2016年05月28日

エクスタント

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原題: Extant
2014年 アメリカ
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ 
出演: 
ハル・ベリー: モリー・ウッズ
ゴラン・ヴィシュニック: ジョン・ウッズ
ピアース・ガニォン: イーサン・ウッズ
真田広之: ヒデキ・ヤスモト
マイケル・オニール: アラン・スパークス
グレイス・ガマー: ジュリー・ジェリノー
カムリン・マンハイム: サム・バートン

<映画.com>
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スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務め、映画「チョコレート」で史上初となるアフリカ系女優としてアカデミー主演女優賞に輝いたハル・ベリーが主演を務めるミステリードラマ。日本を代表する国際派俳優となった真田広之、「ER 緊急救命室」のコバッチュ役で知られるG・ビシュニックらが共演し、13ヶ月の宇宙滞在ミッションを終えて地球に帰還した宇宙飛行士モリー・ウッズの不可解な妊娠を発端に、人類の存亡に関わる陰謀に巻き込まれていく姿を描く。
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普段、観ないといけない映画をたくさん抱えているため、海外ドラマについてはなるべく目をつぶるようにしているのであるが、「スティーブン・スピルバーグ総指揮」といううたい文句と、予告映像によって観てしまったドラマである。

主人公はISEA所属の宇宙飛行士のモリー。13ヶ月に及ぶ宇宙ステーション”セラフィム”での単独滞在ミッションを終えて地球に帰還する。待っていたのは夫のジョンとジョンが中心になって開発し、今や我が子として育てている子供型アンドロイド「ヒューマニクス」のイーサン。13ヶ月ぶりの地球の生活。体調がすぐれないのは重力の影響かと思っていたモリーであるが、友人の医師サムから告げられたのは、「妊娠」という事実。13ヶ月間たった一人で宇宙にいたモリーにはあり得ない事実。

しかし、モリーには思い当たることがある。
ある時、セラフィムに異変が起きる。そしてモリーの前に現れたのは、かつての恋人であり、だが事故死したはずのマーカス。あり得ない現象の連続に、地球に帰還したモリーは真実を調べ始める。一方、そんなモリーの前に、やはり自殺したはずの宇宙飛行士クライガーが表れ、「誰も信じるな」と警告する。

ヤスモト・コーポレーションの代表ヤスモトは、ジョンの研究に出資することにし、ジョンをヤスモトタワーの研究室に招く。ジョンの部下でともにヒューマニクスの開発に携わっているジュリーには、オーディンが偶然を装って近づく。モリーの動きに上司のアランは、ヤスモトの指示を受け密かに動き始める・・・

舞台は近未来の地球で、テクノロジーが進歩し、ヒューマニクスは人間と見分けがつかない出来栄え。開発に携わるジュリーも両足が義足であるが、外見上それとわからない。こういう時代がくれば、パラリンピックも過去のものとなるに違いない。車の自動運転も一般化し、夢の未来社会も実はもうすぐそこに来ている感がある。

ドラマのいいところは、映画と違って時間の制約が緩いところだ。いろいろなエピソードを交えて丁寧に物語が進んでいく。毎回毎回、次はどうなるのかと興味をかき立てられるエンディングで、だから最後まで観てしまったと言えるが、たった一人で宇宙にいたのに妊娠してしまうというストーリー展開は否が応でも惹きつけられる。

いつの間にかストーリーに引き込まれ、全話観てしまった。真田広之も出演していて、主役も『X-MEN』シリーズでお馴染みのハル・ベリーだし、素直に面白いドラマであった。そしてどうやらシーズン2があるようである。ただ、このシーズンで完結感が強いだけにどうなるのだろうという気がしないでもない。観るかどうかはその時の気分次第かもしれない。

たまにはこういうテレビドラマもいいなと思わされるシーズン1である・・・


評価:★★☆☆☆




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2014年07月17日

ヒンデンブルグ第三帝国の陰謀

ヒンデンブルグ第三帝国の陰謀.jpg

原題: Hindenburg
2011年 ドイツ
監督: フィリップ・カデルバッハ
出演: 
マキシミリアン・ジモニシェック:マーテン・クルーガー− ツェッペリン社設計技師。
ローレン・リー・スミス:ジェニファー・ヴァンザント - 米国の石油会社の社長令嬢。
ステイシー・キーチ:エドワード・ヴァンザント - ジェニファーの父。米国の石油会社社長。
グレタ・スカッキ:ヘレン・ヴァンザント - ジェニファーの母。
ヒンネルク・シェーネマン:アルフレート・ザウター - マーテンの幼なじみ。ヒンデンブルク号乗員。
ユストゥス・フォン・ドナーニー:カウフマン - ビジネスマン。

<映画.com>
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1937年5月6日に起こった巨大飛行船ヒンデンブルグ号爆発事故を、ドイツ人の飛行船設計技師とアメリカ人実業家の娘の恋物語とともに描くスペクタクル大作。
1937年、ふとしたきっかけで恋に落ちたドイツの巨大飛行船ヒンデンブルグ号の設計技師マーテンと、アメリカ人実業家の娘ジェニファー。
2人は、ジェニファーの父親が病に倒れたとの報せを受け、ヒンデンブルグ号でドイツからアメリカに向かうことになる。
しかし、飛行船に爆弾が仕かけられているとの情報を得たマーテンは、ジェニファーの乗船を阻もうとするが……。
着陸寸前に火災が発生し、97人の乗員乗客のうち35人が死亡。
地上作業員も1人が死亡するという大惨事に発展した事故の隠された真実を描き出していく。
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ヒンデンブルグと言えば、1937年に爆発事故を起こしたドイツの飛行船。
その歴史的事件を背景に、架空のストーリーをはめ込んだドラマである。

同じ20世紀初頭の大事故タイタニック号の沈没もフィクションを組み込んだ映画が作られているが、この手のものは、結末がわかっているという特徴があり、そこにどういうストーリーを結びつけるかが鍵となる。
この手の映画は、ほかにも『ボビー』『光州5・18』などを観たが、いろいろと応用は出来そうであるから、これからも様々出てくるのかもしれない。

主人公は、飛行船ヒンデンブルグ号を運行するツェッペリン社の設計技師マーティン・クルーガー。
グライダーによる飛行中、誤って湖に墜落してしまう。
溺れかかったところをたまたま近くにいた女性ジェニファーに助けられる。
「残り30秒でしくじっただけ」と言い訳するマーティンに、「その30秒が最も大事だ」と返すジェニファー。
その後の“事件”を暗示させる出会いである。

二人はその夜、アメリカ領事館で開催されたパーティで再開する。
ジェニフアーはアメリカのヴァンザント社の社長令嬢であり、ヴァンザント社はアメリカ政府によるドイツへのヘリウム輸出禁止解禁を目指していた。
当時ツェッペリン社は爆発しやすい水素を飛行船に使用しており、より可燃性の低いヘリウムの需要が双方を結びつけていたのである。

そのヴァンザント社長が発作を起こしたというニュースが伝わり、ジェニファーは急きょ母とヒンデンブルグ号で帰国する事になる。
それを知ったヴァンザント社長はなぜか慌てて二人に下船する様に伝言を託す。
伝言を託されたマーティンは、それを伝えに行く途中、ジェニファーの婚約者フリッツに襲われる。
身を守ったマーティンだが、フリッツはアクシデントで死んでしまう。
フリッツは、最後に「爆弾」という言葉を残し、マーティンはヒンデンブルグ号に乗り込む・・・

ヒーローとヒロインが登場し、主役のヒンデンブルグ号が出発する。
爆破計画を出し、それを阻止すべくヒーローとヒロインが活躍するというストーリーとなるが、結末がわかっていても、そこに至る道にはハラハラ・ドキドキが仕込まれているというわけである。
クライマックスのヒンデンブルグ号炎上シーンは、迫力もあって、何度かみた事がる当時のニュース映像の記憶と相俟って、臨場感は十分であった。

もとのTVドラマは180分だったようであるが、それを110分に削っているとのこと。
ストーリーの詳細がちょっとわかりにくかったのは、ひょっとしたらそのあたりに原因があるのかもしれない。
それもあってか、全体的には“普通レベル”の域を出られない映画であった・・・


評価:★★☆☆☆



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2012年04月14日

誘拐交渉人

誘拐交渉人.jpg

原題: KIDNAP AND RANSOM
2011年 イギリス
監督: アンディ・ウィルソン
出演: トレヴァー・イヴ/ジョン・ハナー/エマ・フィールディング/ヘレン・バクセンデイル/ナターシャ・リトル

<STORY>********************************************************************************************************
ベテランの誘拐交渉人ドミニクは、人質が命を落とすという初めての事態に遭遇して動揺する一方、自分の家族がバラバラになり始めていることに気づく。
そして新たに南アフリカで植物学者ナオミの誘拐事件が発生し、誘拐犯との交渉にあたることに。
 相手がプロの誘拐犯ではないと分かったドミニクは、200万ドルの要求を10万ドルに減額させる。
そして引き渡しの場となる南アフリカに飛ぶが、突如現れた謎の男たちに誘拐犯の1人が殺され、ナオミともう1人の誘拐犯が連れ去られる・・・
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誘拐交渉人とは、被害者の家族に代わって誘拐犯と交渉し、被害者を無事解放させる交渉人の事で、犯人逮捕は目的としていない。
このドラマは、企業に対し従業員等の誘拐被害に対応するセキュリティ会社のベテラン交渉人を主人公としている。

誘拐交渉人を主人公としている映画としては、「プルーフ・オブ・ライフ」があった。
華麗なる活躍で犯人一味を一網打尽にするという事はないが、交渉だけで被害者を救出する醍醐味を味わわせてくれる。
一方同じ交渉人とは言いながら、「交渉人TheMovieタイムリミット高度10,000mの頭脳戦」は、何か勘違いした交渉人自身のアクション映画で、面白くもなんともなかった。
この映画は、「プルーフ・オブ・ライフ」と同じ正統派交渉人を扱っている。

日本の大企業などもそうなのかもしれないが、海外へ社員を派遣する会社は誘拐保険に加入していて、万が一の時はこの保険金によって身代金を払う。
誘拐交渉人は、犯人逮捕を目的とはしないといいつつも、この身代金の金額をいかに下げるかを問われている。
なるべく安い金額で被害者を救出するのがミッションなのである。

犯人側もそうした事情を心得ていて、「保険金の上限を払え」などという要求を出してくる。
発展途上国の貧しい人たちにとって、誘拐はビジネス。
必要は発明の母というが、誘拐保険も誘拐交渉も何とも言えぬビジネスだ。

ストーリーは、当然ながら誘拐事件を中心に進む事になる。
被害者は、製薬工場を作るために南アフリカに派遣された植物学者でもあるナオミ。
金にならない黒人運転手はその場で射殺される。
フィクションとはいえ、現実もそうだろうと思うし、なんとも言えないドライなシーンだ。

感心するのはセキュリティ会社のネットワーク技術。
被害者宅にかかってきた電話を、本社経由で交渉人ドミニクの携帯へと転送する。
スタッフが常時待機し、交渉内容も確認する。
ドミニクもベッドに入っていようが、犯人からの電話が24時間かかってくるわけで、これはこれで大変だ。

冒頭の事件で被害者を救済できなかったドミニク。
何よりも被害者の事を第一に考えて行動する。
一方で彼のパートナーは、時として会社の利益を優先し、ドミニクと意見を対立させる。
家庭では娘との関係に悩むドミニク。
縦糸と横糸を縦横に張り巡らせてドラマは進む。
なかなか楽しめたイギリス発のテレビドラマである。


評価:★★☆☆☆
   
    
posted by HH at 22:29 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | TVドラマ

2011年07月09日

【コヨーテ、海へ】My Cinema File 727

コヨーテ海へ.jpg

2010年 日本
監督: 堤 幸彦
出演: 林 遣都/長渕文音/飯塚清秀マルコス/遠藤憲一/佐野史郎

<STORY>********************************************************************************************************
ブラジル、ポルトアレグレの空港に降り立つ中年男「北村」。
声をかけてきたガイド「カルロス」と観光地でも何でもない大西洋に突き出す突堤へと向かう。
謎の失踪をした父の秘密を探るためニューヨークに降り立つ青年「ハル」。
最初に訪れた教会で出会った魅力的なダンサー「デイジー」とマンハッタンを巡る旅が始まる。
ニューヨーク、ブラジル。
真冬の摩天楼と真夏の大西洋。
この2つの錯綜する物語は、どこに行き着くのか・・・。
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WOWOW制作のスペシャル・ドラマである。
なにやらハードボイルド風のタイトルなので、すっかりそんなドラマだと思いこんでいたのだが、実際はハードボイルとはまったく縁もゆかりもないドラマであった。

冒頭で登場するのが佐野史郎。
機内から見える空が幻想的。
到着したのはブラジル。
日系3世の地元ガイド・カルロスに声をかけられ、地図のある一点を指し示す。
そして北村と自らを名乗る。

一方、突然の雪景色。
舞台はニューヨークに移る。
一枚のセピア色の写真片手に、ある寂れた教会を捜しあてた一人の青年。
教会の中で踊る女性と知り合い、北村と名乗る。
どうやら親子らしい。

なぜ親子で赤道をはさんで南と北にわかれて旅するのか。
それは次第に判明していく。
父が訪れた1985年末のニューヨーク。
その旅を追体験する息子。
その旅は、ビートを求めて旅した父の足跡を辿るものだった。

「ビート」と言われてもピンとこない。
ウッドストック音楽祭と言われれば、それなりに聞いた事はあるが、その程度。
24歳なのに目茶苦茶当時のビート事情に詳しいコロンビア大学の学生デイジー。
ボブ・ディランを始めとして、当時の音楽・文化辿る旅は、その時代を知っている者からすれば、たぶん懐かしくてぐっとくるのだろう。
だが、そうでない世代からすると、まったくヒットしない。

ブラジルへ渡った父の旅も、かつての旅の延長なのであるが、そんなストーリーに沿った物語よりも、ブラジルの田舎のロードムービーとしての面白さがある。
むしろその方がわかりやすい。
佐野元春の思い入れが強いドラマらしいが、「わかる人にはわかる」という程度の独りよがりの内容だ。
自己満足のために作ったのだろう。

ドラマのコンセプトにはまったく共感できないが、北村父のブラジル旅行記としての面白さはある。
そんなドラマと言えよう。
BGMはどうやら佐野元春オンパレードだったようだが、聞かない立場からすると知っている曲はまったくなく、その点でも共感度ゼロだった。

他の映画を観た方が時間を有意義に使えたと思えた映画である・・・


評価:★☆☆☆☆

      
posted by HH at 23:51 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | TVドラマ

2011年04月05日

【死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実】My Cinema File 684

ジャックケヴォーキアン.jpg

原題: You don’t know Jack
2010年 アメリカ
監督: バリー・レヴィンソン
出演: アル・パチーノ/スーザン・サランドン/ジョン・グッドマン

<STORY>********************************************************************************************************
 医師ジャック・ケヴォーキアンは1980年代、病状が末期を迎えた患者たちを苦痛から救うべく、彼らの自殺幇助に関わり始める。
その数、130人以上。
そのせいで“死の医師(ドクター・デス)”なる異名で呼ばれ、全米のマスコミからも注目を集めたケヴォーキアンだが、ついに逮捕されてしまう。
全米が安楽死の賛成派と反対派で二分され、両者が激しく議論を戦わせる中、彼に下った審判とは……
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主人公のジャック・ケヴォーキアンは医師でありながら、苦しみながら死んだ母親
に何もできなかった事を悔いている。
同じように末期の症状で苦しみながら死を待つだけの人たちに対し、尊厳ある死を提供しようと決意する。
そして自ら考案した機械を使い、患者が自ら安楽死できるようにする。

ジャックのこの行為は全米で話題となり、依頼者も増えていく。
検察側もジャックを告訴するも、自殺ほう助ではすべて無罪判決となり追及を諦める。
ジャックは自分の活動を法制化しようとする。
その結果として、それまでのほう助から一歩進み、自分では動けない患者に対し、致死薬を注射するという行為に出て、さらにそれをマスコミを通じて公表する。
検察側は、その挑戦に対し威信をかけて今度は殺人罪で告訴する・・・

安楽死という問題は議論を呼ぶところだ。
自殺を禁止するキリスト教世界においては尚更であろう。
自ら命を断つ行為が認められないのは当然の事だろうが、それが余命いくばくもない者であっても、苦しむまま生きなければいけない事を意味するのかは難しいところだ。
事実、ジャックは遺族から感謝されこそすれ、非難はされていない。

一方で検察側の主張もわからなくはない。
何といっても人が死ぬ事を助ける行為だ。
個々の事情によってはやむを得ないとされたとしても、公に認めるわけにはいかないのだろう。
ましてや、直接手を下す事が認められれば、安楽死に名を借りた殺人も起こりうるかもしれない。

ドラマはドラマではあるものの、このドラマの突きつける命題は深いものがある。
その深いドラマを演じるのはアル・パチーノ。
ジャック・ケヴォーキアン自身が高齢であるためだろうが、白髪頭ですっかりおじいさんになって登場。
しかしながらその少しかすれた声と迫力は相変わらずである。
自らの信念を貫いたケヴォーキアン医師の実際の姿を見るようである。

本作品は劇場公開の映画ではなく、テレビドラマらしい。
しかしながらアル・パチーノ主演で、スーザン・サランドン共演、監督はバリー・レヴィンソンとくれば見応え充分なのも頷けるというもの。
映画もドラマも観る上ではなんら違いはない。
HBOもよく知らないが、ドラマではよく聞くテレビ局だ。
「ザ・パシフィック」もそうであった。
日本でもWOWOWが独自にドラマ作りをやっているが、こうしたドラマが今後も作られる事は良い事だ。
期待したいと思う・・・


評価:★★☆☆☆


  
posted by HH at 22:21 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | TVドラマ