3本」のペースに増やしており、ちょうどその分増えた計算である。

その中で、個人的に選んだのが下記ベスト3。この中には、過去に一度観た映画は対象外としている。

第1位:
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅.jpg

総じて横並び感が強く、選ぶのも難しかったところではあるが、『ハリー・ポッター』シリーズの姉妹作というのか、別シリーズなのかわからないが、同じ魔法使いの物語。場所をニューヨークに移し、時代を20世紀初頭にし、またまた夢のある内容となっている。何も考えずに楽しめるところがこのシリーズのいいところである。

かつて『スーパーマン』を初めて観た時、それまでの映画と違って自然と人が宙に浮く映像に感動し、本当に人間が空を飛べるのではないかという錯覚に陥ったが、このシリーズでは何だか本当に魔法使いがいるのかもしれないと思えてきてしまう。ストーリーもそうだが、映画ならではの映像の世界を堪能したい映画である。


第2位:
『ウォール・フラワー』

ウォール・フラワー.jpg

友達もなく、孤独で目立たない主人公。パーティーとなれば、間違いなく壁際でたたずんでいるしかない存在の主人公が、義兄妹2人と仲良くなったことから世界が変わっていく。心密かに妹のサムに惹かれるが、サムには恋人がいて自分にはそばで見つめているしかない。そんな胸が切なくなるような物語。

 誰にでも似たような経験はあるのかもしれない。若者たちはそれぞれに悩みを抱えながら世界と向き合うことになる。成熟した世代となると、振り返ってみて胸が熱くなる時代というのは誰にでもあるに違いない。そんな感傷を起こさせる映画。原作小説も読んでみたいという気にさせられる。懐かしい感覚が蘇ってくる映画である。


第3位:
『海街diary』

海街diary.jpg

原作は漫画。妻子を捨てて別の女性とともに出て行った父の訃報が、残された3姉妹の下に届く。葬儀に出席した3姉妹の前に現れたのは、異母妹のすず。その置かれた境遇を見た長姉のサチは、すずに「一緒に暮らさないか」と誘う。それに即答で応じたすずが、3姉妹の住む鎌倉にやって来る。こうして4姉妹だけの生活が始まる。

妻と離婚できない同僚医師と付き合っている長姉のサチ。お酒が好きで若い男と付き合う次姉の佳乃。奔放な性格の三女チカ。そこに加わったすずの4姉妹のそれぞれの日常が描かれていく。古都鎌倉を舞台にして、綾瀬はるか、長澤まさみ、広瀬すずといった女優陣たちも魅力的な映画。

映画を観終わって、原作漫画を読み始めたが、映画は原作を忠実に描いている。そして、原作漫画はまた映画では描かれないエピソードも多く、ストーリーに厚みをもたらしている。じんわりと心に染み入ってくる、まさに日本的な映画である。

さて、これから年間で最も映画を観られる季節となる。数多く観ればいいというものではないが、数多く観れば「当たり」も増えるかもしれない。いい映画との出会いを期待したい2017年の夏である・・・




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