2025年10月18日

【ハボック】My Cinema File 3077

ハボック.jpg

原題: Havoc
2025年 イギリス・アメリカ
監督: ギャレス・エバンス
出演: 
トム・ハーディ:パトリック・ウォーカー
フォレスト・ウィテカー:ローレンス・ボーモント
ジャスティン・コーンウェル:チャーリー・ボーモント
クエリン・セプルヴェダ:ミア
ゼリア・メンデス=ジョーンズ:ジョニー
ジム・シーザー:ウェス
ルイス・ガスマン:ラウル・バスケス
ティモシー・オリファント:ヴィンセント

<映画.com>
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『ヴェノム』 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のトム・ハーディが主演を務めるサスペンスアクション。人生に疲れ果てた刑事が、裏社会に支配されかけた街で、ある政治家の息子を救出するため壮絶な戦いを繰り広げる。
心に傷を抱えながらも、街を牛耳ろうとする裏社会と闘っている刑事ウォーカー。ある日、一件の麻薬取引が失敗したことをきっかけに、報復を企む犯罪組織、汚職政治家、さらには警察内部の裏切り者からも命を狙われることになる。混迷する状況の中、ウォーカーは絶縁状態にある政治家の息子を救い出そうと奔走。やがて街を覆う汚職と陰謀の深い闇を暴いていき、その過程で自らの過去とも向き合うことになる。
共演はテレビシリーズ「JUSTIFIED 俺の正義」のティモシー・オリファント、『ラストキング・オブ・スコットランド』のアカデミー賞俳優フォレスト・ウィテカー。監督は『ザ・レイド』のギャレス・エバンス。Netflixで2025年4月25日から配信。
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物語は、クリスマスの夜、マスクを被った男たち4人が麻薬を積載したトラックを強奪して逃走するところから始まる。パトカーの一団が後を追うも大型トラックでもあり止められない。激しいカーチェイスの末、トラックの荷台にいた男は、積んでいた洗濯機を追走するパトカーに投げつける。パトカーは大破し、運転していた刑事のコルテスは意識不明の重傷を負う。強奪犯たちは逃げおおせ、トラックに載せていた麻薬を強奪の依頼主であるマフィアのツィとチンの元に届ける。ところが、直後に謎の集団がその場を襲撃し、ツィもその場で射殺される。

現場を担当することになったのは、主人公である殺人課の刑事ウォーカー。防犯カメラの映像からその場に町の有力者であるローレンス・ボーモントの息子チャーリーがいたことを確認する。ウォーカーは、かねてよりローレンスから裏で汚い仕事を請け負っていたが、家族のために裏社会との決別する決意をする。一方、ローレンスは市長選に立候補している大事な時期。ウォーカーはローレンスに決別を宣言するが、最後の仕事としてチャーリーを保護して連れ帰ることを約束させられる。

その頃、チャーリーは恋人のミアとともに海外逃亡を企て、ミアの叔父であるラウルにパスポートの偽造を依頼する。ウォーカーは相棒のエリーとは別に独自の情報網より捜査を進めていくが、容疑者がチャーリーであることが周囲に露呈したこととそれを知っていながら報告していなかったことを問題視され、上司よりエリーとのコンビ解消と捜査から外れるように命令を受けてしまう。それでもウォーカーはエリーに懇願し、ラウルの情報を入手して独自に行動を続ける。

一方、息子であるツィを殺された中国マフィア「三合会」を率いるフォンは、自ら報復のために部下を引き連れてチンの元にやってくる。フォンは部下たちに車でローレンスを白昼堂々襲撃させ、拉致する。ウォーカーは目論見通りクラブにやってきたミアと接触し保護しようとするが、そこにチャーリーを追う麻薬課のヴィンセント、ジェイク、ヘイズの3人が現れ、更に中国マフィアが多数やってくる。そして始まる三つ巴の激しい銃撃戦。多数の死者が出るが、ウォーカーはチャーリーとミアを連れて何とか逃げ伸びる・・・

主役のウォーカーを演じるのはトム・ハーディ。最近は、アクション俳優としての立場が確立しつつあるように思う。されどドラマ的な役柄でも数多く出演しているし、アクション一辺倒というわけではない。本作では市長を狙うローレンスに金をもらう形で裏の仕事を様々にこなしてきた男が、そこから足を洗うにあたり、最後に頼まれた仕事をする姿が描かれる。決して清廉潔白なヒーローではない。ローレンスも影で暗躍しているが、妻を亡くした際の行動で息子のチャーリーに恨まれている。

中国マフィアが絡み、汚職警官が加わり、欲望と暴力が交じり合う中で、ウォーカーはうまく生き残って足を洗えるのか。銃撃戦はなかなかの迫力。後に残ったのは虚しさだけかもしれない。そんな大混戦の中で最後まで生き残った1人がウォーカーの相棒のエリー。脇役であまり目立たないが、実は密かにタフな女性警官で、その存在感が最後に光っていた。終わってみれば正義がどこにもない。生き残った者にも虚しさだけしか残らない。重い空気を最後まで漂わせる映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年10月17日

【恋は雨上がりのように】My Cinema File 3076

恋は雨上がりのように.jpg
 
2018年 日本
監督: 永井聡
原作: 眉月じゅん
出演: 
小松菜奈:橘あきら
大泉洋:近藤正己
清野菜名:喜屋武はるか
磯村勇斗:加瀬亮介
葉山奨之:吉澤タカシ
松本穂香:西田ユイ
山本舞香:倉田みずき
濱田マリ:久保
戸次重幸:九条ちひろ
吉田羊:橘ともよ

<映画.com>
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冴えないファミレス店長に片思いした女子高生の恋の行方を描き、テレビアニメ化もされた眉月じゅん原作の同名コミックを、『渇き。』の小松菜奈と『アイアムアヒーロー』の大泉洋共演で実写映画化。怪我で陸上の夢を絶たれた高校2年生の橘あきらは、偶然入ったファミレスの店長・近藤正己の優しさに触れたことをきっかけに、その店でアルバイトをはじめる。45歳の近藤はあきらより28歳も年上で子持ちのバツイチだったが、あきらは密かに近藤への恋心を募らせていく。ついに思いを抑えきれなくなったあきらは告白するが、近藤は彼女の真っ直ぐな気持ちを受け止めることができず……。「帝一の國」『世界から猫が消えたなら』の永井聡が監督を務める。
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主人公は17歳の高校生橘あきら。ファミリーレストラン・ガーデンでアルバイトをしている。美人なのだが目つきが悪く、周りには冷たい印象を与えている。あきらが働いているガーデンでは、近藤正己が店長をしているが、45歳のバツイチで子持ちであり、客にペコペコと謝る姿をバイト仲間は冷ややかに見ている。しかし、あきらだけは近藤を違う視線で見ている。あきらは、高校の陸上部のホープだったが、アキレス腱を断裂し、競技生活を諦めていた。しかし、その根底には諦めきれない思いを抱えている。

そんなある日、客が携帯を忘れていく。慌てて店員が呼び止めるも、相手は自転車であり追いかけるのを諦めてしまう。しかし、そこであきらは携帯を受け取ると猛然と駆け出し、自転車の客に追いつく。どうやらアキレス腱断裂からは回復しているようであるが、いきなり走ったせいかあきらは足に激痛が走り、倒れこんでしまう。あきらを病院に運び込んだ近藤は、そこであきらの怪我を知る。後日、近藤は見舞いを兼ねてあきらを訪ねてくる。2人でファミレスに入るが、そこであきらは思い切って近藤に好きですと告白する。

近藤とあきらには28歳の年の差がある。近藤はその告白が恋愛感情だとは思わず、ありがとうと返事をする。そこで近藤は簡単な手品を披露するが、実はあきらが近藤を好きになったのもその手品が関係している。アキレス腱を断絶し、治療中の病院の帰りにたまたまガーデンに立ち寄ったあきらは、そこで近藤に親切にされ、そのさりげない優しさに癒されて以来、近藤に惹かれるようになったのである。そういうことが現実にあるのかと思うも、これはそういうドラマなのである。そういうこともおそらくあるのだろうと思いたい。

突然28歳年下の女性に告白されたらどうするだろう。良識ある大人であれば鼻の下を伸ばしてすぐに飛びつくことはしないだろう。近藤も善人であり、大人の対応に終始する。一方のあきらは、今もなお陸上部には未練があるようで、部活を見学に行き親友のはるかや後輩たちと顔を合わす。しかし、自分が断念した世界で日々成長している仲間の姿を見て、あきらは複雑な気持ちになる。そしてその思いはそのままストレートに近藤に向かう。物語は28歳差という年齢差を抱えたあきらの思いが中心になる。

実際、自分だったらどうするだろうと映画を観ながら妄想してしまう。そんな事態になったとしたら、ウキウキというより戸惑ってしまうのかもしれない。同じ28歳差でも相手の年齢の影響も大きい。30代以上であればまだしも、高校生となれば何もできないだろう。そう思うと近藤の言動はよく理解できる。それでもあきらに押されてデートの約束をしなくてはならなくなるが、そこまでだろうと思う。戸惑いと喜びとがないまぜになって、最後まで大人の態度を取る近藤。

途中、その気持ちがガーデンの同僚・加瀬にバレてしまい、内緒にしてもらう代わりにデートしなければならなくなる。仕方なくデートに行くが、あきらは普段着であり、終始不機嫌な顔。されど近藤とのデートでは綺麗に着飾り、加瀬と同じ映画を観ながら楽し気に過ごす。その乙女心がいじらしい。そして近藤はあきらに近藤が行きたいところに連れて行ってほしいとお願いされると、図書館に連れて行かれる。そこであきらは近藤が本好きで、学生の頃から小説を書いていることを知る・・・

女子高生の恋愛ドラマにはあまり反応しなくなっているが、この映画には「夢」があり観ていて心地良い。小説家と陸上競技のそれぞれの夢を諦めきれない2人が接近する。されどやはり中年男にとって女子高生は(良識ある者にとっては)ハードルが高い。一方でアキレス腱断裂という怪我は決して再起不能というわけではない。しかし、互いに接近したことにより諦めかけていたものに向かうことになる。そんな2人の姿は観ていて心地良い。

現実的にどうかというよりも、一時妄想に浸ってみることができるというのがいいだろう。まさに雨上がりのように清々しい恋愛ドラマである・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年10月15日

【評決のとき】My Cinema File 3075

評決のとき.jpg

原題: A Time to Kill
1996年 アメリカ
監督: ジョエル・シュマッカー
原作: ジョン・グリシャム
出演: 
マシュー・マコノヒー:ジェイク・タイラー・ブリガンス
サンドラ・ブロック:エレン・ロアーク
サミュエル・L・ジャクソン:カール・リー・ヘイリー
ケヴィン・スペイシー:ルーファス・バックリー
ドナルド・サザーランド:ルシアン・ウィルバンクス
オリヴァー・プラット:ハリー・レックス・ボナー

<映画.com>
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人種差別問題が絡んだ事件の裁判を通して、正義と真実の問題に取り組む人々の姿を描いたサスペンス・タッチのヒューマン・ドラマの感動作。「ペリカン文書」「依頼人」などのベストセラー作家、ジョン・グリシャムが新米弁護士時代の体験に基づく処女小説(邦訳・新潮文庫)を、自ら製作も兼ねて映画化。これまでのグリシャム映画と同様、法廷サスペンスのスタイルを取りながらも、重いテーマをエンターテインメントと両立させる手腕が見事。監督には原作者自身に指名によって「依頼人」のジョエル・シュマッカーが再登板し、脚本も同作のアキヴァ・ゴールズマン。製作は『ヒート』のアーノン・ミルチャン、「依頼人」のマイケル・ネイサンソン、グリシャムの共同。撮影は「ダイ・ハード3」のピーター・メンジーズ・ジュニア、音楽は「バットマン・フォーエヴァー」のエリオット・ゴールデンサル、美術は「フォーリング・ダウン」のラリー・フルトン、編集は「ザ・ファーム 法律事務所」のウィリアム・スタインカンプ、衣裳は「依頼人」のイングリット・フェリン。主演には「ボーイズ・オン・ザ・サイド」の新星マシュー・マコノヒーが大抜擢され、「ダイ・ハード3」のサミュエル・L・ジャクソン、「恋する泥棒」のサンドラ・ブロック、『ユージュアル・サスペクツ』「セブン」のケヴィン・スペイシー、「アウトブレイク」のドナルド・サザーランド、「三銃士(1993)」のキーファー・サザーランドとオリヴァー・プラット、『ヒート』のアシュレイ・ジャッドら多彩な顔ぶれも見もの。
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ジョン・グリシャムの原作も読んでいるが、この映画もかつて観ている。原作も映画も印象深いものであり、時を経て再度の鑑賞に至るもの。物語はミシシッピ州のクラントンで始まる。ガラの悪い2人の白人がビールを飲みながら車で移動している。一方、貧しい村の商店で買い物を終えた少女トーニャは歩いて家に帰るところである。そこに白人2人組の車が通りかかる。男たちは車を止めるとトーニャに襲い掛かる。南部といえばいまだ人種差別が根強く、また白人といえどもみなが裕福なわけではない。白人の2人はおそらく学があるわけでもなく、失業中でもあったのだろう。

2人組にレイプされ、激しい暴行を受けたトーニャは病院に運び込まれる。知らせを受けた父親のカール・リーは、そこで変わり果てた姿になったトーニャと対面し、激しいショックを受ける。トーニャは一命を取り留めたものの、医師の診断では将来子供を産めない体になってしまったとのこと。やがて犯人の2人組はすぐに逮捕される。カールは以前兄の弁護をしたことのあるジェイクの元へ足を運び、2人の量刑に関して話を聞く。しかし、ジェイクによれば人種差別が根強いこの地域では犯人の2人は無罪になる可能性があると聞かされる。

カールはその後、ジェイクに犯人殺害をほのめかす電話をする。ジェイクはカールを止めるも、心情がわかるだけに複雑である。そしていよいよ裁判開始の日、警察官ルーニーに連れられて犯人の白人2人が裁判所にやってくる。隠れて密かに機を伺っていたカールは、2人に向けて発砲し、これを殺害する。その際、ルーニーも流れ弾に当たって右足を負傷し、後に切断する羽目になる。カールは即刻逮捕され、殺人罪と傷害罪で起訴される。そしてカールはジェイクに弁護を依頼する。

ジェイクは成り行き上、弁護を引き受けるが、荷の重い弁護であり、恩師のルシアンを訪ねて相談する。人種差別が根強いクラントンでの裁判では陪審員に占める白人の割合が高くなることが予想され、極刑の可能性が高い。そこで裁判初日にすぐさま裁判所の変更を裁判長に申し入れるも却下されてしまう。情勢はますます不利になるが、その時、ジェイクは裁判地変更が許可された判例の資料を受け取る。書類をまとめて渡したのは法学生のエレン。エレンは死刑制度に反対であり、父親は有名な弁護士。エレンはジェイクに裁判の手伝いを申し入れ、ジェイクはこれを受け入れる。

こうして始まったカールの裁判。予想通り陪審員は白人が多数を占め、圧倒的に不利。しかもジェイクは貧乏弁護士。助手は法学生のエレンのみという陣営。一方、ルーファス検事は極刑を求める立場で強気である。また、射殺された犯人の1人の弟であるフレディは、黒人であるカールを恨みKKKに近づく。そして、なんとフレディはクラントンでのKKK支部長を任され、ジェイクやエレンに嫌がらせを始める。それはジェイクの元で働いていた女性エセルの家族にも及び、ジェイクの家は放火されるに至る。

ジェイクは貧乏弁護士で、重大な裁判の弁護を引き受けるが、カールも黒人労働者であり金など持っていない。経費の支払いにも事欠くジェイクは、困難な裁判に勝ってもとても報酬は期待できない。さらに人種差別が根強い地域では初めからカールを有罪と決めてかかる陪審員もいる。家族を避難させたとは言え、身の危険もある裁判に臨むジェイク。そんな裁判が物語の主軸になる。日本人は基本的に判官びいきのところがあり、圧倒的に不利なジェイクに肩入れして観てしまう。

対峙するルーファス検事だが、人種差別意識は表面上は見せないが、純粋に検事としては腕がいいのだろう、ジェイクを追い込んでいく。ジェイクの味方は、法学生のエレンと恩師と同僚、そして黒人教会を中心としたカールの住んでいる地域の黒人たちだけ。裁判の展開は息詰まるもの。ルーファス検事の追及も厳しく、裁判はジェイクたちに不利なまま最終弁論を迎える。アメリカの陪審員裁判はあくまでも陪審員が有罪か無罪かを決める。そこが映画的にも面白さがある。すなわち、最終弁論でひっくり返すことも可能なのである。

クライマックスもしたがって最終弁論となる。不利な展開の裁判。陪審員も多くが有罪に傾いている中、ジェイクは最終弁論の弁舌にすべてをかける。それは陪審員1人1人の心に訴えかけるもの。観ている方もいつの間にかジェイクの弁論に引き込まれていく。見方を変えれば同じものでも違う姿に見えてくる。それは確かにその通りであるが、得てして人はそれに気が付かない。ラストでカールの娘トーニャとジェイクの娘が一緒に遊ぶ。それはクライマックスでまさにジェイクが語ったこと。

すべてを賭けてカールの弁護にあたったジェイク。その信念と行動に心を打たれる。再鑑賞だが面白さは色褪せない。原作の再読もしてみたいと思う。まさに「観て良し、読んで良し」の一作である・・・


評価:★★★☆☆








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2025年10月12日

【アンダーニンジャ】My Cinema File 3074

ダーケスト・マインド.jpg
 
2025年 日本
監督: 福田雄一
原作: 花沢健吾
出演: 
山崎賢人:雲隠九郎
浜辺美波:野口彩花
間宮祥太朗:加藤
白石麻衣:鈴木
山本千尋:山田美月
宮世琉弥:蜂谷紫音
坂口涼太郎:瑛太
長谷川忍(シソンヌ) :担任
木南晴夏:川戸愛
ムロツヨシ:大野
岡山天音:猿田
平田満:主事
佐藤二朗:吉田昭和

<映画.com>
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『アイアムアヒーロー』などで知られる漫画家・花沢健吾が、現代社会に潜む忍者たちの姿を描いた人気コミック「アンダーニンジャ」を実写映画化。「銀魂」「聖☆おにいさん」など数々の話題作を手がける福田雄一が監督・脚本、「キングダム」「ゴールデンカムイ」の山ア賢人が主演を務めた。
太平洋戦争終結後、日本へ進駐したGHQが最初に命じたのは「忍者」組織の解体だった。それにより、忍者の存在は消滅したかに見えた。しかし彼らは世界中のあらゆる機関に潜伏し、現代社会でも暗躍を続けていた。忍者組織「NIN(ニン)」の末端に所属する忍者の雲隠九郎は、暇を持て余していたある日、重大な任務を言い渡される。それは、戦後70年以上にわたり地下に潜り続けている、「アンダーニンジャ」と呼ばれる組織の動向を探るというものだったが……。
主人公の雲隠九郎を山アが演じ、忍者たちの戦いに巻き込まれていくヒロインの女子高校生・野口彩花役を浜辺美波が務めた。そのほか間宮祥太朗、白石麻衣、岡山天音、山本千尋、宮世琉弥、坂口涼太郎、平田満、木南晴夏、長谷川忍らに加えて、福田作品常連のムロツヨシ、佐藤二朗も変わらず参加。
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現代の日本には今も忍者がいるというのは、外国人が信じそうな話であるが、それを前提にした映画。しかも数人、数十人という規模ではなく、数十万人というのはいかがなものかと個人的には思う。そんな忍者がいる日本で物語は始まる。青いパーカーを着た外国人が夜道を歩いていると、OL風の女性鈴木と遭遇する。互いに何かを感じたのか、瞬時に戦いが始まる。両者の動きは尋常ではない。ハイヒールに仕込んだ手裏剣を投げ、カード型拳銃を撃ち、鞄で防ぐ。そんな攻防を物陰から見ている者がいる。

外国人は強く、鈴木は劣勢になる。するといずこからか放たれた吹き矢が外国人に刺さる。現れた雲隠九郎が外国人と格闘し、関節技で気絶させる。雲隠は鈴木に後を任せるといずこかへと去っていく。この雲隠九郎が主人公。殺風景なアパートの何もない部屋で暮らしている。暇を持て余しながら何気なく天井に向けて吹き矢を放つ。吹き矢といっても爪楊枝とストローという簡単なもの。されどそれだけでタダ者ではない感が漂う。

そこに宅配業者に紛した加藤が荷物を持って来る。加藤は抜け忍の見回りをしており、脱獄した者を抹殺する。そして雲隠に講談高校に潜入せよと任務を与える。「アンダーニンジャ」という組織が同校で暗躍しているという情報を受けての指示である。現代の忍者は手裏剣だけが武器ではない。加藤は雲隠にパーカーを置いていくが、それは透明化するもの。攻殻機動隊の光学迷彩のようである。しかし、パーカーは上着だけであり、上半身だけしか消えないのは雲隠九郎ならずとも疑問に思うところである。

同じアパートに住んでいる住人は変わり者ばかり。トイレに入っていた1階の川戸愛が、雲隠にトイレットペーパーを取ってくれと頼む。トイレットペーパーはトイレ内にあるが、便器から離れているというのがその理由。しかし、女性なのに男にトイレに入ってきてトイレットペーパーを取れと言うのも変わっている。雲隠の部屋は隣の大野の部屋と押し入れを通じて繋がっている。雲隠は大野の部屋の冷蔵庫からビールを取って来て川戸と飲む。勢いで全部飲んでしまうが、文句を言ってきた大野とのやり取りはコメディそのものである。

雲隠が通うことになったのは、練魔区立講談高校。そして補習に来た野口とともに雲隠は編入試験を受ける。受からなければ任務も何もない。そこで組織も雲隠をサポートする。床に試験の解答が5色米を使った暗号で置かれている。しかし、米であるがゆえに、虫と間違えて野口が騒ぎ、箒で掃き出されそうになる。雲隠は「水遁の術」と称して小便を漏らしその場をごまかすが、高校生でお漏らしはその後の高校生活に支障をきたしそうに思う。どうやらこの映画の基本はコメディのようである。

前半は野口やアパートの住人たちとのくだらないやり取りが中心。雲隠は屋根の上で野口とビールを飲みながら、学校内の話を聞いて情報収集する。うっかり足を滑らせて屋根から落ちる野口を雲隠が庇って落下するが、パーカーにエアバックが内蔵されていて無傷で済む。透明化だけではパーカーも無用の長となりそうであるが、これは便利である。そしていよいよ暗躍していたアンダーニンジャが姿を表す。後半はシビアなバトルが展開される。しかしながら全身透明化するスーツに身を包み、技術力はアンダーニンジャ側が優位に立っているようである。

アンダーニンジャ側のトップは意外な人物。敵方のボスであるのにそんな雰囲気は微塵もない。雲隠九郎との格闘バトルがラストの見せ場となるが、主人公のはずの雲隠は圧倒的に劣勢である。ラストの展開は少々わかりずらかったが、原作漫画は長くしっかり描かれるところ、映画はダイジェスト版なので、途中を端折った感が強い。何らかの結末をつけなければならないゆえにやむをえないのだろう。果たして雲隠はどうなったのかが最後にちょっと気になった。原作漫画はどんなものかにも興味をそそられる。

これはこれで軽く楽しむ映画と言える。次は原作漫画を読んでみたいと思わせてくれる映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年10月11日

【ミッション:インポッシブル/デッドレコニング】My Cinema File 3073

デッドレコニング PART ONE.jpg

原題: Mission: Impossible - Dead Reckoning Part One
2024年 アメリカ
監督: クリストファー・マッカリー
出演: 
トム・クルーズ:イーサン・ハント
ヘイリー・アトウェル:グレース
ビング・レイムス:ルーサー・スティッケル
サイモン・ペッグ:ベンジー・ダン
レベッカ・ファーガソン:イルサ・ファウスト
バネッサ・カービー:ホワイト・ウィドウ
イーサイ・モラレス:ガブリエル
パリスポム・クレメンティエフ:
マリエラ・ガリガ:マリー
ヘンリー・ツェーニー:ユージーン・キットリッジ

<映画.com>
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トム・クルーズの代名詞で、世界的人気を誇るスパイアクション「ミッション:インポッシブル」シリーズの第7作。シリーズ初の2部作となり、イーサン・ハントの過去から現在までの旅路の果てに待ち受ける運命を描く。タイトルの「デッドレコニング(Dead Reckoning)」は「推測航法」の意味で、航行した経路や進んだ距離、起点、偏流などから過去や現在の位置を推定し、その位置情報をもとにして行う航法のことを指す。
IMFのエージェント、イーサン・ハントに、新たなミッションが課される。それは、全人類を脅かす新兵器を悪の手に渡る前に見つけ出すというものだった。しかし、そんなイーサンに、IMF所属以前の彼の過去を知るある男が迫り、世界各地で命を懸けた攻防を繰り広げることになる。今回のミッションはいかなる犠牲を払ってでも達成せねばならず、イーサンは仲間のためにも決断を迫られることになる。
シリーズを通して数々の命懸けのスタントをこなしてきたトム・クルーズは、今作ではノルウェーの山々に囲まれた断崖絶壁からバイクで空中にダイブするアクションシーンを披露。共演はサイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ビング・レイムス、バネッサ・カービーらに加え、第1作に登場したユージーン・キットリッジ役のヘンリー・ツェーニーもカムバック。「キャプテン・アメリカ」シリーズのヘイリー・アトウェル、人気刑事ドラマ「NYPDブルー」のイーサイ・モラレス、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのポム・クレメンティエフらが新たに参加した。監督・脚本は『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』以降のシリーズを手がけているクリストファー・マッカリー。
劇場公開時の邦題は「ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE」。続編とあわせて2部作のため当初のサブタイトルは「デッドレコニング PART ONE(Dead Reckoning Part One)」だったが、続編のサブタイトルが「ファイナル・レコニング(The Final Reckoning)」になったことから、本作のサブタイトルは「デッドレコニング」のみとなった。
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冒頭、ベーリング海の深海を進むロシアの潜水艦“セヴァストポリ”の艦内から映画は始まる。艦内で運用しているのは高度なAIを搭載した“エンティティ”と呼ばれるもの。突然、レーダーが敵艦を探知する。セヴァストポリは探知不能を謳っている最新鋭の潜水艦であるが、敵艦がこちらに向けて魚雷を発射する。緊迫する艦内。艦長はただちに反撃の魚雷発射を命じるが、レーダーから敵艦と魚雷が消失する。事態を把握できないまま、自ら発射した魚雷を自爆させようとするが、今度はコントロールが効かない。さらに魚雷は弧を描いて“セヴァストポリ”に向かってくる。避けられぬまま“セヴァストポリ”は海底へと沈む。

その頃、アムステルダムではイーサン・ハントが新たなミッションを受ける。任務は、“エンティティ”と呼ばれるすべての情報にアクセスできるAIを手に入れるために必要な鍵の回収。この時代になっても任務を伝えるのは「カセットテープ」で、例のごとくテープは再生後自動焼失する。鍵は2つあり組み合わせて使うようになっている。その1つ目の鍵を持っているのは、イルサ・ファウスト。彼女にはすでに賞金が掛けられており、多くの賞金稼ぎが彼女を追っている。イルサはイーサンとは旧知の仲。イーサンは、アラビア砂漠で賞金稼ぎから襲撃されるイルサを助け出す。

今回のミッションの中心になるのは“エンティティ”というAI。テロ組織や各国がこぞって手に入れようとしており、その能力は世界中の情報データを掌握し、自我を持っているとされる。イーサンは、政府の秘密会議に潜入し情報を入手するとルーサーとベンジーと合流し、もうひとつの鍵を追ってアブダビ空港へ向かう。そこで鍵を売ろうとしている男を追跡する。売り手の男を泳がせ、買い手との接触を待つイーサンたちだが、空港内ではCIAもイーサンを追っている。そんな中、ある女が売り手の男から鍵をすり取る。イーサンはすぐに女に接触するが、グレースと名乗るその女は、一度はイーサンに協力する振りをするものの混乱の中で飛行機に乗り込み姿を消す。

まんまと逃げおおせたはずのグレースだが、ローマに到着するとイタリア警察に捕まってしまう。そして現れた弁護士がイーサン。このあたりは裏のかきあいである。しかし、鍵を狙う謎の組織はここにも容赦なく現れる。さらにはCIAにも追われる。となればグレースもイーサンと協力して窮地を脱しないといけない。なぜか手錠で繋がれてしまう2人はそのまま逃走する。ローマ市街での激しいカーチェイスはなかなかの見ものである。しかし、結局のところイーサンはまたしてもグレースに出し抜かれてしまう・・・

昔、テレビドラマで『スパイ大作戦』という名前でやっていた時はあまり面白いという印象は残っていないが、トム・クルーズ主演で映画化したこのシリーズは極めて面白い。本作も3時間近い大作ながら、まったく時間を感じさせない中身の詰まったストーリーで、次から次へと息もつかせない展開は相変わらずである。今回はがはっきりしていないが、鍵を握るのは万能AI“エンティティ”。その「鍵」を巡って敵味方が入り乱れる展開となる。最大の敵はイーサンと過去に因縁のあるガブリエル。

ひょんなことからイーサンと関わり合うことになったのが、脛に傷を持つ女グレース。仲間の支援も万能AI“エンティティ”にジャックされ、声まで真似されて偽の指示を出されるとどうにもならなくなる。そんなストーリー展開の面白さに加え、見どころのアクションも随所で見せてくれる。砂漠での銃撃戦、ローマ市街でのカーチェイス、オリエント急行での格闘と脱出。あっという間の展開で、物語は後編へと続く。イーサンとガブリエルとの対決の行方、“エンティティ”を巡る騒動の結末、また目の覚めるようなアクションも魅せてくれるのだろう。

なんとなくシリーズの終末感が漂う展開。イーサンの過去も微妙に絡み合うようであり、復習のために観なおしておいた方がいいのかという気もする。何度も絶体絶命のピンチに陥り、そしてその都度切り抜けるイーサン・ハントとその仲間たち。今回の行く末はどうなるのか。後編が待ち遠しい一作である・・・


評価:★★★☆☆








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2025年10月10日

【ビーキーパー】My Cinema File 3072

ビーキーパー.jpg

原題: The Beekeeper
2024年 アメリカ
監督: デビッド・エアー
出演: 
ジェイソン・ステイサム:アダム・クレイ
エミー・レイバー=ランプマン:ヴェローナ・パーカー
ジョシュ・ハッチャーソン:デレク・ダンフォース
ボビー・ナデリ:マット・ワイリー
ミニー・ドライバー:ジャネット・ハーワードCIA長官
フィリシア・ラシャド:エロイーズ・パーカー
ジェレミー・アイアンズ:ウォレス・ウエストワイルド
テイラー・ジェームズ:ラザラス
ジェマ・レッドグレーブ:ジェシカ・ダンフォース
デビッド・ウィッツ:ガーネット
メーガン・レイ:アニセット

<シネマトゥデイ>
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『トランスポーター』シリーズなどのジェイソン・ステイサムが主演を務めたリベンジアクション。組織的詐欺集団によって恩人が死に追いやられたことから、ビーキーパーと呼ばれる男が悪党たちへの復讐に立ち上がる。監督は『スーサイド・スクワッド』などのデヴィッド・エアー、脚本は『リベリオン』などのカート・ウィマーが担当。共演には『ハンガー・ゲーム』シリーズなどのジョシュ・ハッチャーソン、オスカー俳優のジェレミー・アイアンズらが名を連ねる。
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ところはアメリカの片田舎。主人公のアダム・クレイは養蜂家として生計を立てている。タイトルのビーキーパーとはすなわち養蜂家のこと。ただ者でないことはジェイソン・ステイサムが演じていることからもわかる。独身であるクレイは、元教師で慈善団体の理事エロイーズ・パーカーに納屋を借りている。その日も何気ない会話を交わし、夕食を食べに来いと誘われる。しかし、それまでの間、パソコンに向かっていたエロイーズは表示された警告に驚き、すぐに電話をかける。パソコンに疎いエロイーズは、言われるがままにパソコンを操作するが、これがなんとフィッシング詐欺。あっという間に自身の財産と、管理していた慈善団体の資金を全て奪われてしまう・・・

そんなことを露とも知らぬクレイは取れた蜂蜜を手に夕食にやってくる。ところがすぐに室内の異常に気づく。そして見つけたのはエロイーズの変わり果てた姿。そこへ娘であるFBI捜査官ヴェローナが現れ、クレイはその場で逮捕される。何ら動じることなく、言葉を発することもなく逮捕されるクレイ。しかしまもなくクレイは釈放される。クレイから射撃残渣は検出されず、逆に銃にエロイーズの指紋があったことから自殺と断定されたのである。そしてクレイを一番に疑ったヴェローナだが、母親のパソコンを調べてフィッシング詐欺に遭ったのだと知り、クレイにその事実を告げて謝罪する。

エロイーズはアメリカ海兵隊に所属していたヴェローナの亡き兄に似ていたからクレイに良くしたのだろうとクレイに語る。エロイーズにフィッシング詐欺を行った犯人は、FBIのサイバー犯罪担当が2年も捜査していて名前すら不明であり、起訴は難しいと言っていることを話す。それを聞いたクレイは、ある組織の女性に電話を掛けて調査を依頼する。女性は戸惑いながらも内緒で調べてくれる。エロイーズを騙した詐欺組織は「ユナイテッド・データ・グループ(UDG)」であり、その組織の拠点を突き止める。犯罪を訴追するとなると、証拠が必要だろうが、そうでなければ証拠は不要。クレイはUDGのビルに正面から臨む。

ここからがジェイソン・ステイサムの真骨頂。入口にいた警備員2人を一瞬にして制圧すると、ガソリンタンクを持ってUDGの部屋へ入っていく。その前に受付の女性にほかの企業の社員を避難させろと指示する。そして電話をしていたその場にいた者に「もう二度と盗まない」と言わせる。クレイがガソリンを撒き始めるとUDGの社員たちはパニックになって逃走する。その場のリーダーでありエロイーズを騙した張本人のミッキー・ガーネットも警備員4人とともに現れるが、これも一瞬にしてなぎ倒す。そして次の電話がかかってきた瞬間、火花が散りビルは全焼する。

目の前でビルを燃やされたガーネットは、組織のボスにすぐさまそれを報告する。その人物はボストンにある「ダンフォース・エンタープライズ」という企業のCEOであるデレク・ダンフォース。これを受けてダンフォースは直近の案件の関係者を調べるよう命じる。すぐにエロイーズの名前が上がり、ガーネットは武装した男3人を引き連れて、エロイーズの家に向かう。
そこで見つけた養蜂家・クレイを尾行し、ビルを燃やされた仕返しとしてミツバチの巣箱を破壊した上で、作業場である納屋を襲撃する。しかし、飛んで火に入る夏の虫。クレイは武装した男たちを1人ずつ仕留めていく・・・

主人公のクレイであるが、実は「ビーキーパー」という極秘プログラムの元一員。それゆえに特殊訓練を受けていてその腕前は並大抵ではない。一方、思わぬ形で蜂の巣をつついてしまった黒幕のデレク・ダンフォースだが、実は公にできない力を有している。隠れ蓑となっているダンフォース・エンタープライズの警備主任であるウォレス・ウエストワイルドは元CIA長官。当然「ビーキーパー」の存在も知っている。そんなウォレスは現CIA長官のジャネット・ハワードに事態の収拾を依頼する。なんとジェイソン・ステイサムは今度は国家を敵に回すことになる。

映画の見どころは当然ながらジェイソン・ステイサムのゴツゴツアクションなのであるが、相手もただのゴロツキだけでなく、クレイの後任者の現役ビーキーパーだったりするからアクションの質もハイレベルとなる。ウォレスも威信をかけて元陸海軍の特殊部隊員で構成された私兵部隊を雇い、クレイを迎え撃つ。デレクの正体は予想外の人物で、ストーリー的にも盛り上がる。アメリカ合衆国vsジェイソン・ステイサムの激突は見応え十分である。気が付けば似たようなアクションばかりのような気もするが、本作品も裏切られることはない。勧善懲悪のストーリーは日頃のストレスも発散させてくれる。

ただのアクションだけではなく、ストーリーも面白い。アクション映画を観たい時には、お勧めしたい一作である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年10月04日

【悪童日記】My Cinema File 3071

悪童日記.jpg

原題: A nagy fuzet
2013年 ドイツ・ハンガリー
監督: ヤーノシュ・サース
出演: 
アンドラーシュ・ジェーマント:双子
ラースロー・ジェーマント:双子
ピロシュカ・モルナール:祖母
ウルリッヒ・トムセン:将校
ウルリッヒ・マテス:父
ギョングベール・ボグナル:母
オルソルヤ・トス:口蓋裂の娘
ザビン・タンブレア:将校のボーイフレンド
ペーター・アンドライ:牧師

<映画.com>
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第2次世界大戦下、小さな町へ疎開した双子の兄弟が、時に残酷な手段をもってしても生き抜いていく姿を描き、世界に衝撃を与えたアゴタ・クリストフの同名ベストセラーを、クリストフの母国ハンガリーで映画化。第2次世界大戦末期。双子の兄弟が、祖母が暮らす農園へ疎開してくる。彼らは村人たちから魔女と呼ばれる意地悪な祖母に重労働を強いられながらも、あらゆる方法で肉体的・精神的鍛錬を積み重ねる。大人たちの残虐性を目の当たりにした2人は、独自の信念に従って過酷な毎日をたくましく生きぬいていくが……。これがデビュー作となるアンドラーシュ&ラースロー・ジェーマントが主人公の双子を鮮烈に演じ、「タクシデルミア ある剥製師の遺言」のピロシュカ・モルナール、「ある愛の風景」のウルリッヒ・トムセンらベテラン勢が脇を固めた。
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主人公はとある双子。時に1944年8月、父は軍属であり戦況の悪化からだろう、双子は目立つから引き離したほうがいいと言うが、母親はこれに反対する。代わりに実家に預けることになる。父親は双子の息子たちにこれからの試練を予想し日記をつけるようにと言い渡す。そして母親は双子を連れて列車で実家を訪れる。ところがそれは20年ぶりの帰宅であり、その間交流もなかったようで、歓迎ムードは欠片もない。双子を預けた母親は逃げるように帰っていく。

初めて会う祖母は魔女と揶揄される人物であり、2人に対して容赦はない。双子をメス犬の子供と呼ぶほどである。父からは日記を、母からは勉強を続けるようにと言われた2人だが、祖母は「働かざる者食うべからず」を徹底し、双子に容赦なく仕事を言いつける。初日は家に入れてもらえず2人は外で寝る。翌日、2人は薪割りと水汲みを行う。日記には「真実を書くこと」という決まりをつけて続ける事にする。

こうして祖母との厳しい生活が始まる。勉強は辞書と聖書を使って新しい言葉や綴りを覚え、毎日日記をつける。やがて、ドイツ軍の将校がやってきて離れを宿泊所にする。祖母の家の近くの森の向こうは別の国で、鉄条網を越えると撃たれてしまう。そんな森の中で二人は薪拾いをし、祖母と街に出て野菜を売る。油断した隙に野菜を盗まれる。犯人は女の子だが、まんまと逃げられる。不手際があると祖母からは容赦なく打擲される。

生き抜くために2人は訓練を始める。まずは身体を鍛える事。2人はそれぞれ順番に罵りながら交互に殴り合う。そんな2人を見つめる離れの将校。2人は夜に天井から祖母の部屋を覗く。祖母は密かに宝石を隠している事を知る。街で2人から野菜を盗んだ女の子は実は隣に母親と住んでいるとわかる。その母親が病気だと知ると、今度は3人で酒場で稼ぎ、空襲警報が鳴って大人たちが避難して誰も居なくなると酒場で盗みをする。

隣に居座る将校は、男色趣味があるのか、双子を特別な目で見ている。ある時は勝手に部屋に入ってきて寝ている双子に触れる。ある日、2人が雪の中で薪を探していると、死にかけのドイツ兵を見つける。4日間何も食べていないと空腹をうったえ、2人に食べ物を要求する。次の日、2人が食べ物を持っていくと、兵士は既に息絶えている。2人は兵士が持っていた銃と手榴弾を持ち帰りベンチの下に埋めて隠す。

戦時下、両親と離れ祖母の家に預けられた双子の物語。祖母とは言え、2人には冷たい。容赦なく仕事を押し付けるし、食べ物も最低限の感じである。死んだ兵士のようになりたくないと、2人は飢餓に耐える訓練をする。水だけで少なくとも4日間は耐えようとするが、そんな双子の目の前で祖母はいつもは決して食べない鳥の丸焼きを頬張る意地悪さ。それでも2人いるという強みだろう、2人は協力して祖母に対抗していくようになる。

2人はたくましくなっていく。母から送られてきた暖かい服と手紙を祖母から取り返す。時に残酷な行為も行うが、人から受けた恩を忘れるわけではない。迫害されるユダヤ人。世話になったユダヤ人を罵倒した女の家のストーブに手榴弾を仕込む。裏であるまじき行為に手を染めていた司祭を脅して金をもらう。過酷な環境では強くならないと生きていけないかのようであるし、実際そうなのだろう。

やがて村にソ連軍がやってくる。ドイツ軍の圧政下、ソ連軍は解放軍だと思ったのだろう隣の女の子は彼らを歓迎して手を振り、戦車に乗せてもらう。なんとなく危うさを感じていたが、案の定の結果になる。ドイツとソ連という双璧たる蛮軍の間に位置する小国の悲劇を感じる。少年時代にこういう経験をした双子は、いったいどんな大人になるのだろうかと考えた。祖母とも父とも母とも別れることになる。そんな双子の行く末を想像してみた映画である・・・


評価:★★☆☆☆







posted by HH at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の国の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする