2022年11月18日

【355】My Cinema File 2620

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原題: The 355
2022年 アメリカ
監督: サイモン・キンバーグ
出演: 
ジェシカ・チャステイン:メイソン・ブラウン / メイス
ペネロペ・クルス:ドクター・グラシエラ / グラシー
ファン・ビンビン:リン・ミーシェン
ダイアン・クルーガー:マリー
ルピタ・ニョンゴ:ハディージャ
エドガー・ラミレス:ルイス
セバスチャン・スタン:ニック

<映画.com>
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ジェシカ・チャステイン、ペネロペ・クルス、ファン・ビンビン、ダイアン・クルーガー、ルピタ・ニョンゴら豪華キャストが集結し、世界各国の凄腕エージェントによるドリームチームの活躍を描いたスパイアクション。格闘術を得意とするCIAのメイス、トラウマを抱えるドイツ連邦情報局のマリー、コンピューターのスペシャリストであるMI6のハディージャ、優秀な心理学者であるコロンビア諜報組織のグラシー、中国政府で働くリン・ミーシェン。秘密兵器を求めて各国から集まった彼女たちは、ライバル同士だったが互いの手を取り、コードネーム「355(スリー・ファイブ・ファイブ)」と呼ばれるチームを結成。世界を混乱に陥れるテクノロジーデバイスの利用を画策する国際テロ組織を阻止するべく立ち上がる。『X-MEN:ダーク・フェニックス』のサイモン・キンバーグ監督がメガホンをとった。
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物語は、南米コロンビアのとある麻薬カルテルから始まる。カルテルのボスの息子があらゆるセキュリティを潜り抜け、世界中のインフラや金融システムなどを攻撃可能なデジタル・デバイスを開発する。頭上を飛ぶ旅客機を爆発させるというそのデバイス。あまりにも漫画チックであるが、そう言うツッコミはなしとする。そのデジタル・デバイスさえあれば、核施設や世界市場、空を飛ぶ飛行機から携帯電話まで好きに操作することができる。麻薬カルテルはそのデジタル・デバイスを国際テロ組織に売り込むことにする。

しかしその直後、コロンビアDNI(コロンビア国家情報局)の特殊部隊が現場を襲撃。国際テロ組織はその場から逃亡するが、麻薬カルテル側はデジタル・デバイスの開発者も含めて全滅の憂き目に遭う。襲撃に参加したDNIのエージェントであるルイスは、現場に残されていたデジタル・デバイスを密かにポケットに入れ姿を消す。このデジタル・デバイスの脅威を知った世界各国の諜報機関はデジタル・デバイスの回収に動き出す。

CIAは、ルイスから直接接触してきたことを受け、メイソン・“メイス”・ブラウンとその相棒ニック・ファウラーをフランス・パリに派遣する。パリにあるカフェにてメイスとニックは、ルイスとデバイスを交換しようとする。しかし、その場に思わぬ邪魔が入る。謎の女に襲撃されデバイスを奪われる。ニックはルイスを、メイスは鞄を持ち去った謎の女をそれぞれ追いかける。ルイスを追いかけたニックだが、デジタル・デバイスを狙う国際テロ組織の人間と鉢合わせし、殺害される。

謎の女の正体は、実はドイツ連邦情報局(BND)の秘密工作員マリー・シュミット。ニックが殺されたことを知ったメイスは、彼の仇を取るべく、旧知の間柄である英国情報局秘密情報部(MI6)の元エージェントでありサイバー・インテリジェンスの専門家ハディージャ・アデイェミを仲間に引き入れる。彼女の追跡能力を駆使してデジタル・デバイスの在り処を追跡した結果、ルイスはフランスのホテルに潜伏していることが判明する。一方ルイスは、DNIに所属する心理学者グラシエラ・リベラの説得により、デジタル・デバイスをDNIに受け渡すことにする。

しかし、DNIの捜査官の裏切りに遭いルイスは射殺されてしまう。現場に駆けつけたメイスとマリーは再び格闘となるが、助けを求めるグラシエラの叫び声を聞いて一時休戦し、互いに裏切ったDNIの捜査官を追う。ところが、あと一歩のところで逃げられる。互いに敵対し合っていたメイスとマリーは、同じ目的・共通の敵を持つ者同士協力しあうことにする。ここにメイス、ハディーシャ、マリー、グラシエラの4人の美女が揃い踏みとなる。

タイトルの「355」とは、18世紀のアメリカ独立戦争で活躍した女スパイから来ているらしい。CIA、MI6そしてBNDというスパイ組織の女性エージェントが活躍するというストーリー。この手のものは、『チャーリーズ・エンジェル』を持ち出すまでもなく、それだけで観たくなるものがある。さらにその中心にジェシカ・チャステイン、ペネロペ・クルス、ダイアン・クルーガーが来ると役者がそろう。そこに時代なのか中国人のファン・ビンビンが加わる。

あとは美女たちが八面六臂の活躍をするだけである。漫画のようなデジタル・デバイスを巡って世界中でアクションを繰り広げる。さらにストーリーも、味方だと思ったら敵であったり、敵だと思ったら味方になったりという展開を繰り広げ、観る者を飽きさせない。お祭りチックで脳味噌を使わずに楽しむことができる。それにしても、ジェシカ・チャステインは、シリアスな役からアクションまで幅広い。そしてペネロペ・クルスは相変わらずの美形である。

最後の最後まで飽きさせないストーリー展開も相まって、観て堪能できる映画である・・・


評価:★★☆☆☆









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2022年04月23日

【007 ノー・タイム・トゥ・ダイ】My Cinema File 2536

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原題: No Time to Die
2021年 アメリカ
監督: キャリー・ジョージ・フクナガ
出演: 
ダニエル・クレイグ:ジェームズ・ボンド
ラミ・マレック:サフィン
レア・セドゥ:マドレーヌ
ラシャーナ・リンチ:ノーミ
ベン・ウィショー:Q
アナ・デ・アルマス:パロマ
ナオミ・ハリス:イヴ・マネーペニー
レイフ・ファインズ:M
ロリー・キニア:タナー
ジェフリー・ライト:フェリックス・ライター
ビリー・マグヌッセン:ローガン・アッシュ
ダリ・ベンサーラ:プリモ
クリストフ・ヴァルツ:エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド

<映画.com>
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ジェームズ・ボンドの活躍を描く「007」シリーズ25作目。現役を退きジャマイカで穏やかな生活を送っていたボンドのもとに、CIA出身の旧友フィリックス・ライターが助けを求めにやってきたことから、平穏な日常は終わりを告げる。誘拐された科学者を救出するという任務に就いたボンドは、その過酷なミッションの中で、世界に脅威をもたらす最新技術を有した黒幕を追うことになるが……。ダニエル・クレイグが5度目のボンドを演じ、前作『007 スペクター』から引き続きレア・セドゥー、ベン・ウィショー、ナオミ・ハリス、ロリー・キニア、レイフ・ファインズらが共演。新たに「ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密」のアナ・デ・アルマス、『キャプテン・マーベル』のラシャーナ・リンチらが出演し、『ボヘミアン・ラプソディ』のフレディ・マーキュリー役でアカデミー主演男優賞を受賞したラミ・マレックが悪役として登場する。監督は、「ビースト・オブ・ノー・ネーション」の日系アメリカ人キャリー・ジョージ・フクナガ。
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ダニエル・クレイグのジェームズ・ボンドもはや15年。とうとうこれが最後ということである。前作『007 スペクター』で秘密結社「スペクター」を壊滅させ、「スペクター」の首領であり、義理の兄でもあるブロフェルドを捕らえたジェームズ・ボンドはMI6を引退している。年齢的にもいつまでもできる仕事ではないだろう。そして引退したボンドは、「スペクター」の幹部で殺し屋だった父親を持つマドレーヌ・スワンと共に静かな毎日を過ごしている。

マドレーヌとイタリアを訪れたボンドは、マドレーヌとの未来を考え、かつて『007カジノロワイヤル』(My Cinema File 6)で出会い、愛しあった女性ヴェスパーの墓参りに行く。男としてのケジメだろう。しかし、ヴェスパーの墓には「スペクター」の指輪が置かれており、突然墓が爆発する。かろうじて難を逃れたボンドを謎の集団が襲う。間一髪でマドレーヌのいるホテルに逃げ帰ったボンドは、自身の動きが筒抜けだったことからマドレーヌの裏切りを疑う。

謎の集団の追撃をかわしたボンドは、マドレーヌを強引に列車に乗せ、別れを告げる。それから5年。とあるウィルス兵器の研究所が襲われる。強引に手引きをさせられたロシア人科学者のヴァルド・オブルチェフだけが唯一生き残って連れ去られる。一方、マドレーヌと別れたボンドは、ジャマイカで優雅に暮らしていたが、そこへCIAの友人でもあるフェリックス・ライターが、アメリカ総務省のアッシュと共に現れる。そこでフェリックスは、誘拐されたオブルチェフの捜索をボンドに依頼する。場所はキューバ。そこにはイタリアでボンドを襲ったスペクターの残党が集まるとも知らされるが、ボンドは引退した身であることを理由に断る。

フェリックスたちと別れたボンドの前に現れたのは、ノーミと名乗る黒人女性。実は、ノーミはMI6の諜報員で、現在の「007」である。「永久欠番だとでも思った?」という挑発的なセリフ。それに対し、ボンドは「たかが数字だ」と答える。このやり取りは後に出てくるが、ウィットに富んでいる。ノーミは、一連の事件が「ヘラクレス計画」と関係があることを伝え、ボンドに協力を求めるが、ボンドは再び断る。しかし、そうは言っても「ヘラクレス計画」は、Mが携わっていた計画でもあり、気になったボンドはフェリックスの誘いを受けキューバに向かう。

キューバに向かったボンドを迎えたのは、CIAの新人局員パロマ。これがなかなかの美人。2人でスペクターの残党が集まるパーティーに潜入するが、ボンドの潜入はバレており、集会会場に毒ガスが噴射される。ところが、ボンドには何の影響もなく、逆に周囲のスペクターの残党が次々と倒れていく。戸惑うボンドだが、会場にいたオブルチェフを見つけると、ボンドはパロマと共にオブルチェフを捕まえる。

引退したとは言え、その腕前は健全。新登場のパロマは、美女ながらも見事な格闘アクションを見せてくれる。なかなかの見せ場に満足のいくストーリー展開である。オブルチェフを捕らえたボンドは、フェリックスとアッシュと合流するが、アッシュの裏切でフェリックスは命を落とし、オブルチェフは連れ去られてしまう。オブルチェフから得たデータをQが解析したところ、「ヘラクレス計画」は、ナノボットを使い特定のDNAにウィルスを流し込むことで、感染者が触れただけでウィルス感染が広がるというもの。これがちょっとわかりにくい代物。

そんな化学兵器を手中にしたのが今回の黒幕とでもいうべき敵。その目的はスペクターの壊滅。それなら放置しておけばいいが、危険な化学兵器の存在がそれを許さない。やがてボンドはマドレーヌと再会する。新たな007が絡み、物語はスケールアップして展開していく。ボンドと別れたマドレーヌは、密かに娘マティルドを産んでいる。ノーミから「007」のナンバーを戻されたボンドは最後の任務へと向かう。かつて肉体派アクションに転向しかけたボンドだが、ここではまた本来のスタイルに戻っている。

そしてダニエル・クレイグのボンドは最後の時を迎える。一時はどうなるかと思ったが、最後はボンドらしくホッとした。ラストはボンドが美女と去っていくのがお馴染みであるが、本作ではストーリーの流れからそれを封印。いよいよこれでジェームズ・ボンドシリーズも終わりかと思いきや、エンディングではお馴染みの“James Bond will return”が表示される。今度はどんなボンドがどういう筋書きで登場するのだろう。

新たなボンドに期待したいと思うのである・・・


評価:★★★☆☆








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2020年06月07日

【スパイ・ミッション シリアの陰謀】My Cinema File 2234

スパイ・ミッション シリアの陰謀.jpg

原題: Damascus Cover
2017年 イギリス
監督: ダニエル・ゼリック・バーク
出演: 
ジョナサン・リース=マイヤーズ: ハンス・ホフマン/アリ・ベン・シオン
オリビア・サールビー: キム
ユルゲン・プロフノウ: フランツ・ルディン
ナビド・ネガーバン: サラージ
ジョン・ハート: ミキ

<映画.com>
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シリアの危険地帯で極秘任務に挑むエリートスパイの孤独な戦いを、「ベルベット・ゴールドマイン」『マッチポイント』のジョナサン・リース=マイヤーズ主演で描いたスパイアクション。ハワード・カプランの小説「ダマスカスへ来たスパイ」を映画化した。イスラエルの諜報機関モサドに所属する凄腕エージェントのアリは、ある人物を脱出させるためハンス・ホフマンという偽名でシリアに潜入する。現地到着後すぐに、ハンスは自分が何者かに尾行されていることに気づく。自分の命が狙われていると知ったハンスは、誰ひとり信用できない極限状態の中で、命をかけた極秘任務に挑む。共演に『ジャッジ・ドレッド』のオリビア・サールビー、『ハリー・ポッター』シリーズのジョン・ハート。「のむコレ2018」(18年11月3日〜、東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)上映作品。
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主人公は、イスラエル諜報機関「モサド」に属するエージェント、アリ・ベン・シオン。表の顔は、ドイツ人実業家ハンス・ホフマンという名で過ごしている。ある時、シリアに潜伏している仲間がシリアの諜報機関に捕まり、殺害される。その際、シリアに潜伏している仲間のスパイの情報が漏れたかもしれず、急遽家族ともども首都ダマスカスからイスラエルへ脱出させる必要が出てくる。この任務に指名されたのがアリ。

そのアリは、ユダヤ教の撮影禁止区で撮影をしてトラブルになったジャーナリストキムを助ける。なかなかの美人であり、ジェームズ・ボンドであれば食事にでも誘っているかもしれない。アリはクールなタイプで、その場を立ち去る。そして上司のミキから指示を受け、アリは絨毯を買い付けに来たビジネスマンを装いダマスカスに赴く。シェラトンに宿を取るが、なんとここでキムに再会する。

うまく大臣にも取り入り、商談ともども順調に進む。ターゲットはユダヤ人街に住んでいるが、そこにはなんと一般人は立ち入れない。さらに外出も家族全員そろってはできない。大臣から地元有力者を紹介してもらい、その家に出入りするハウスメイドに接触、家族の出国を餌に連絡役に勧誘する。その一方で、キムとの関係も急速に接近していく。しかし、シリア秘密警察も長官サラージが自ら動き、国内に潜伏しているイスラエルの重要スパイ“エンジェル”逮捕を目指す。

シリアを舞台にした映画というのも珍しいかもしれない(まぁ、世界中を駆け回っているジェームズ・ボンドやイーサン・ハントは別だが)。いまや内戦でぐちゃぐちゃになっているように思うが、映画の中のダマスカスは平和である。そこで活躍する主人公のアリはモサドのエージェントという触れ込み。危険と背中あわせのミッション。美女との絡みがあり、そして裏切りがある。

アリも結局は将棋の駒の1つにしか過ぎない。なんの先入観もなく観始めたが、スパイ映画の王道のようなストーリー展開があり、意外に引き込まれる。激しく対立しているようでいて、つながるところはつながっている双方のスパイ組織。スパイの世界は複雑怪奇がよく似合う。その意味では、先を読ませない展開は十分満足させてくれるもの。古典的かつ王道ストーリーの香り漂う映画である・・・


評価:★★☆☆☆






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2018年09月01日

【ミッション:インポッシブル フォールアウト】My Cinema File 1971

ミッション:インポッシブル フォールアウト.jpg

原題: MISSION: IMPOSSIBLE - FALLOUT
2018年 アメリカ
監督: クリストファー・マッカリー
製作: トム・クルーズ/クリストファー・マッカリー/ジェイク・マイヤーズ/J・J・エイブラムス
出演: 
トム・クルーズ:イーサン・ハント
ヘンリー・カビル:オーガスト・ウォーカー
ビング・レイムス:ルーサー・スティッケル
サイモン・ペッグ:ベンジー・ダン
レベッカ・ファーガソン:イルサ・ファウスト
ショーン・ハリス:ソロモン・レーン
アンジェラ・バセット:エリカ・スローン
バネッサ・カービー:ホワイト・ウィドウ
ウェス・ベントリー:パトリック
フレデリック・シュミット:ゾラ
ミシェル・モナハン:ジュリア・リード
アレック・ボールドウィン: アラン・ハンリー

<シネマトゥデイ>
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イーサン・ハント率いるスパイチームの活躍を描いた人気シリーズの第6弾。複数のプルトニウムを盗んだ犯人をイーサンたちが追う。前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』に続いてクリストファー・マッカリーがメガホンを取り、トム・クルーズ、サイモン・ペッグらおなじみの面々が結集。飛行するヘリコプターにしがみついたり、ビルからビルへ跳躍したりするなど、トム渾身のスタントが今作でも見られる。
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毎回派手なアクションで楽しませてくれるシリーズの第6弾。IMF(Impossible Mission Force)のエージェントのイーサン・ハントに示された今回のミッションは、何者かによって盗まれた3つのプルトニウムの奪還というもの。例によって秘密指令は5秒後に消滅する。何があっても当局は一切関知しないというメッセージもお約束。そしてこれが、劇中でイーサンの忠誠に疑惑を招く伏線になっていたりもする。

さっそくIMFチームは行動に移りプルトニウムを一旦奪い返す。しかし、突然現れた何者かにルーサーが人質に取られ、イーサンがこれを助け出す間にプルトニウムが奪われてしまう。この事件の裏側には、シンジケートの⽣き残り勢⼒が結成したアポストル(神の使徒)が関連しており、⼿がかりはジョン・ラークという正体不明の男とわかる。ジョン・ラークがホワイト・ウィドウと呼ばれる謎の⼥と接触するとの情報を掴み、イーサンはさっそく行動に移る。

しかし、プルトニウム奪還失敗を受けてIMF主導の作戦を良しとしないCIAは、敏腕エージェントのオーガスト・ウォーカーを監視役に同⾏させることを条件とする。やむなくイーサンはウォーカーとともにラークがホワイト・ウィドウと接触するとされるパーティに乗り込むためパリへと向かう。イーサンほどであれば普通にパリに行き、パーティに潜入できると思うが、それではイーサンの名が廃るのか、わざわざ軍用機から酸素ボンベをつけたHALOジャンプ(高高度降下低高度開傘)で乗り込む。当然、途中でアクシデントが起こって観る者を楽しませてくれる。

そしていざ捕まえたジョン・ラークは意外にも格闘の達人で、イーサンとウォーカーはこれを相手に大苦戦する。トイレの中でのド派手な格闘。2人がかりでもどうにもならない。この相手も3人の格闘シーンもなかなかのもの。ここで2人の窮地を救ったのが、前作にも登場した⼥スパイ、イルサ。そしてうまく接触したホワイト・ウィドウからは、プルトニウム引渡しの条件として、前作でイーサンが逮捕した収監中の“ソロモン・レーン”の奪還に⼿を貸すことが示される。警官を皆殺しにする作戦内容にイーサンの顔が曇る・・・

観ていて息つく間もなく次から次へと展開されるアクションの数々に、とにかく圧倒される。高高度からのダイブ、パリ市街をノンストップで疾走するバイクチェイス&カーチェイス、イーサン自身も全力で走り回り、そしてトム・クルーズ自身の骨折で話題になったビルとビルとの間のジャンプ。さらにはクライマックスでヘリコプターバトル・・・瞬きをするのも惜しまれるくらいである。

ここまでくると、もはやこれ以上のものが作れるのだろうかとさえ思ってしまう。長年のジェームズ・ボンドファンとしては誠に残念ながら、総合的な面白さでイーサン・ハントに超えられてしまった感がある。まぁ、ジェームズ・ボンドにはボンドならではの味があるので、無理にイーサン・ハントの真似をして肉体派アクションに走らないでもらうことを願うしかない。

 もちろん、アクションシーンだけが見所ではなくて、敵ならず観る者までも欺くストーリー展開など、骨となるストーリーもしっかりと面白い。これはたぶん、何度観ても飽きないと思う。「ミッション・インポッシブル」の名前に恥じない映画であることは間違いない。こうなると、また次もと欲が出る。実際、続けてほしいと思う。ただ、懸念されるのは、トム・クルーズ自身がどこまで続けられるかだろうか。ジェームズ・ボンドは代々受け継がれていたが、トム・クルーズ以外のイーサン・ハントはあまり想像したくない気がする。

 できることなら映画館の大画面で堪能したいシリーズ最新作である・・・


評価:★★★★☆







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2008年03月20日

【デトネーター】My Cinema File 185

THE DETONATOR.jpg

原題: THE DETONATOR
2006年 アメリカ
監督: レオン・ポーチ
出演: 
ウェズリー・スナイプス:サニー・グリフィス
シルヴィア・コロカ:ナディア・コミンスキー
マイケル・ブランドン:フリント支局長
ウィリアム・ホープ:マイケル・シェパード
ティム・ダットン:ジョゼフ・ボスタネスク

<シネマトゥデイ>
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核兵器の密輸組織を壊滅させるため、最後の任務についたCIAの敏腕捜査官の活躍を描くスパイ・アクション。錯綜する情報に翻弄されながらも襲いかかる危機を回避するスパイの奔走を迫力の銃撃戦や先の読めない展開で活写する。引退間近の捜査官にアクション俳優のウェズリー・スナイプス。そのほかのスナイプス主演作品『ザ・マークスマン』『7セカンズ』の2本と合わせ「ウェズリー・スナイプス大運動会」と銘打って連続公開される。
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引退前の最後の任務を遂行するためにルーマニアのブカレストに赴いたグリフは、地元のギャング一味に接触する。グリフは首尾よく武器の密売人らが取引を行う現場に潜入するが、密告で正体がばれてギャングとの銃撃戦に発展してしまう。辛くも難を逃れたグリフだったが、地元警察に逮捕され…

元軍人にして元CIA。ウェズリー・スナイプス演じる主人公グリフは、まさに絵に描いたようなお馴染みのプロフィール。これまでに見た『7セカンズ』『ザ・マークスマン』と同じようなパターンだ。
まあ「寅さん」だと思って見れば親しみも湧く。

気乗りしない任務を任されたグリフ。任務は美女のボディーガード。「寅さん」でもマドンナは出てくるから「お約束」と言える。そして突然襲い来る謎の襲撃者。孤立しながらも独力で美女を守り襲撃者から身をかわすグリフ。しかし、情報がすべて筒抜けで次々と襲撃を受ける・・・

ウェズリー・スナイプスといえば格闘アクション。それを今回は銃撃戦でごまかすことなく頻繁に披露してくれる。「裏切り者は誰だ」という謎解きとあわせてこの手のシリーズの中ではけっこういける。上にあげた2作と比べたら意外と面白かったというのが感想だ。せめてこれくらいのレベルは維持してもらいたいところだ。制作費をたっぷりとかけた話題の超大作もいいが、こういう気楽に見られる手頃な映画もほどほどの面白さを持ち合わせていれば貴重な存在だ。「寅さん」の次回作にも少しは期待したいと思わされる映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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