
原題: Uncharted
2022年 アメリカ
監督: ルーベン・フライシャー
出演:
トム・ホランド:ネイサン・ドレイク / ネイト
マーク・ウォールバーグ:ヴィクター・サリヴァン / サリー
ソフィア・アリ:クロエ
タティ・ガブリエル:ブラドック
アントニオ・バンデラス:モンカーダ
<映画.com>
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トレジャーハンターのネイサン・ドレイクが伝説の秘宝や古代都市の謎に挑む人気アクションアドベンチャーゲーム「アンチャーテッド」シリーズを、トム・ホランド&マーク・ウォールバーグの共演で実写映画化。ニューヨークでバーテンダーとして働くネイサン・ドレイク(ネイト) は、器用な手さばきを見込まれ、トレジャーハンターのビクター・サリバン(サリー) から、50億ドルの財宝を一緒に探さないかとスカウトされる。ネイトは、消息を絶った兄のことをサリーが知っていたことから、トレジャーハンターになることを決意する。同じく財宝を狙う組織との争奪戦の末に、手がかりとなるゴールドの十字架を手にしたネイトとサリーは、500年前に消えたとされる幻の海賊船へとたどり着くが……。マーベル・シネマティック・ユニバース版『スパイダーマン』シリーズで知られるトム・ホランドがネイト、『トランスフォーマー』シリーズのマーク・ウォールバーグがサリーを演じる。監督は『ヴェノム』「ゾンビランド」のルーベン・フライシャー。
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冒頭、気を失っていたネイサン・ドレイク(ネイト)が気がつくと、そこは空中。飛行機から投げ出された荷物にかろうじて足が絡まり、空中に投げ出されずにいる状態。荷物はベルトで固定されており、襲いくる敵をかわしながらなんとか飛行機に戻る。しかし、その瞬間、搭載されていた自動車が飛び出し、ネイトは一緒に投げ出されてしまう。いったい何が起こったのか。
時は15年前に遡る。10歳のネイトは兄のサムと孤児院で暮らしている。両親がいない兄弟は、海洋冒険家フランシス・ドレイクの末裔として、トレジャーハンターに憧れ、その日も海賊の航海地図を求めて館に忍び込む。しかし、あっけなく警備員に取り押さえられ、常習犯のサムは孤児院から連れて行かれるところとなるが、ネイトに迎えに来ると言い残し逃げて行く。
兄の帰りを待ちながら大人になったネイトは、いつしかニューヨークでバーテンダーとして働いている。器用にバーテンディングを見せながら、裕福そうな女性からこっそりネックレスをくすねるのもお手の物。その日、ネイトの前にサリーという名の男が現れ、「50憶ドルの財宝を一緒に探さないか」と持ちかける。胡散臭い話を断ったネイトだが、くすねたネックレスをいつの間にか奪われており、ネイトはサリーに興味を持つ。
そしてサリーが兄サムのことを知っていたことから、兄との再会を果たすためにサリーに協力することにする。狙うは、500年前に50憶ドルの財宝を積み消えたとされるマゼラン一行の船。それはその昔、兄サムが探し求めていた秘宝。まずは、船の航路が記された地図が眠る場所への鍵となる十字架。2つのうち1つはすでにサリーが持っている。そして、もうひとつはオークションへの出品が決まっている。オークション会場で十字架を奪おうとするネイトとサリー。そこに立ちはだかるのは、やはり海賊船の財宝を狙う財閥モンカーダ。
モンカーダは、ブラドッグと手を組んでいる。このブラドッグが、最後までネイトとサリーの邪魔をすることになる。なんとか十字架を手に入れた2人が向かったのはバルセロナ。そこにもうひとつの十字架を持ったサリーの知り合いのクロエが待っている。サリーもクロエも他人を信用しないというのが信条。隙を見せれば裏切りあう。それでも十字架の使い道を解けていなかったクロエは、ネイトとサリーに渋々協力することにする。ネイトは考古学の知識に長け、謎を解くという点では天才的な能力を見せる。
歴史に埋もれたお宝を謎解きをしながら探すというのは、既視感漂う内容。古くは『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(My Cinema File 236)が代表格だし、ニコラス・ケイジの『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』(My Cinema File 410)もそのものずばりである。ストーリーを作りやすいのかもしれない。そして3人は、ブラドッグの妨害と戦いながら、十字架の謎を解いて十字架が開ける鍵穴を探していく。500年も前の装置が故障もなく作動するのか、とついつい突っ込みを入れたくなるが、それは野暮というもの。3人とともにお宝を求めていく。
冒頭の輸送機でのアクションはその途中のもの。今は映像の技術も凄いから本物の空中でのアクションのように3人とブラドック一味とのバトルが展開される。お金持ちのモンカーダを演じるのは、なんとアントニオ・バンデラス。大物が演じるので、さぞかし手ごわいのかと思いきや、あっさりブラドッグに裏切られて殺されてしまう。ちょっと気の毒。空中でのアクションは、『ミッション・インポッシブル』シリーズを彷彿させられる。この頃、ちょっとしたアクションでは驚きも少ない。
海賊船の航路が示された地図を手に入れ、そして海賊船とそこに積まれたお宝を目指す3人。最後まで飽きさせない展開。トム・ホランドとマーク・ウォールバーグとのコンビはそれだけで観る価値があるから不満は残らないが、どこか新鮮な驚きというものが欠けている。それは「お宝さがし」という使い古されたテーマだからかもしれない。それでも海賊船の空中バトルなど、ストーリーを補うアクションがあるのが救いかもしれない。原作はシリーズもののゲームらしい。今後、続編が作られるのかはからないが、観ても損はなさそうに思う。
シリーズ化を裏付けるように、エンドロールでは謎の人物が登場する。とりあえず、次回もあるなら観てみようか。そう思わされる一作である・・・
評価:★★☆☆☆