2025年12月21日

【ホイールマン 〜逃亡者〜】My Cinema File 3101

ホイールマン.jpeg

原題: Wheelman
2017年 アメリカ
監督: ジェレミー・ラッシュ
出演: 
フランク・グリロ:ホイールマン
ギャレット・ディラハント:クレイ
ケイトリン・カーマイケル:ケイティ
ウェンディ・モニツ:ジェシカ
スレイン:ジャズ男
ジョン・セナティエンポ:チーター
シェー・ウィガム:マザーファッカー
ジェフリー・サマイ:ベン・オクリ

<MOVIE WALKER PRESS解説>
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犯罪者の逃走を請け負うドライバーが受けた奇妙な着信。それは、長く危険な一夜の幕開けだった。とっさの機転とハンドルさばきで、この危機を切り抜けられるか。
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ある男がとある場所に車を受け取りにやってくる。目立たない車と指定したはずなのに、用意されたのは車体が黒でトランクが赤のBMW。男は文句を言うが、今更変える時間もなく仕方なく車に乗り込む。男は車を走らせながらクレイという男に電話をするが繋がらない。そこへ13歳の娘ケイティが外出の許可を求める電話を男にかけて来るが、男はボーイフレンドと一緒だと読んで許可しない。ケイティは当然不満タラタラである。

そして約束の場所でベン・オクリと名乗る黒人の男とマザーファッカーと名乗るモヒカンの男を乗せる。どうやら男は運び屋のようで、男2人を運ぶのがその夜の仕事。しかし、マザーファッカーと名乗る男は終始男に名前を聞こうと話しかけるが、男は「運び屋=ホイールマン」だとしか語らない。見ず知らずの怪しげな男と余計な話をしたくないという気持ちはよくわかる。ホイールマンはそのまま車をとある銀行の前につける。

ベンとマザーファッカーは自動小銃を取り出すと覆面をして銀行へ入っていく。ホイールマンの今夜の仕事は逃走車の運転手のようである。その時、州外からホイールマンの電話に着信があり、男の声で「俺が誰か分かるか」と尋ねてくる。ホイールマンはその男がクレイを雇い銀行強盗の計画を立案させた「雇い主の男」であることを理解する。雇い主の男はホイールマンが3年間刑務所に入っていたことや、その時に出来た借金を返済するためにこの仕事を請け負ったことを知っている。

そして「実行犯の2人がトランクに金を詰めた時点で車を発進させ2人を置き去りにしろ」とホイールマンに命令する。戸惑うホイールマンだが、実行犯の2人がホイールマンを射殺する予定だと言われると、2人の様子からしてそれももっともらしく、ホイールマンは実行犯の2人がトランクに金を入れた時点で車を発進させ2人を置き去りにする。さらに雇い主の男はホイールマンに車を停めて金を数えさせ、チャンドラー駅に行くように指示する。

そもそもホイールマンに仕事を持つてきたのはクレイであり、ホイールマンはなんとか連絡を取ろうと試みる。その間、ケイティから電話がかかってきて、家にいるがボーイフレンドも一緒だとわかり、ホイールマンは頭に血が昇る。ようやくクレイと電話が繋がるが、雇い主の男のことはクレイも知らない。とりあえずチャンドラー駅に行くが、雇い主の男は倉庫で品物と金を交換しろと指示してくる。しかし、そのに場いた武装した男たちの様子から品物が麻薬であることを察したホイールマンは、取引をせずにそのまま現場から離れる・・・

金に困った主人公が得意の運転の仕事で怪しげな仕事を引き受けるが、雇い主からの指示は明確ではなく、コロコロと変わる。否応なしに危険な立場に追い込まれて悪戦苦闘する物語。ほぼ全編にわたって車の中で映画は進行する。電話で声だけの相手と車の中で話しながら進んでいくストーリー展開は、『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』(My Cinema File 2080)と雰囲気が似ている。そしてホイールマンはいつしかギャングたちの抗争に巻き込まれていることがわかる。家族にも及ぶ危機。その焦りが観る者にも伝わってくる。

いかにしてこの危機から抜け出すか。ホイールマンの一夜の奮闘が描かれる。短い時間の映画であったが、ストーリーの妙であろうか、ラストまでハラハラさせる展開はなかなか観させてくれる。出演陣もほぼ無名であるが、最後まで飽きずに映画の世界に惹きつけられる映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年12月20日

【スーパーマン】My Cinema File 3100

スーパーマン.jpg 

原題: Superman
2025年 アメリカ
監督: ジェームズ・ガン
出演: 
デビッド・コレンスウェット:クラーク・ケント/スーパーマン
レイチェル・ブロズナハン:ロイス・レイン
ニコラス・ホルト:レックス・ルーサー
エディ・ガテギ:ミスター・テリフィック
ネイサン・フィリオン:メタモルフォアンソニー・キャリガン:
ガイ・ガードナー/グリーン・ランタン
イザベラ・メルセド:ホークガール
スカイラー・ギソンド:ジミー・オルセン
サラ・サンパイオ:イブ・テシュマッカー
マリア・ガブリエラ・デ・ファリア:アンジェラ・スピカ/エンジニア
ウェンデル・ピアース:ペリー・ホワイト
アラン・テュディック:スーパーマンロボ4号
プルイット・テイラー・ビンス:ジョナサン・ケント
ネバ・ハウエル:マーサ・ケント
ミカエラ・フーバー:キャット・グラント
ベック・ベネット:スティーブ・ロンバード
フランク・グリロ:リック・フラッグ将軍
ズラッコ・ブリッチ:バジル・グルコス
ミリー・オールコック:スーパーガール
ジョン・シナ:ピースメイカー
ブラッドリー・クーパー:ジョー=エル
マイケル・ルーカー:スーパーマンロボ(声)
ポム・クレメンティエフ:スーパーマンロボ(声)
ショーン・ガン:マクスウェル・ロード

<シネマトゥデイ>
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アメコミヒーローの原点であるスーパーマンを主人公に描くアクション。地球を守るスーパーマンという自らの正体を明かさず新聞記者として働くクラーク・ケントが、宿敵である天才科学者レックス・ルーサーに立ち向かう。監督などを手掛けるのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどのジェームズ・ガン。ドラマシリーズ「ハリウッド」などのデヴィッド・コレンスウェット、『アイム・ユア・ウーマン』などのレイチェル・ブロズナハンのほか、ニコラス・ホルトらが出演する。
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「スーパーマン」の映画と言えば、当時は衝撃的だったクリストファー・リーブの『スーパーマン』シリーズがあり、現在も続いていたクリストファー・ノーラン監督の『マン・オブ・スティール』シリーズがあるが、それとは別のまた新たなスーパーマンのようである。

ここではいきなりスーパーマンの戦いから始まる。ボラビアによる隣国ジャンハンプール侵攻を止めたスーパーマンは、侵攻を命じたボラビア大統領バジル・グルコスを直接捕らえてジャンハンプールから手を引くよう警告する。それに対し、行き過ぎという批判が起こる中、突如現れた「ボラビアのハンマー」に大苦戦する。ダメージを負って南極の要塞近くに落下したスーパーマンは、スーパードッグ、クリプトの助けによって、南極の要塞に逃げる。

この要塞にはスーパーマンの世話をするロボットたちがいて、たちまちのうちにスーパーマンを治療する。そこには両親であるジョー=エルとララ・ロー=ヴァンからのメッセージも一部破損しているが残っており、その言葉がスーパーマンを癒やす。ジョーとララがスーパーマン/カル=エルをクリプトン星の崩壊から救い、地球に送った部分はこの映画では割愛されている。しかし、クリプトとスーパーマンはレックス・ルーサーの送ったエンジニアに追跡されている。

傷が癒えてメトロポリスにとって返したスーパーマンだが、ハンマーに刃が立たない。ハンマーの正体は、レックス・ルーサーの配下にあるウルトラマンと称する者である。メトロポリスに戻ったクラーク・ケントは、スーパーマンがボラビアでの行動で批判されることに耐え難い思いを抱く。しかも、ロイス・レインからそれを問いただされ、喧嘩になってしまう。隣国への侵攻という明らかな暴力に問答無用で止めに入る行為は、法的には根拠がないが、超法規的存在にはそんな議論はない。面白いところである。

一方その頃、スーパーマンの要塞を突き止めたルーサーは、陽動作戦としてメトロポリスに一匹の怪獣を放ち暴れさせる。その間に彼はエンジニア、ウルトラマンとともに孤独の要塞を襲撃し、クリプトを捕獲した上でクリプトン星からのメッセージデータを見つけてこれを持ち出す。そうとは知らないスーパーマンは、メトロポリスで暴れる怪獣退治に集中する。ここで助っ人に登場するのが、グリーン・ランタン、ミスター・テリフィック、ホークガールからなる「ジャスティス・ギャング」。グリーン・ランタンはわかるが、他はわからない。

怪獣退治には成功するが、レックス・ルーサーは破損部分を修復したスーパーマンの両親のメッセージを一般公開する。それはスーパーマンにとって衝撃的な内容。彼の両親は、スーパーマンに地球を征服し、クリプトン人復興のために多くの妻を娶ることを促していたのである。世論は反スーパーマンに転じ、スーパーマンは怒りに駆られてルーサーと対峙するが、ルーサーの方が一枚上手。合衆国政府をも味方につけたルーサーは、合衆国の命令に従ったスーパーマンを拘束し、密かに入り口を作り出していたポケット・ユニバースに監禁する・・・

新たなシリーズに戸惑う部分はあるが、これはこれで楽しませてくれる。クリプトという犬の存在は愉快であるし、スーパーマンの弱点であるクリプトナイトを利用してスーパーマンを無力化する作戦はさすがルーサーである。さらにウルトラマンと称する強敵を登場させるが、その正体はなかなかユニークである。「ジャスティス・ギャング」なるものを登場させ、無敵のスーパーマンに匹敵するライバルを登場させ、時間を忘れさせてくれる展開が続く。難敵の前に苦戦するスーパーマンを助ける仲間たち。無敵すぎる超人だとかえって面白みが失せるので、よく工夫されている。

テーマ音楽は『スーパーマン』シリーズのものであり、これはやはり不動のテーマ音楽だと思わされる。マーベル勢に押されている間のあるDCだが、スーパーマンは健在である。今後このスーパーマンが新たなシリーズとなるのであろうか。そして最後に登場するのがスーパーガール。今度はスーパーガールが新たに加わるのであろうか。なんであれ、これはこれで楽しみたいと思う新たなスーパーマン映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年12月19日

【LAMB/ラム】My Cinema File 3099

LAMB/ラム.jpg

原題: Lamb, アイスランド語: Dýrið
2021年 アイスランド
監督: バルディミール・ヨハンソン
出演: 
ノオミ・ラパス:マリア
ヒルミル・スナイル・グドゥナソン:イングヴァル
ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン:ペートゥル
ララ・ビョーク・ホール:アダ
イングヴァール・E・シーグルソン:テレビの男

<映画.com>
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アイスランドの田舎で暮らす羊飼いの夫婦が、羊から産まれた羊ではない何かを育て、やがて破滅へと導かれていく様を描いたスリラー。『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』などの特殊効果を担当したバルディミール・ヨハンソンの長編監督デビュー作。
山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。子どもを亡くしていた2人は、その「何か」に「アダ」と名付け育てることにする。アダとの生活は幸せな時間だったが、やがてアダは2人を破滅へと導いていく。
『プロメテウス』 『ミレニアム』シリーズのノオミ・ラパスが主人公マリアを演じ、製作総指揮も務めた。アイスランドの作家・詩人として知られ、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の歌劇脚本を手がけたショーンがヨハンソンとともに共同脚本を担当。
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ちょっと珍しいアイスランドの映画。物語の舞台もアイスランドの山あいにある牧草地である。その地に夫婦2人で暮らすのは、イングヴァルとマリア。羊を飼育する農家を営んでいる。隣の家までどのくらいあるのだろうかと思わされる牧草地。夫婦2人だけの生活は子供でもいないと大変なように思う。のどかな牧羊生活が描かれる。アイスランド映画であるが、ノオミ・ラパスが主演というのもどういう経緯なのだろうか。

冒頭、何かが羊の厩舎にやってくる。その理由は後で判明する。そうとは知らない2人は、ある日、厩舎で羊の出産に立ち会う。そして生まれて来た子羊の様子を見て顔を見合わせる。何か異様な姿をしている様子が伝わってくるが、それがどんな姿なのかはわからない。マリアは羊の赤子を人間の赤ん坊のように抱きかかえ、他の羊と一緒に厩舎で育てるのではなく、ベビーベッドに寝かせる。なんとなくそれがどんな姿なのかわかってくる。

2人はその生まれた子に「アダ」と名付け、自分達と一緒に家の中で育てる。やがてその子を産んだ母親の羊が厩舎を抜けだし、産んだ子供が寝ている部屋の窓の外で鳴き出す。マリアは母羊を追い払うが、母羊は何度も窓の外に来るようになる。そしてある日、夫婦が外出から戻った時、ソファで寝かせていたアダの姿が見えないことに気付く。2人は広大な牧草地の中を探し回り、草地の外れで母羊がアダと一緒にいるところを発見する。

2人は裸で草地に寝かされていたアダを抱き起こし、冷えないようにと毛布でくるむ。ここでとうとうアダの姿が明らかになる。マリアに抱かれたアダは、頭部は羊だが首から下は人間という姿をしている。マリアはアダを連れ帰るが、母羊はまたもや部屋の外で鳴き続ける。マリアは猟銃を持ち出すと、母羊を撃ち殺し牧草地に埋める。これがラストでの伏線となる。

頭が羊で体が人間という神話の世界に出てきそうなアダ。やがてイングヴァルの弟・ペートゥルが夫婦の家を訪ねて来る。ペートゥルはアダを見て愕然とする。それはそうだろう。何か波乱があるのかと思っていたが、ペートゥルが思うところあってアダを撃ち殺そうとするぐらいで、それも未遂に終わる。仮に羊だとしても撃ち殺すのは人であれば躊躇うだろう。

アダという名前も夫婦の亡くなった娘の名前だとわかり、2人のアダに対する気持ちもわかってくる。ペートゥルもそんな2人の想いをくみ取ったのか、アダと自然に触れ合うようになっていく。しかし、何事も起こらないような静かな展開のドラマにやがて驚愕すべき事件が起こる。人里離れた牧草地。人の数より羊の方が多いような土地である。不思議な出来事が起こっても不思議ではない。

映画を観るといつもその続きを想像してみたくなる。この映画もアダとそしてマリアがどうなったのか、自然と想像してしまっていた。北欧のアイスランドだからこそ、不思議なこともあるのかもしれない。そんなことを想像させられる映画である・・・


評価:★★☆☆☆








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2025年12月16日

【366日】My Cinema File 3098

366日.jpg
 
2024年 日本
監督: 新城毅彦
出演: 
赤楚衛二:真喜屋湊
上白石萌歌:玉城美海
中島裕翔:嘉陽田琉晴
玉城ティナ:望月香澄
稲垣来泉:陽葵
齋藤潤:琥太郎
溝端淳平:橘諒太
石田ひかり:真喜屋由紀子
国仲涼子:玉城明香里
杉本哲太:玉城一馬

<映画.com>
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沖縄出身のバンド「HY」の同名楽曲をモチーフに、沖縄と東京を舞台に20年の時を超えて織りなされる純愛をオリジナルストーリーで描いた恋愛映画。
2003年、沖縄に住む高校生の湊は、同じ高校の後輩である美海と出会う。音楽の趣味が合う2人は自然とひかれあい、湊の卒業式の日に告白し付きあいはじめる。母を病気で亡くし、音楽を作るという自分の夢を諦めかけていた湊だったが、美海に背中を押されて東京の大学に進学。2年後には美海も上京し、東京での幸せな日々がスタートする。音楽会社への就職が決まった湊と、通訳という夢に向かって奮闘する美海は、この幸せがずっと続くよう願っていた。しかしある日突然、湊は美海に別れを告げて彼女のもとから去ってしまう。
赤楚衛二が主人公・湊役、上白石萌歌がヒロイン・美海役を務め、高校時代から30代までの2人をそれぞれ演じる。「ただ、君を愛してる」『四月は君の嘘』の新城毅彦監督がメガホンをとった。
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2003年、沖縄に住む高校生の美海が主人公。どこにでもいる普通の高校生で、ある時、同じ高校の先輩である湊の存在を知る。湊は母1人子1人の家庭であったが、母が病気で亡くなり、無気力な日々を送っている。そんな時、2人はひょんなことから話をするようになり、音楽の趣味が合うこともあり、2人は自然と惹かれあっていく。そして湊の卒業式の日に告白し付きあいはじめる。

母を亡くし、音楽を作るという自分の夢を諦めかけていた湊は、美海に背中を押されて東京の大学に進学する。付き合うことになったが、いきなりの遠距離恋愛。それでも純真だったのだろう、付き合いは続き、2年後には美海も上京し、東京での幸せな日々がスタートする。湊は大学でも音楽を続けているが、イケメンで人気も高い。特に同級生の香澄は密かに湊に想いを寄せている様子であり、観ていて波乱の匂いがする。

やがて湊も卒業の時を迎え、音楽会社への就職が決まる。美海は母の後を追って通訳という夢に向かって奮闘する。いつしか2人は一緒に住むようになり、この幸せがずっと続くようにと願う。しかし、今度は美海が就職活動の時を迎えるが、なかなか内定がもらえない。とうとう東京での通訳の募集は無くなってしまう。沖縄に戻ればまだ通訳の募集はあるが、湊と離れ離れになってしまう。夢か湊かで悩む美海。

そんなある日、湊は突然美海に別れを告げて去っていく。茫然自失の美海。理由もわからぬまま、美海は故郷に戻って通訳の職につく。やがて時は流れ、現代。2月29日は美海の誕生日。その日、4回目の誕生日を迎えた美海は病院のベッドにいる。医師から余命いくばくもないと告げられた夫の琉晴は、娘の陽葵に東京に湊を探しに行くように伝える。そしてあるものを渡すようにと・・・

恋愛ドラマもいろいろな形がある。成就してそれがずっと続くハッピーエンドだといいが、現実もドラマもそうはならない。幸せな同棲生活を送っていた湊と美海の関係にも突然の終わりが来る。なぜなのか、湊は美海にその理由を語らない。それにはもっともな理由があるのだが、美海を思う湊は黙って美海の下を去る。そして美海も大事なことを湊に告げない。そこにもまた湊を思う美海の気持ちが表れている(避妊ぐらいしろよという心の声は封じる)。

互いに相手のことを思うあまり、大事な真実を告げずに別れてしまう。ドラマではあるが、2人はどうすれば良かったのか、いろいろと考えてしまう。しかし、2人とも黙っていたからこういうドラマになったのだろう。タイトルを見てすぐに閏年のことだとわかる。主人公の美海の誕生日が2月29日。現実にそういう人はかなりいると思うが、誕生日が4年に1度というのはどういう心境になるのだろうかと思ってみたりする。2人をつなぐ重要なアイテムがMDというのも時代を表していていいと思う。

そのMDのラベルに書かれていたのは、「あなたを愛していました。365日じゃ足りないくらい」という言葉。なかなか味のある言葉である。そしてラスト。一体幸せとはなんなのか。いろいろな幸せの形があると思うが、そんなことを考えさせてくれる恋愛ドラマである・・・


評価:★★☆☆☆








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【マジック・マイク ラストダンス】My Cinema File 3097

マジック・マイク ラストダンス.jpg

原題: Magic Mike's Last Dance
2023年 アメリカ
監督: スティーブン・ソダーバーグ
出演: 
チャニング・テイタム:マイク・レーン
サルマ・ハエック・ピノー:マクサンドラ・メンドーザ
アユブ・ハーン=ディン:ビクター
ジェメリア・ジョージ:ゼイディ・ラティガン
イーサン・ローレンス:ウッディ
ジュリエット・モタメッド:ハンナ

<MOVIE WALKER PRESS解説>
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無名時代にストリッパーとして働いていたチャニング・テイタムの経験を基に、男性ストリッパーの世界を描きだした『マジック・マイク』シリーズ最終章。主人公のマイクをモデルとなったチャニング・テイタムが、資産家の女性マックスを『エターナルズ』のサルマ・ハエックが演じる。シリーズ1作目を手掛けたスティーブン・ソダーバーグが再び監督を務める。
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前作からまた数年後の物語。前作で既に傾いていた家具店はとうとう潰れてしまい、40代になったマイク・レーンは、孤独に暮らしている。マイアミで開かれたある富豪のパーティーで雇われバーテンダーを勤めたマイクは、帰り際に主催者である富豪夫人のマクサンドラに呼び付けられる。マイクがストリッパーだと聞いたマクサンドラは、直接ダンスを見たいと要求し、マイクはこれに応じる。そのパフォーマンスはなんらの衰え知らずで、マイクはそのままマクサンドラと一夜を共にする。

マクサンドラは、夫との仲は冷え切っており、離婚に向けての準備中である。ロンドンに離婚のかたに受け取る予定の古風な劇場があり、マクサンドラは演劇のプロデュースに情熱を燃やしている。すでに前売り券が完売しているが、マクサンドラはマイクの演出と振り付けによるダンスで斬新なショーに変えようと考え、マイクをロンドンに連れて行く。さすがに年齢的にもマイク本人がダンスを披露するというのではなく、マイクは演出側になる。

昔のストリッパー仲間に連絡を取り、新メンバーも集めるマイクとマクサンドラ。マクサンドラは自身の伝手と金力で有名なダンサーをスカウトするが、今はYouTubeで自己主張する時代、マイクはその中からこれぞと思う者を選び出して直接スカウトに向かう。路上でパフォーマンスをするダンサーたちのダンスはなかなかの迫力である。一方、マクサンドラは、古典劇を上演予定だった演出家と俳優には報酬を払って解雇する。しかし、主演女優のハンナは自ら売り込み、ダンスショーの出演を獲得する。

こうしてダンスショーの準備は進むが、すんなり実行できれば物語はつまらない。不仲な夫ロジャーと嫁を憎むその母親が政治力を駆使して妨害を仕掛けて来る。その妨害を知恵と工夫とパフォーマンスで乗り越えるマイクたち。このあたりはもう少ししっかり描いてもらっても良かったと思う。夫と義母の妨害によって全財産を奪われる危機に晒されるマクサンドラ。この物語の主人公はマイクであるが、同時にマクサンドラでもある。そしてやはりラストは男性ダンサーたちによるパフォーマンス。

このシリーズは男性ストリップダンサーの物語であるが、男性ストリップというのを実際に見たことがないので、映画で描かれている通りなのかどうかわからない。映画の通りであるとすると、女性のストリップが脱ぐことだけに(全裸になることだけに)焦点があわされていることに比べると、パフォーマンスに焦点があわされていて健全に思う。それでもSEXをしているかのような動きもあるから、映画の中で未成年の子に見せないようにしていたような配慮は必要なのかもしれない。

それはそれとして、ストリップ・ショーと言っても、この映画で披露されるようなショーであるならば是非とも見てみたいと思わされる。熱狂する女性観客たち。その姿を見ているだけでも楽しくなってしまう。「ラストダンス」とある通り、これがシリーズ最終作なのだろう。シリーズ化したということは、それだけ人気が出たということ。それも納得の一作である・・・


評価:★★★☆☆








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2025年12月06日

【知らないカノジョ】My Cinema File 3096

知らないカノジョ.jpg
 
2025年 日本
監督: 三木孝浩
出演: 
中島健人:神林リク
milet:前園ミナミ
桐谷健太:梶原恵介
中村ゆりか:金子ルミ
八嶋智人:春日研一
円井わん:小松みのり
眞島秀和:田所哲斗
風吹ジュン:前園和江

<シネマトゥデイ>
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ユーゴ・ジェラン監督の『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』を原作に描くラブストーリー。愛する人が自分のことを知らない世界に足を踏み入れた男性の戸惑いを映し出す。監督を手掛けるのは『余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。』などの三木孝浩。『桜のような僕の恋人』などの中島健人、シンガー・ソングライターのmilet(ミレイ)らがキャストに名を連ねる。
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主人公は小説家を目指す大学生の神林リク。講義中にこっそりノートに小説を書いていたが、教授に見つかりノートを取り上げられてしまう。大事なノートであり、リクは取り返すべく夜大学に忍び込みノートを見つけるが、警備員に見つかって逃げ出す。そのまま講堂に忍び込むと、ステージの上で歌っている女性がいる。そこへ警備員がやってきて、2人は慌てて逃げる。女性は穴が空いた金網のところにリクを連れていき、そこから逃げるように言う。そして自分はいずこかへと去って行く。

リクはその女性に心惹かれるが、気がつくと探しに行ったはずのノートがない。翌日、大学構内を探すも見つからない。そんなところへ昨日の女性が現れる。女性は前園ミナミと名乗り、リクが探していたノートを差し出す。ミナミはノートに書かれた小説『蒼龍戦記』をしっかりと読んでいた。ミナミは歌手を目指しており、意気投合した2人は互いに惹かれあい、付き合うようになり、そして結婚。あっという間に8年の月日が流れていく。

リクは『蒼龍戦記』がヒットし、大人気シリーズとなったことから売れっ子作家になっている。一方、ミナミは夢を諦めリクを支えているが、仕事で忙しいリクといつしかすれ違うようになっていく。執筆に忙しいリク。最初は真っ先にミナミに読ませていたのに、今は「そのうち書店に並ぶから」と素っ気ない。リクの態度にショックを受けたミナミは1人で寝室に向かう。居心地が悪くなったリクは1人でバーに行き、深夜に帰宅してそのまま寝てしまう。

翌朝リクが目覚めると、隣にミナミの姿がない。電話がなり、顔見知りの編集長に「早く来い」と怒鳴られる。普段と態度の違う編集長にリクは苛立ちながら出版社に向かう。着いた出版社ではみんなの態度が違う。会社には親友の梶原もいて、リクは皆の態度がおかしいことを訴える。互いにかみ合わない会話。さらにリクはミナミに電話をしようとするが、スマホの電話帳からミナミの電話番号が消えている。そしてふとタクシーから窓の外を見ると、宣伝カーに歌手としてミナミの姿が映っている・・・

朝、目が覚めたら世界が一新していたというファンタジードラマ。結婚して主婦をしていた妻が人気シンガーになっている。一方、売れっ子作家だった自分は平凡な出版社の一社員になっている。一躍、有名人になっている妻にファンに紛れ近づくも自分がわからない様子。本当にあったら大変なことになるが、そういう架空の物語は映画の世界だから楽しめる。元の世界ではいつしか空気のような存在になっていた妻が遠い存在になってしまっている。元の世界では邪険にしていた主人公は、一転して妻と「よりを戻そう」と奮闘する。

混乱したリクの唯一の味方は、大学時代からの親友梶原。最初は疑っていた梶原だが、別の世界から来たというリクの突拍子もない話を信じてくれる。そこで考えるのはどうしたら元の世界に戻れるのか。そして原因がわかれば戻る方法もわかるかもしれない。リクと梶原は、ミナミがその鍵を握っていると考える。リクはなんとかミナミに近づこうとするが、相手は有名人。ガードが固くてとても近づけない。悪戦苦闘する2人は、出版社勤務という立場を利用してミナミに近づいていく・・・

元の世界と立場が代わり、売れっ子作家から「普通の人」に戻ってしまったリク。1人になってそれまでのミナミとの生活の一つ一つを振り返る。そこでわかるのは、ミナミがいかに自分を捨ててリクのために尽くしてくれていたかということ。取材という名目でミナミと会ったリクに対し、ミナミは料理は得意ではないと語る。それまで自分のために工夫して苦手な料理をしてくれていたのだと初めて気付かされるリク。後悔先に立たずである。世の夫はみな胸に手を当てた方がいいかもしれないと観ながら思う。

一方、ミナミに拒絶されたリクは、この世界で生きていくことを決意し、編集者としての仕事に前向きに取り組む。そこで目についたのは、一度没になった新人賞の応募作の束。その中から金子ルミの原稿に可能性を見出し、作家デビューさせる。それはそれで1つの生き方として見習うべき点がある。架空の設定を前提としたファンタジードラマであるが、随所で気づかされることがある。

ラストでは観ている方も幸せな気分になれる。それと同時に時間が経ってパートナーに対して邪険に扱っていないか考えてみないといけないかもしれない。観る前のイメージと違って、意外と心に響いた映画である・・・


評価:★★★☆☆








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2025年12月05日

【バスターズ】My Cinema File 3095

バスターズ.jpg

原題: A.C.A.B.: All Cops Are Bastards
2012年 イタリア・フランス
監督: ステファノ・ソッリマ
出演: 
ピエルフランチェスコ・ファビーノ:コブラ
フィリッポ・ニグロ:ネグロ
マルコ・ジャリーニ:マジンガ
アンドレア・サルトレッティ:カルレット
ドメニコ・ディエーレ:アドリアーノ

<映画.com>
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『ボーダーライン ソルジャーズ・デイ』の監督に抜擢されたイタリアの俊英ステファノ・ソッリマがメガホンをとり、モスクワ国際映画祭で国際批評家連盟賞ほか3冠に輝いたポリスアクション。デモや暴動といった危険な現場の最前線で活躍するイタリア国家警察機動隊の警官たち。仲間思いの凄腕隊員コブラは、市民に対する過剰防衛で裁判にかけられることに。また、リーダーのマジンガは極右組織に出入りする息子に頭を抱え、熱血漢のネグロは職務に夢中になりすぎて妻に家を追い出されるなど、それぞれ問題を抱えていた。新人隊員のアドリアノはそんな個性的な先輩たちに戸惑いながらも、徐々に彼らの一員として成長していく。そんなある日、暴動でマジンガが重症を負い、隊員たちは自ら犯人探しに乗り出すが……。出演は『天使と悪魔』のピエルフランチェスコ・ファビーノ、「おとなの事情」のマルコ・ジャリーニ。「のむコレ2018」(18年11月3日〜、東京・シネマート新宿、大阪・シネマート心斎橋)上映作品。
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対象となるのはイタリア国家警察機動隊。機動隊と言えば、我が国でもデモや暴動の際に数で警備鎮圧するというイメージがあるが、イタリアでも同様。その機動隊のとある面々が主人公となる。

冒頭から荒れ狂う群衆と向かい合う機動隊の面々。盾を持ち、警棒を構える。さすがに先進国であり銃器は所持しない。そして両者はぶつかり合う。機動隊も警棒で群衆の1人1人を殴打する。倒れた相手を引きずって連行する。なかなか過激である。やり過ぎ感も漂うが、その場の空気というものもある。群衆から向けられる怒りのエネルギーと対峙すればそれもいたし方ないのかもしれない。

物語は個々のメンバーについても描いていく。リーダーのマジンガは反抗期の息子に手を焼いている。メンバーのネグロは妻との関係が険悪で、家を閉め出されてしまう。さらに娘にも会わせてもらえない。やむなく同僚宅に転がり込む。新入りのアドリアーノには厳しい試練を与えているようで、それはいじめのようにしか見えない。車の席に座らせなかったり、車に閉じ込めて催涙弾を入れたりする。それが後半では思わぬ形になって現れる。

敵対する群衆も単なるフーリガンの時もあれば過激派のような時もある。移民排斥を唱えるグループは過激派なのかもしれない。ある時、警備に当たっていた機動隊メンバーは、群衆と衝突するが、その際、刃物をもった男が混乱に乗じてマジンガを刺す。ただ、刺したのは足であり、殺意まではなかったのかもしれない。しかし、刺されたのは事実であり、メンバーは犯人捜しに乗り出す。仲間の敵討ちということなのだろう。

観ていて思わず手に力が入ってしまう。機動隊と群衆と互いの憎悪が伝わってくる。日本では最近はこんなに激しい衝突は見られないように思うが、群衆側も投石などで応じるが、大きさのある石なので直撃すれば危険だろう。なぜここまで激しい行動に出るのか。憎しみの連鎖が広がり、衝突の激しさが増す。フーリガンは今でもこんなに暴れているのだろうか。そして合間合間に描かれる隊員たちのプライベート。

隊員のコブラは、過剰防衛で訴えられてしまう。その様子だけ聞いていると、なんら弁護の余地はないように思えるが、群衆心理のなせる業だったかもしれないし、少数で迎える機動隊員たちの心理を考えれば行き過ぎもあり得ると思う。単純には判断できないかもしれない。ただ、この映画をもって何を訴えたかったのか、判然としかねるところがあった。ただ単にとある機動隊員たちの姿を描いただけなのか。

そしてアドリアーノはついに行動に出る。それは正義の行動なのか、裏切りなのか。何となく観る事にした映画であるが、漫然と観て終わってしまった映画である・・・


評価:★★☆☆☆







posted by HH at 00:00| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の国の映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする