
原題: The Darkest Minds
2018年 アメリカ
監督: ジェニファー・ユー・ネルソン
出演:
アマンドラ・ステンバーグ:ルビー・デイリー
ハリス・ディッキンソン:リーアム・スチュワート
ミヤ・チェフ:スズメ / ズー
ブラッドリー・ウィットフォード:グレイ大統領
マンディ・ムーア:ケイト・ベグビー医師
<映画.com>
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超能力を持つ子どもたちが未来を懸けた戦いに挑む姿を描いた近未来SFアクション。「カンフー・パンダ」シリーズのジェニファー・ユー・ネルソン監督が、アレクサンドラ・ブロッケンのヤングアダルト小説を実写映画化した。全米で謎の病気が流行し、約90%の子どもが死亡した。生き残った子どもたちは超能力を手に入れ、各地で事件が続発する。政府は事態の収拾を図るため、彼らを能力別の5色に色分けして強制的に収容所へ送り込む。その中のひとりである10歳の少女ルビーは、自分が政府に脅威とみなされる「オレンジ」であることを知る。数年後、収容所で厳しい生活を強いられていたルビーは、反政府組織のメンバーであるケイトの助けを得て脱出。政府に追われながらも、同じく超能力を持つ仲間たちとともに戦いに身を投じていく。主演は『ハンガー・ゲーム』のアマンドラ・ステンバーグ。
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SFはさまざまな「前提条件」から成り立っている。その前提条件によって物語の面白さも左右されると考えている。この映画は、原因不明の病によって子供達の90%以上が死亡してしまった世界という前提であるが、これが物語にどう影響しているのかというと、大して影響していない。この前提があってもなくても物語自体には大して影響がない。むしろなんでこんな前提条件をつけたのだろうと首を傾げざるを得ない。そんな映画である。
IAANと名付けられた謎のウィルスによって子供たちが次々と死亡する。主人公のルビーの通う学校のクラスメイトも1ヶ月で半分が死んでしまう。奇跡的に生き残ったルビーは10歳の誕生日を迎え、両親から「ぐでたま」のキーホルダーをプレゼントされ幸福のさなかにいる。その夜、ルビーは眠っている両親のベッドを訪れ、私のことで不安を感じないで欲しいと心から願う。その時、ルビーの瞳がオレンジ色に輝く。
翌朝、目を覚ましたルビーだが、両親はルビーのことがわからない。どこの子供かと訝しがり、見知らぬ子供の存在に動揺した両親は政府に通報し、ルビーは収容所へと隔離されてしまう。どうやら生き残った子供たちを政府は収容所に収容しているようである。そこでは、子供達が能力別に色分けされて管理されている。瞳がグリーンに光る子供達は高度な知能を持ち、ブルーはサイコキネシス、イエローは電気を自在に操り、オレンジとレッドは最も危険だとされている。なぜか生き残った子供たちは超能力を身につけている。
ルビーは色分けの際、収容所の医師にオレンジであると判定される。オレンジは危険分子につきすぐに処分されることになっていて、医師は注射をしようとするが、ルビーには相手の思考を操れる能力がいつの間にか備わっていて、医師を操って自分をグリーンだと信じ込ませる。そうして6年の歳月が過ぎる。16歳になったルビーはグリーンに紛れて労働に徹していたが、グリーンの割には覚えが遅いことを疑問視され精密検査を受けることになる。そしてその結果、オレンジであることがバレてしまう。
マクマナス大尉はこれを受けてルビーを処分しようとするが、担当医として検査に当たった医師のケイトがルビーを連れて収容所から脱走する。ルビーを助けたケイトだが、リーグという反政府組織に属している。同じ組織のロブと合流し、逃走を続けるが、ふとした弾みでロブの腕に触れたルビーは、リーグが政府と同じように子供達を集めている実態がわかってしまう。ルビーには相手の思考を読み取る力がある。ケイトとロブを信用できなくなったルビーはタイミングを見て逃げ出し、偶然居合わせたリーアム、ズー、チャブスの乗るバンに駆け込む。
こうした脱走能力者に対し政府は懸賞金を賭けており、賞金稼ぎが常に後を追っている。リーアムらはその中の1人であるレディ・ジェーンに追われている。何とかケイトとレディ・ジェーンを振り切った4人は、物資調達のため廃モールに立ち寄るが、そこでモールで生活している子供達と遭遇する。そして彼らからスリップキッドをリーダーとして逃亡生活を送っている子供達が集まっているキャンプ「イーストリバー」の話を聞く。ルビーたちは自分たちの安住の地としてイーストリバーへ向かうことにする・・・
結局のところ、IAANというウィルスは、子供を死なせるか超能力を身につけさせるものだったんだろうと推測する。生き残った子供たちにはそれぞれ大小はあるものの、特殊能力が備わっている。ルビーの能力は相手の思考を読み、それを思うようにコントロールするもの。リーアムのそれはテレキネシス。木を引っこ抜いて追手の車にぶつけるなんて芸当ができてしまう。こうした能力者がその能力のゆえに危険視されて迫害される様子は『X−メン』シリーズと同じである。
主人公のルビーは意図せずして最強の能力を持ち、ゆえに危険視されるが、同じような仲間たちと出会い、黒幕と対峙し、出会いと別れがあって成長し、生きる道を見つけていくという物語。どこか既視感あふれるストーリー展開は仕方ないのかもしれない。それにしても子供達と対峙してどうするのだろうと思われていたが、黒幕の子供が出てきてなるほど感はあった。ただ、そのうちすぐに忘れてしまうだろうなと思われる。これといったインパクトがないのが原因であるが、そういう影の薄い映画である・・・
評価:★★☆☆☆






