
原題: Ditto
2022年 韓国
監督: ソ・ウニョン
出演:
ヨ・ジング:ヨン
チョ・イヒョン:ムニ
キム・ヘユン:ハンソル
ナ・イヌ:ヨンジ
ペ・イニョク:ウンソン
<シネマトゥデイ>
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ユ・ジテとキム・ハヌル共演の『リメンバー・ミー』を原作に、時代と人物設定を新たに描くラブストーリー。1999年と2022年という異なる時代で同じ大学に通う大学生の男女が、古い無線機を通じて交信するうちに心を通わせていく。監督などを手掛けるのは『告白』などのソ・ウニョン。『ファイ 悪魔に育てられた少年』などのヨ・ジング、ドラマ「トキメク☆君との未来図」などのチョ・イヒョンのほか、キム・ヘユン、ナ・イヌ、ペ・インヒョクらがキャストに名を連ねる。
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物語は1999年から始まる。韓国大学機械工学科に通う3年生のヨンは、新入生で主席入学のハンソルがガイダンスにも参加していないので探してくれと助教授に頼まれる。ヨンはさっそくハンソルに連絡する。学生会館の前で待ち合わせしたヨンは、機械工学科に入学した女子学生のハンソルに初めて会い、ドキドキしながらも学校を案内し、サークルを回ったりする。当時、IMF危機の影響で就職氷河期と言われており、ハンソルは歓迎の飲み会の席で酔った先輩から工学部に入るなんてどうかしていると絡まれる。就職が難しい先輩たちのイラつきがそこに漂っている。
ハンソルはそんな先輩に怯むことなく、工学部を選んだのは自分の父親が大企業の影響で倒産に追い込まれてしまったことから、大企業に入って父のような中小企業を支援したいと思ったからだと言い返す。自分の夢を持ち堂々と意見を言うハンソルにヨンは惹かれていく。ハンソルに「先輩の夢は?」と聞かれ、ヨンは思わず「君の唇にキスをしたい」と言ってしまい、猛烈に後悔する。ヨンは随分純情である。そんなヨンの親友はウンソン。バスケ部のエースであるが、今は怪我をして休んでいる。
学校を案内している時、意外にもハンソルはHAM(アマチュア無線機)に興味があると語る。たまたまウンソンが無線機を持っているのを知っていたため、ヨンはウンソンから無線機を借りる。その夜、その無線機から声が聞こえてくる。ヨンが応答すると、相手は同じ韓国大学の女子学生で、ムニと名乗る。そして成り行きから2人は翌日学生会館の前で会うことを約束する。しかし、約束の日、ヨンが待てど暮らせどムニは現れない。会ったこともないのに2時間近くも待つのは、相手が女性だからだろう。
その日の夜、互いに無線機で連絡を取り合った2人は、それぞれ2時間も待っていたと言い、話がかみ合わない。しかも、ムニは雨の中を待っていたと言うが、その日雨は降っていない。このあたりでだんだんと様子がわかってくる。それぞれ入学年次を答えるが、ヨンは1999年と答え、ムニは2021年と答える。ムニは随分長く在籍しているのだと思うが、実は2人は時間を超えて無線機で交信していたのである。そうとは気づかず、ヨンはハンソルへの思いをムニに打ち明けたことで会ったこともない2人は仲を深めていく・・・
2人の男女が時を超えてやり取りをするというストーリーはこれまでにもあった。『イルマーレ』(My Cinema File 177)では、それは不思議な郵便ボックスで2人は時空を超えて手紙をやり取りした。『きみにしか聞こえない』(My Cinema File 1269)では、おもちゃの携帯であった。ここでは同じ無線機が時空を超えて2人を結びつける。そんな無線機があれば、と想像の範囲は広がっていく。しかも同じ無線機という事で、2人の間には遠からぬ関係があることがわかってくる。そしてその事実を知ってヨンは己の未来に愕然とする。
こういうドラマはあまり細部に突っ込みを入れるのは野暮というもの。それはそれとして映画の世界に没頭したい。時空を超えて交流すると、時に未来の情報がわかることがある。ヨンもそうして自分の未来を知ってしまう。それは知りたくない未来。自分だったらどうするだろうと考えてしまう。誰もが自分の未来は明るいと思いたいが、そうでなかったら。ここでもタイムパラドックスに該当する事が起こる。細かく考えると物語の面白味は失せてしまう。未来を知ったヨンはとある行動に出る。でもそれが正しかったのか。
観終わって自分なりに想像してしまう。物語の続きとヨンが別の行動を取っていたらと。いろいろと想像の翼を広げさせてくれる映画である・・・
評価:★★☆☆☆






