
2017年 アメリカ
監督: F・ゲイリー・グレイ
出演:
ビン・ディーゼル:ドム
ドウェイン・ジョンソン:ホブス
ミシェル・ロドリゲス:レティ
タイリース・ギブソン:ローマン
クリス・“リュダクリス”・ブリッジ:ステズ
ナタリー・エマニュエル:ラムジー
エルザ・パタキー:エレナ
ジェイソン・ステイサム:デッカード
カート・ラッセル:ミスター・ノーバディ
スコット・イーストウッド:リトル・ノーバディ
シャーリーズ・セロン:サイファー
クリストファー・ヒビュ:ローズ
ジャンマルコ・サンティアゴ:フェルナンド
ヘレン・ミレン:マグダレーン・ショウ
ルーク・エヴァンズ:オーウェン・ショウ
<シネマトゥデイ>
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世界的なヒットを記録したカーアクション『ワイルド・スピード』シリーズの第8弾。ヴィン・ディーゼルふんする主人公ドミニクの裏切りによって、強固な絆で結ばれていたファミリーが崩壊の危機にひんするさまを描く。ドウェイン・ジョンソン、ミシェル・ロドリゲスといった続投組のほか、オスカー女優のシャーリーズ・セロンとヘレン・ミレン、クリント・イーストウッドの息子スコット・イーストウッドら豪華キャストが新たに参戦。意表を突く波乱の展開に加え、巨大潜水艦まで登場する氷上カーチェイスにも注目。
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最初は、単なる街道レースの話だったはずなのだが、いつの間にかスケールアップし、陰謀蠢く世界のスパイ映画もどきとなってしまっているシリーズの最新作である。
ハバナでバカンスを楽しむドミニクとレティ。ドミニクは友人のために車を賭けたレースをし、アクロバチックな走行で勝利する。まずはご挨拶の肩慣らしといった登場シーンである。そしてある日、ドミニクはサイファーと名乗る女性と出会い、彼女から自分のために働けと告げられる。見せられた写真にドミニクの表情が曇る・・・
一方、娘のサッカーチームの監督をしていたホブスにも外交保安部から、ドイツ・ベルリンの反体制派の武器商人たちによって奪われた電磁パルス砲を取り戻す極秘任務が伝えられる。前作ではベッドの上で終わった「ロック様」であるが、今回は活躍の場が与えられる。ドミニクらファミリーを率いた作戦は成功し、電磁パルス砲を手に入れたが、なんとドミニクがホブスを襲い電磁パルス砲を持ち去ってサイファーのもとへと走ってしまう。
攻撃を受けたホブスは現地警察に身柄を確保され、「兵器強奪の犯人」としてアメリカの刑務所に送られる。収監された房の向かい側にはなんと前作でも対立したデッカードがいる。ミスター・ノーバディの差し金で大混乱となった刑務所。ここは2人のご挨拶の場である。そしてノーバディは今やサイバーテロリストのサイファーと組んでいるドミニクに対抗するべく、デッカードと「ファミリー」を組ませることにする。
ドミニクがサイファーに従わなければならないのは、かつての恋人エレナと、彼女との間に出来た息子を人質に取られていたため。ホブスとデッカードのコンビと「ファミリー」の組み合わせも最強だと思われるが、何と言っても対するのは主人公のドミニク。例によってそれぞれのメンバーが思い思いの車に乗ってドミニクと対峙するも、ドミニク一人に手玉に取られて核兵器の発射コードが収められたケースを奪われてしまう。
こうしてニューヨークからロシアのウラドビンにわたり、2つの勢力がぶつかり合う。みんながそれぞれ高馬力の車に乗っているのは、原点を意識しているのだろうが、一人一台ずつ乗っている様子はやっぱり滑稽である。それにしても、ビン・ディーゼル、ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサムといった単独で主演を張れるアクション・スターが豪華共演しているのはやはり贅沢である(製作費はいくらなんだろうと思ってしまう)。さらに今回は、敵役としてシャーリーズ・セロンが加わるのだからこれ以上の贅沢はないかもしれない。
氷上を疾駆し、潜水艦と対峙。一方でデッカードはオーウェンと共にサイファーの飛行機に侵入し、ドミニクの息子を奪還し、これを守りながら敵を倒していく。コミカルながら、見応えあるアクションが見られる。もともと勧善懲悪のストーリーであり、最後はメデタシメデタシであるのだが、もうそこにはカーアクション映画の要素は薄れてしまっている。そろそろ「ワイルド・スピード」から卒業してもいいような気がする。それとも高級車をずらりと並べて走らせたいという思惑があるのだろうか。
いずれにせよ、途中で中だるみして観なくなっていたシリーズであるが、あらためて観落としている作品を観るのもいいかもしれないと思わせてくれる。まだまだ続くのであろうか。気軽に楽しみたいシリーズである・・・
評価:★★☆☆☆